Eclipseの「リファクタリングメニュー」とは? 新人エンジニアの方にもわかりやすく解説

こんにちは。ゆうせいです。

今日は、Javaの開発環境として広く使われているEclipse(エクリプス)の「リファクタリングメニュー」について解説します。

リファクタリングとは、ソースコードの動作を変えずに、その構造を改善する作業のことです。
例えば、コードを読みやすくしたり、再利用しやすくしたりするために行われます。

Eclipseには、このリファクタリングを簡単に行うための便利な機能が多数用意されています。それでは、具体的な機能と使い方を見ていきましょう!


リファクタリングメニューとは?

Eclipseのリファクタリングメニューは、コードを効率よく整理・変更するためのツールです。プログラム全体に影響を与えないよう、安全にコードを変更できるのが特徴です。このメニューにアクセスする方法は主に2つあります。

  1. メニューバー
    メニューバーの「リファクタリング」をクリックします。
  2. 右クリックメニュー
    編集したいコードを選択して右クリックし、「リファクタリング」を選びます。

主なリファクタリング機能

Eclipseのリファクタリングメニューには、さまざまな機能があります。以下では、代表的な機能を説明します。

1. 名前の変更(Rename)

クラス名、メソッド名、変数名などを変更する機能です。
例えば、userNameという変数名をcustomerNameに変えたい場合、この機能を使えばコード全体に適用されます。

手順

  1. 変更したい名前を選択。
  2. Shift + Alt + Rを押すか、右クリックメニューから「リファクタリング」→「名前の変更」を選択。
  3. 新しい名前を入力してEnter。

メリット

  • コード全体を自動で更新するため、手動で探して修正する手間が省けます。
  • タイポ(綴り間違い)が防げます。

2. メソッドの抽出(Extract Method)

長いメソッドの一部を別のメソッドに切り出す機能です。これにより、コードが短くなり、再利用性が高まります。

手順

  1. 切り出したいコードを選択。
  2. Shift + Alt + Mを押すか、右クリックメニューから「リファクタリング」→「メソッドの抽出」を選択。
  3. 新しいメソッド名を入力してEnter。

メリット

  • 長いメソッドを簡潔にでき、コードの読みやすさが向上します。
  • 切り出したメソッドを他の場所でも使い回せます。

3. 変数のインライン化(Inline Variable)

一時変数を削除し、直接値や式を使うように変える機能です。たとえば、以下のようなコードを簡素化します。

元のコード

int result = a + b;
System.out.println(result);

変換後のコード

System.out.println(a + b);

手順

  1. インライン化したい変数を選択。
  2. Shift + Alt + Iを押すか、右クリックメニューから「リファクタリング」→「変数のインライン化」を選択。

メリット

  • 不要な変数を減らし、コードがシンプルになります。

4. クラスの移動(Move)

クラスを別のパッケージに移動する機能です。
例えば、com.example.oldパッケージにあったクラスをcom.example.newに移動できます。

手順

  1. 移動したいクラスを選択。
  2. Shift + Alt + Vを押すか、右クリックメニューから「リファクタリング」→「クラスの移動」を選択。
  3. 移動先のパッケージを指定してEnter。

メリット

  • プロジェクト構造が整理されます。
  • 移動後も関連する参照が自動で更新されます。

5. フィールドのカプセル化(Encapsulate Field)

直接アクセスされているフィールドをプライベートにし、Getter/Setterを自動生成する機能です。

手順

  1. フィールドを選択。
  2. Shift + Alt + Cを押すか、右クリックメニューから「リファクタリング」→「フィールドのカプセル化」を選択。

メリット

  • フィールドへのアクセスを制御でき、コードの安全性が向上します。

Eclipseリファクタリングの注意点

  1. ユニットテストを必ず実行する
    リファクタリング後もコードが正しく動作することを確認しましょう。
  2. 自動生成された変更を確認する
    変更内容をプレビューで確認して、意図しない変更がないかチェックしてください。

今後の学習の指針

Eclipseのリファクタリング機能は、初心者から上級者まで幅広く活用できます。まずは「名前の変更」や「メソッドの抽出」といった簡単な機能から試してみてください。慣れてきたら、より高度な機能を使ってプロジェクト全体のコード品質を向上させましょう!

ぜひ、今日学んだ機能を実際のプロジェクトで使ってみてくださいね!


セイ・コンサルティング・グループの新人エンジニア研修のメニューへのリンク

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。