新人エンジニアの皆さんに向けて「要因」と「原因」と「真因」の違いを解説

こんにちは。ゆうせいです。

今日は「要因」「原因」「真因」という言葉の違いについて、新人エンジニアの皆さんに解説します。これらは似たように使われがちですが、それぞれ意味や使い方が異なります。問題解決の際に役立つ知識なので、しっかり理解しておきましょう!


要因とは?

「要因」とは、問題や結果に影響を与えた要素全般を指します。
複数の要因が絡み合って一つの問題が発生する場合が多いです。要因には直接的なものもあれば、間接的なものも含まれます。

特徴

  • 問題に関係している「幅広い要素」を指す。
  • 全てが直接的に問題の「引き金」となったわけではない。
  • 例えるなら、**「影響を与えた人々や背景」**といった広い意味です。

  • システム障害が発生した場合の要因:
    • 開発時の仕様変更
    • テスト不足
    • ネットワーク環境の不安定さ

これらはすべて、障害発生に何らかの形で関わっている可能性のある要素です。


原因とは?

「原因」とは、問題が発生した直接的な理由やトリガーを指します。
要因の中でも、特に問題を引き起こした直接的な出来事や状況を表します。

特徴

  • 問題の引き金となった具体的なもの。
  • 複数の原因があることもある。
  • 要因よりも狭い範囲の概念。

  • システム障害が発生した原因:
    • 設定ファイルの誤り
    • サーバーの過負荷

これらは、問題発生の「きっかけ」となった直接的な理由です。


真因とは?

「真因」とは、根本的な原因のことを指します。
真因は、問題の再発を防ぐために特定する必要がある最も重要な部分です。表面的な原因ではなく、根本的な解決策を導くための手がかりとなります。

特徴

  • 原因をさらに深掘りしたもの。
  • 再発防止に直結する本質的な理由。
  • 問題解決の最終目標。

  • システム障害が発生した真因:
    • 仕様変更を管理するプロセスが不十分だった。
    • サーバーのキャパシティ計画が甘かった。

これらは、再発を防ぐために解決すべき「根本の問題」です。


要因・原因・真因の違いを比較

項目要因原因真因
範囲広い(間接的・直接的な影響全般)狭い(直接的な理由)最も狭い(根本的な理由)
目的問題に影響を与えた要素を洗い出す問題発生の直接的な引き金を特定する再発防止や本質的な解決を目指す
例え「何人かがミスを助長した環境全体」「実際にミスを引き起こした行動や出来事」「そのミスを生む根本的な組織の仕組み」
解決への関係性問題の背景を知るための材料問題を一時的に解決する糸口問題を完全に解決するための出発点

簡単な例で理解する

シナリオ:リリース後に重大なバグが発生

  • 要因:「テストのリソース不足」「チーム間のコミュニケーション不足」
  • 原因:「テストでこの機能をカバーしていなかった」「レビューで見逃された」
  • 真因:「テストケースの設計が曖昧だった」「レビューの基準が不明確だった」

どう使い分けるべきか?

問題解決を行うときには、以下の手順で考えると効果的です。

  1. 要因を洗い出す
    • 問題に関係していそうな全ての要素をリストアップする。
    • 例えば、「スケジュール遅延」「テスト不足」「リソースの配分」など。
  2. 原因を特定する
    • 要因の中から、実際に問題を引き起こした直接的な理由を探す。
    • 「エラーのあるコードがデプロイされた」など具体的な行動や事象を明確に。
  3. 真因を追求する
    • 原因をさらに深掘りし、再発防止に必要な根本的な理由を特定する。
    • 「設計プロセスが不十分」「チェック体制が機能していない」など。

最後に

「要因」「原因」「真因」をしっかり区別して考えることで、問題解決の精度が大きく向上します。特に真因を特定することは、再発防止や長期的な改善につながります。新人エンジニアとしては、まずは問題に関係する要因をしっかり洗い出す練習から始めてみましょう。

次のステップとして、「原因分析のフレームワーク」(5Why分析や魚骨図)」 を学ぶとさらに実践的なスキルが身につきます!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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