新人エンジニアの皆さんに向けて「会計上の利益と現金の残高がずれる原因」を解説
こんにちは。ゆうせいです。
今日は「会計上の利益と現金の残高がずれる原因」について、新人エンジニアの皆さんに分かりやすく解説していきます。会計の知識は技術職でも役立つ場面が多いので、ぜひ一緒に学んでいきましょう!
会計上の利益と現金の残高はなぜズレるのか?
まず最初に、会計上の利益と現金の残高について簡単に説明します。
- 会計上の利益: 会社が一定期間に得た「儲け」のこと。売上から費用を引いたものです。
- 現金の残高: 実際に会社が手元に持っている現金のこと。銀行口座や現金の合計です。
この2つは、表面的には同じ「会社の儲けや資金状況」を表しているように見えますが、計算方法やタイミングの違いによってズレが生じます。例えるなら、会計上の利益は「家庭の家計簿」、現金の残高は「財布の中身」のようなものです。家計簿では収入が増えたと書かれていても、まだ振り込まれていないお金は財布にありませんよね?このような感覚で覚えると分かりやすいです。
主なズレの原因
1. 収益・費用の認識タイミングの違い
会計では「発生主義」と呼ばれるルールに基づいて収益や費用を計上します。
一方で、現金の残高は「実際にお金が動いたタイミング」で増減します。
例: 売掛金(うりかけきん)
- 商品を100万円で売りましたが、お客さんは翌月に支払います。
- 会計上の利益: 売上100万円を今月の収益として記録します。
- 現金の残高: 実際にお金が入るのは翌月なので、今月の現金は増えません。
このように、「まだお金が入っていないけど、利益としては計上される」ケースがズレの原因になります。
2. 非現金支出
会計上は費用として計上されても、実際に現金が動かない項目があります。これを「非現金支出」と呼びます。
例: 減価償却費
- 減価償却費とは、建物や機械などの長期間使う資産を、数年に分けて費用にする方法です。
- 会計上の利益: 毎年、減価償却費を費用として計上します。
- 現金の残高: 実際には、その年に新たなお金が出ていくわけではありません。
つまり、帳簿上では「コストがかかった」ように見えますが、現金は減らないため、ズレが生じます。
3. 貸借(たいしゃく)取引の影響
会社が借金をしたり、返済したりする場合、会計上の利益に直接影響しないのに現金の残高は変動します。
例: 銀行からの借入
- 会計上の利益: 借金は収益でも費用でもないため、利益に影響しません。
- 現金の残高: 銀行から借りたお金が振り込まれるので増加します。
逆に、返済すると現金は減りますが、利益に影響しないという現象もあります。
4. 税金の支払い
会計上の利益には、税金を引く前の利益が含まれています。一方、現金の残高は税金を支払うと減少します。
例: 法人税
- 会計上の利益: 税金を支払う前の利益が計上されています。
- 現金の残高: 税務署に法人税を支払うと、その分だけ現金が減ります。
具体例を表で比較
以下の表に、主なズレの原因を簡単にまとめてみました。
ズレの原因 | 会計上の利益 | 現金の残高 |
---|---|---|
売掛金 | 利益に計上される | 現金はまだ増えない |
減価償却費 | 費用として減る | 現金は減らない |
借金 | 影響しない | 現金が増える |
税金の支払い | 税引前利益として表示される | 現金が減少する |
どうしてエンジニアに必要なのか?
ここで疑問に思うかもしれません。「なぜエンジニアがこんな会計の知識を学ぶ必要があるのか?」と。
例えば、あなたが新しいシステムを作る際、会社の財務データや売上データを処理する場合があります。そのとき、会計上のルールを知らないと、誤ったデータ処理や判断をしてしまう可能性があります。特に、売掛金や減価償却のようなズレの原因を理解していないと、開発したシステムが期待通りに機能しないかもしれません。
まとめ
会計上の利益と現金の残高がずれる原因は、収益・費用の認識タイミングや非現金支出、貸借取引、税金の支払いなど、さまざまな要因に起因します。それぞれの違いを理解することで、財務データの見方や解釈が深まり、より正確な判断ができるようになります。
エンジニアとして財務データを扱う機会が増えると、こうした知識が役に立つ場面が必ず訪れます。ぜひ、会計の基本的な仕組みを学び続けてくださいね!
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投稿者プロフィール
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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