データが語る真実の見つけ方!パラメトリック統計学で推測の達人になろう

こんにちは。ゆうせいです。

みなさんは、学年全体のテストの平均点を予想するとき、クラス全員の点数を一から十まで全部計算して出していますか。

もし、クラスの数人の点数を見るだけで、学年全体の傾向がピタリと分かるとしたら便利だと思いませんか。

そんな「一部から全体を推測する」という魔法のような技術を支えているのが、今回お話しするパラメトリック統計学です。

難しそうな名前ですが、仕組みを知れば、世界の見え方がガラリと変わりますよ。

パラメトリック統計学とは何か

パラメトリック統計学とは、分析したいデータの集まりが、ある特定の形(分布)に従っていると仮定して計算を行う手法のことです。

ここでいうパラメトリックのパラメータとは、母数(ぼすう)という意味です。

母数とは、データの集まりの特徴を決定づける「鍵」のような数字のことだと考えてください。

母数という名の鍵

高校生のみなさんに分かりやすく例えるなら、パラメトリック統計学は「型抜きクッキー」に似ています。

クッキーを作る前に、あらかじめ「星型の型」があると決めてしまうのがパラメトリックの手法です。

型さえ決まっていれば、あとはその型の「大きさ」や「中心の位置」という、たった二つの情報(パラメータ)が分かるだけで、どんなクッキーが出来上がるか正確に予想できますよね。

逆に、型を決めずに、どんな形のクッキーができるか分からない状態で分析することをノンパラメトリックと言います。

正規分布という魔法の型

パラメトリック統計学で最もよく使われる型が、正規分布(せいきぶんぷ)です。

これは、平均値のあたりが一番高く、左右にいくほどなだらかに低くなっていく、左右対称の山のような形をしています。

人間の身長や、テストの点数、製品の重さなど、自然界や社会のデータの多くはこの正規分布の形になると言われています。

パラメトリック統計学では、まず「このデータは正規分布の形をしているはずだ!」と信じることからスタートするのです。

正規分布の形は、以下の数式で表されます。

f ( x ) = ( 1 / \sqrt{ 2 \pi \sigma^2 } ) \times e^{ - ( x - \mu )^2 / ( 2 \sigma^2 ) }

ここで使われている \mu (ミュー)は平均を、\sigma (シグマ)はデータのバラつき具合を表しています。

この二つの数字さえ分かれば、全体の姿が浮き彫りになる。これがパラメトリックの凄さです。

パラメトリック統計学のメリット

この手法を使うと、ビジネスや研究で圧倒的なアドバンテージが得られます。

  • 少ないデータで正確に推測できるあらかじめ「形」が決まっているため、すべてのデータを集めなくても、一部のサンプルから全体の姿を高精度に導き出せます。
  • 判定のパワーが強い統計学の世界では「検定力」と呼びますが、本当は差があるのに「差がない」と見逃してしまうミスを最小限に抑えられます。
  • 複雑な分析ができる二つのグループを比べるだけでなく、複数の要因がどう絡み合っているかを解き明かす高度な分析に発展させやすいのが特徴です。

注意すべきデメリット

ただし、この魔法には一つだけ大きな落とし穴があります。

  • 型が違うと全く使い物にならないもし、実際のデータが「星型」ではなく「ハート型」だった場合、星型の前提で計算した結果はすべてデタラメになってしまいます。データが極端に偏っていたり、飛び抜けた値(外れ値)が混ざっていたりすると、間違った結論を導いてしまう危険があります。

使う前に「本当にこのデータは正規分布の型にハマっているかな?」と確認する作業が欠かせません。

パラメトリックとノンパラメトリックの比較

自分たちが持っているデータに対して、どちらの道具を使うべきか、この表を参考にしてみてください。

項目パラメトリックノンパラメトリック
前提条件データが正規分布に従う分布の形を問わない
データの種類身長や体重などの連続した数値アンケートの順位やYES/NOなど
分析の鋭さ非常に鋭い(差を見つけやすい)やや鈍い
データの量ある程度の数が必要少なくても使える

これからの学習の指針

パラメトリック統計学の扉を開いたあなたに、次にお勧めしたいステップはこちらです。

  1. t検定について調べてみる二つのグループの平均値に「意味のある差」があるかどうかを調べる、最も有名なパラメトリックの手法です。
  2. データの分布を可視化してみるExcelなどを使って、自分の身の回りにあるデータをヒストグラム(棒グラフの一種)にして、正規分布の形をしているか眺めてみましょう。
  3. 推計統計学の考え方に触れる「サンプルから全体を当てる」という考え方の奥深さを学んでみてください。

データの背後にある「型」を見抜く力がつけば、情報に踊らされることなく、本質を突いた判断ができるようになりますよ!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。