世界一効率的なAIの作り方!EfficientNetで画像認識の常識が変わる
こんにちは。ゆうせいです。
みなさんは、人工知能が画像を認識する仕組みについて、どれくらいご存知でしょうか。最近のAIは人間を超える精度を持っていますが、実はその裏側で、とてつもない計算量と電気代を消費しているという悩みがありました。
そこで登場したのが、今回解説するEfficientNetです。この技術は、いわば少ないエネルギーで最大のパフォーマンスを発揮する、燃費最強のスポーツカーのような存在です。
なぜこの技術が革命的だったのか、その秘密を探っていきましょう!
精度と効率を両立させる魔法
これまでのAI開発では、精度を上げるためにとにかくモデルを大きくする手法が一般的でした。しかし、闇雲に大きくしても、計算が重くなるばかりで効率が悪くなってしまいます。
そこでGoogleの研究チームが考案したのが、EfficientNetです。
このモデルの最大の特徴は、モデルの大きさを決める3つの要素を、バランスよく調整することにあります。
専門用語を紐解く:3つのスケール
AIの設計図を大きくする際、これまでは以下の3つのどれか1つを強化するのが主流でした。
- 解像度:入力する画像のきめ細かさ。
- 深さ:AIが考える工程の数。
- 幅:一度に処理できる情報の通り道の広さ。
しかし、どれか1つだけを突出させても、すぐに限界が来てしまいます。例えば、料理に例えてみましょう。
高級な食材(高解像度)だけを用意しても、コンロが1つ(幅が狭い)しかなかったり、料理人が1人(深さが足りない)だったりしては、最高のフルコースは作れませんよね?
そこで重要になるのが、次に説明するCompound Scalingです。
Compound Scalingという画期的なアイデア
Compound Scalingとは、日本語で複合変換という意味です。先ほど挙げた解像度、深さ、幅の3つを、一定の法則に基づいて同時に、かつバランスよく大きくしていく手法を指します。
ここで、研修の核心となる数式を整理してみましょう。
計算リソースの秘密
この手法では、計算の規模を以下のルールで決定します。
計算リソースを 倍にする
この は、私たちがどれくらい贅沢に計算機を使えるかを表すユーザー定義の係数です。もし皆さんが、計算機のパワーを
倍に増やしたいと考えたら、この値を調整します。
すると、Compound Scalingの法則に従って、解像度、深さ、幅がそれぞれ最適な比率で自動的に引き上げられます。これにより、バラバラに調整するよりもはるかに高い効率で、賢いAIを作ることができるようになりました。
このバランス感覚こそが、EfficientNetが最強と呼ばれる所以です!
EfficientNetを導入するメリットとデメリット
この技術を学ぶ上で、良い面と注意すべき面を整理しておきましょう。
メリット
- 圧倒的な軽さ:従来のモデルと同じ精度を、数分の1の計算量で実現できます。
- モバイルへの適性:スマホのようなパワーの限られたデバイスでも、サクサク動くAIが作れます。
- 学習時間の短縮:計算が効率的なので、AIを賢くするまでの待ち時間が大幅に減ります。
デメリット
- 実装の複雑さ:3つの要素を連動させるため、独自のカスタマイズをしようとすると設計が難しくなります。
- 特殊な処理への適性:非常に特殊な形状の画像などを扱う場合、このバランスが必ずしも最適とは限らないケースもあります。
皆さんのプロジェクトでは、精度の高さと動作の軽さ、どちらを優先したいですか?
学習の指針:次の一歩
EfficientNetをマスターするためのロードマップを提案します。
- 既存のモデルを動かす:まずはPyTorchやTensorFlowなどのライブラリを使って、公開されている学習済みモデルを動かしてみましょう。
- パラメータを変えてみる:前述した
の値を変更して、どれくらい精度と速度が変わるか実験してください。
- 自分のデータで学習させる:身近な写真を使って、自分専用の効率的な画像認識AIを作ってみるのが一番の近道です。
効率を極めることは、これからのAIエンジニアにとって必須のスキルです。ぜひ挑戦してみてください!
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投稿者プロフィール
- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。