多項式回帰:カーブを描いてデータを捉える魔法の数式の正体

こんにちは。ゆうせいです。

みなさんは、散らばった点と点の間に線を引くとき、まっすぐな定規で引こうとしてうまくいかなかった経験はありませんか。世の中の現象は、きれいな直線だけで表せるほど単純ではありませんよね。

今回は、そんな折れ曲がったり、ぐにゃりと曲がったりするデータの傾向を読み解く「多項式回帰」という手法についてお話しします。なぜ、わざわざ「多項式」なんていう少し難しそうな名前がついているのでしょうか。その謎を一緒に解き明かしていきましょう!

なぜ多項式回帰と呼ばれるのか

そもそも多項式という言葉を聞いて、数学の授業を思い出した方もいるかもしれません。

多項式回帰がその名前で呼ばれる理由は、ずばり「複数の項が足し合わされた式」を使って、データの変化を予測するからです。

ここで言う「項」とは、数や文字を掛け合わせてできた塊のことです。例えば、

y = a \times x + b

という式があったとします。これは中学校で習う一次関数の式ですね。この場合、 a \times x という塊と b という塊の2つが足し合わされています。

しかし、データが複雑にカーブしている場合、この直線的な式では対応できません。そこで、 x を2乗したり3乗したりした新しい項をどんどん追加していくのです。

y = a \times x^2 + b \times x + c

このように、 x の累乗(2乗や3乗)を含む複数の項を組み合わせた式を「多項式」と呼びます。この多項式を使って、過去のデータから未来を予測(回帰)するので「多項式回帰」と名付けられました。

例えるなら、一本の直線的な「針金」では表現できない形を、いくつもの節がある「自在に曲がる定規」を使って、ぴったり形を合わせにいくようなイメージです。

多項式回帰で使われる重要な用語

初心者が最初につまずきやすい専門用語を、わかりやすく噛み砕いて解説します。

次数(じすう)

次数とは、その式の中で一番大きく掛け合わされている x の数のことです。

x^2 なら2次、 x^3 なら3次と呼びます。

これを料理に例えるなら、隠し味の「こだわり度」のようなものです。次数を上げれば上げるほど、式は複雑に折れ曲がり、どんなにデコボコしたデータにも無理やり寄り添うことができるようになります。

過学習(かがくしゅう)

「次数を上げれば正確になるなら、どんどん上げればいいじゃないか!」と思いますよね。でも、ここが落とし穴です。

次数を上げすぎて、データにある「たまたま発生したノイズ」にまで完璧にフィットさせてしまう現象を過学習と呼びます。

これは、試験対策で「過去問の答えを丸暗記」してしまい、少し傾向が変わった本番の試験で全く点数が取れなくなる状態に似ています。学習しすぎて、柔軟性を失ってしまうのですね。

多項式回帰のメリットとデメリット

どんな道具にも、得意なことと苦手なことがあります。

メリット

  • 直線では表せない「カーブ」を表現できる
  • データの複雑なパターンを捉え、予測の精度を高められる
  • 一見バラバラに見える変化の裏にある法則を見つけやすい

デメリット

  • 次数を増やしすぎると、前述の「過学習」が起きやすい
  • 計算が複雑になり、コンピュータに負荷がかかることがある
  • データの端の方(外側)を予測しようとすると、極端な数値になりやすく信頼性が下がる

多項式回帰の活用例

私たちの身の回りでも、多項式回帰は活躍しています。

  1. 植物の成長予測種をまいてから芽が出るまではゆっくり、ある時期から急激に伸び、やがて成長が止まる。この曲線的な動きは多項式回帰が得意とする分野です。
  2. 商品の価格と需要の関係値段を下げれば売れますが、極端に安すぎると逆に「怪しい」と思われて売れなくなることがあります。こうした「山なりのグラフ」を描く分析に使われます。

まとめとこれからの学習ステップ

多項式回帰は、直線の限界を超えて、データの真の姿をカーブで描き出す強力な武器です。

名前の由来は、 x の2乗や3乗といった複数の項を足し合わせた式を使うからでしたね。

次のステップとして、以下のことを学んでみてはいかがでしょうか。

  • 実際にPythonなどのプログラミング言語を使って、グラフを描いてみる
  • 過学習を防ぐための「正則化」というテクニックを調べる
  • 直線的な「線形回帰」と、今回の「多項式回帰」を同じデータで使い比べてみる

数学の式は一見冷たく見えますが、その背景には現実の複雑さを捉えようとする人間の知恵が詰まっています。ぜひ、楽しみながら学びを深めていってください!

次は、実際にデータをコンピュータに入力して、美しいカーブを描く方法について一緒に学んでみませんか?

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。