グローバルサウスとは？

2024年9月29日 2024年9月29日山崎講師

山崎講師

「グローバルサウス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか？最近、ニュースや経済、国際政治の分野でよく耳にするこの言葉は、ある特定の地域を指しています。簡単に言えば、グローバルサウスは、主に発展途上国や新興国を意味します。しかし、それだけではこの言葉の全体像をつかむことはできません。

グローバルサウスの定義

グローバルサウスとは、一般的に地理的に南半球に位置する国々を指します。これにはアフリカ、ラテンアメリカ、南アジア、東南アジア、オセアニアなどの国々が含まれますが、必ずしも地理的な南北を指すわけではありません。実際には、経済的・社会的な発展段階や国際政治における影響力を基準にして使われることが多いのです。

北と南の対比

グローバルサウスに対して、北半球の経済的に先進的な国々は「グローバルノース」と呼ばれることがあります。例えば、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、日本などがその例です。この「ノース」と「サウス」の区分けは、単に経済格差や発展度の違いを反映しています。

グローバルサウスが生まれた背景

この用語は、冷戦時代の二極化した世界観から生まれました。当時、世界は「資本主義陣営」と「共産主義陣営」に分かれていましたが、そのどちらにも属さない「非同盟諸国」が存在しました。これらの国々の多くは、現在のグローバルサウスに位置しています。

冷戦後、世界の構造が変わり、経済的な発展や貧困の課題に焦点が移ったことで、「グローバルサウス」という概念が注目されるようになったのです。

グローバルサウスの特徴

では、具体的にどのような特徴があるのでしょうか？グローバルサウスの国々は多様であり、すべてを一括りにするのは難しいですが、いくつかの共通点があります。

1. 経済的発展の段階

多くのグローバルサウスの国々は、発展途上国や新興市場として分類されます。これは、先進国に比べて経済的な発展が遅れている一方で、成長の余地が大きいことを示しています。

たとえば、インドやブラジルのような国々は、急速に経済成長を遂げており、今後の世界経済を牽引する可能性を秘めています。一方で、アフリカの多くの国々は、まだ貧困やインフラの不足に直面しています。

2. 社会的・政治的課題

グローバルサウスの国々は、貧困や不平等、政治的不安定などの社会的課題に直面していることが多いです。これらの課題は、歴史的な植民地支配や内戦、民族間の対立などが原因である場合もあります。

例えば、アフリカの一部の国々では、長期にわたる内戦や政権交代が続き、安定した経済発展が難しい状況にあります。これに対し、アジアの一部の国々では、政治的な安定が確保され、急速な経済成長を遂げている国もあります。

3. 気候変動の影響

もう一つ重要な特徴として、気候変動の影響を強く受ける地域であることが挙げられます。多くのグローバルサウスの国々は、地理的に気候変動の影響を受けやすい場所にあります。洪水や干ばつ、台風などの自然災害が頻発し、これらが経済や生活に深刻な影響を与えることがあります。

4. 国際的なプレゼンス

経済的には発展途上にあるものの、グローバルサウスの国々の国際的な影響力は年々増加しています。特に中国やインド、ブラジルといった国々は、国際的な場で大きな存在感を示しており、今後もその重要性は高まるでしょう。

グローバルサウスが抱える課題と可能性

課題

グローバルサウスの国々は、多くの課題を抱えています。主なものを挙げると以下の通りです。

経済格差: 一部の都市部は急速に発展していますが、農村部や貧困層は取り残されています。
インフラの未整備: 道路や電力、通信などのインフラが整っていない地域が多いです。
教育や医療の不足: 特に貧困層において、教育や医療へのアクセスが限られています。
気候変動のリスク: 先述した通り、気候変動の影響を受けやすく、災害対策が急務となっています。

可能性

一方で、これらの国々は大きな成長ポテンシャルを持っています。

人口ボーナス: グローバルサウスの多くの国々は、若年層が多く、労働力としての潜在力が高いです。
新興市場としての成長: 経済が未成熟な分、急速な発展が期待できる分野が多く存在しています。
資源の豊富さ: 多くのグローバルサウスの国々は、天然資源が豊富であり、これを適切に活用することで経済成長が見込まれます。

まとめ：今後の学習の指針

グローバルサウスの国々は、世界の経済・政治・社会においてますます重要な役割を果たす存在です。発展途上である一方、将来の成長の大きな可能性を秘めています。今後の国際情勢や経済動向を理解するためには、グローバルサウスの国々がどのように発展し、課題を克服していくのかを学んでいくことが不可欠です。

次に学ぶべきこととしては、個々の国が直面する具体的な課題や、どのような国際的な支援や協力が必要かについて掘り下げていくと良いでしょう。さらに、気候変動や持続可能な開発目標（SDGs）との関連も深く理解することが、グローバルサウスの未来を考える上で重要です。

投稿者プロフィール

山崎講師代表取締役

セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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