モデルの精度を左右する運命の分かれ道!クロスバリデーションによる賢い変数・パラメータ選択術
こんにちは。ゆうせいです。
せっかく作ったAIモデルが、練習問題では満点なのに本番のテストではボロボロ……なんて経験はありませんか。
これは、モデルが手元のデータだけに慣れすぎてしまう「過学習」という現象です。
今回は、そんな失敗を防ぎ、本当に実力のあるAIを作るための必須テクニック、クロスバリデーション(交差検証)について解説します。
変数選びやハイパーパラメータの設定にどう活かすのか、一緒に見ていきましょう!
クロスバリデーションは「模擬試験のローテーション」
クロスバリデーションを日本語で言うと、交差検証と呼びます。
これは、手元にあるデータをいくつかのグループに分け、テスト役と練習役を交代しながら何度も検証を行う手法です。
例えば、100問の問題集があるとします。
これを5つのグループ(20問ずつ)に分けます。
1回目は、1番から80番までを練習に使い、残りの81番から100番をテストに使います。
2回目は、テストにする場所をずらして、61番から80番をテストに使います。
これを5回繰り返して、すべての問題でテストを受けた結果の平均を見るのです。
一回きりのテストだと、たまたま簡単な問題が当たって高得点が出るかもしれませんよね。
でも、全員が一度ずつテスト役を務めるこの方法なら、そのモデルの「本当の実力」が浮き彫りになります。
最高のメンバーを選ぶ「変数選択」への活用
AIにどの情報を教えるべきか迷うことはありませんか。
例えば、明日の天気を当てるのに「昨日の気温」は必要ですが、「昨日の夕飯」は不要ですよね。
このように、予測に役立つ項目(説明変数)を絞り込むのが変数選択です。
活用のステップ
- 候補となる変数の組み合わせをいくつか作ります(パターンA、パターンBなど)。
- それぞれのパターンでクロスバリデーションを実行します。
- 最も平均スコアが良かった組み合わせを「最高のメンバー」として採用します。
余計な情報を削ぎ落とすことで、モデルはよりシンプルで頑健(壊れにくい)なものになります。
AIの性格を決める「ハイパーパラメータ選択」
ハイパーパラメータとは、人間が外側から設定してあげる「AIの学習設定」のことです。
先ほど学んだ「学習率(歩幅)」などがこれに当たります。
これを決める際にも、クロスバリデーションが威力を発揮します。
グリッドサーチとの組み合わせ
よく使われるのが、グリッドサーチという方法です。
これは、あらかじめ候補となる値(歩幅を 0.1 にするか 0.01 にするかなど)を網羅的にリストアップし、その全パターンに対してクロスバリデーションを行う力技です。
計算式で精度の平均を出すイメージは以下の通りです。
全体の精度 = ( 1回目の精度 + 2回目の精度 + ... + n回目の精度 )
この全体の精度が最大になる設定こそが、そのAIにとっての「最適解」となります。
メリットとデメリットを整理しよう
クロスバリデーションは万能に見えますが、注意点もあります。
メリット
- データの無駄がないすべてのデータを練習にもテストにも使えるため、データが少ない時に特に有効です。
- 信頼性が高い一回きりの検証よりも、たまたまの結果に振り回されるリスクが低くなります。
デメリット
- 計算に時間がかかる5分割なら5回、10分割なら10回の学習を行うため、単純計算で数倍の時間がかかります。
- データの順番が大事な場合には工夫が必要株価などの時系列データでは、未来のデータで過去を予測してしまわないよう、特殊な分け方をする必要があります。
まとめと次のステップ
クロスバリデーションは、AIが「井の中の蛙」にならないための、非常に公平な評価システムです。
変数選びやパラメータ調整で迷ったときは、この「模擬試験のローテーション」を思い出してください。
さて、クロスバリデーションの仕組みは理解できたでしょうか。
もし興味が湧いてきたら、次は「時系列データのクロスバリデーション」について調べてみてください。