垂直思考(Vertical Thinking) と 水平思考(Lateral Thinking)

垂直思考(Vertical Thinking)水平思考(Lateral Thinking) は、問題解決や意思決定の際に使用される2つの異なる思考アプローチです。それぞれの特徴を以下にまとめます。


1. 垂直思考(Vertical Thinking)

垂直思考は、論理的で系統的なアプローチを重視する思考法です。既存の情報やルールに基づいて、一貫性を持った結論を導き出す方法です。

特徴:

  • 論理的なプロセスを重視する。
  • 問題に対して既存のフレームワークや知識を適用する。
  • 明確な結論を出すことが目的。
  • 正しい解答や最適解を追求する。

利点:

  • 精度が高く、確実な結果を得やすい。
  • 既存のデータや情報を活用できる。
  • 科学的研究や技術開発など、正確性が求められる場面で効果的。

欠点:

  • 創造性が制限される可能性がある。
  • 固定観念にとらわれやすい。
  • 新しい視点が得られにくい。

例:

  • 数学の問題を解く際に、公式や理論を使用して解答を導き出す。
  • プロジェクトのスケジュールを立てる際に、過去のデータを分析して計画を立てる。

2. 水平思考(Lateral Thinking)

水平思考は、既存の枠組みにとらわれず、新しい視点やアイデアを模索する思考法です。固定観念を打破し、独創的な解決策を見つけることに焦点を当てます。

特徴:

  • 直感や創造性を重視する。
  • 問題に対して複数の解決策を模索する。
  • 規則や常識にとらわれず、新しいアイデアを試みる。
  • 非論理的な発想も積極的に活用する。

利点:

  • 革新的なアイデアや解決策が得られる。
  • 既存の問題を異なる視点から分析できる。
  • 固定観念を打破しやすい。

欠点:

  • 実現可能性が低いアイデアも含まれる場合がある。
  • 論理性に欠けると、結論が不明確になる可能性がある。
  • 時間やリソースがかかる場合がある。

例:

  • 「ペットボトルを再利用する新しい方法を考える」といった発想の自由なアイデア出し。
  • 商品の売り上げを伸ばすために、従来の販売方法を大きく変更するマーケティング戦略。

両者の違い:

特徴垂直思考水平思考
目的正しい結論を導き出すこと新しいアイデアを生み出すこと
アプローチ論理的・分析的創造的・直感的
柔軟性制限される高い
使用場面科学的研究、技術的な問題解決アイデア出し、革新的な課題解決

活用例:

両方の思考をバランスよく使うことが、より効果的な問題解決につながります。たとえば、製品開発においては以下のように使い分けられます:

  1. 水平思考で新しいアイデアを出し合う(ブレインストーミング)。
  2. 垂直思考でその中から実現可能で論理的なアイデアを選定する。

どちらの思考も重要であり、場面に応じて適切に使い分けることが求められます。

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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