新人エンジニア向けの「ビジネスマナー」について、新人研修講師の方に向けて解説
こんにちは。ゆうせいです。
今回は、新人エンジニアにビジネスマナーを教える講師向けに、効果的な指導方法や押さえておきたいポイントについて解説します。新人エンジニアは技術力を伸ばすことに集中しがちですが、ビジネスマナーも社会人として欠かせないスキルです。
「技術があれば十分じゃないの?」と思われることもありますが、実際にはクライアントや上司とのやり取り、チーム内のコミュニケーションなどでマナーが欠けていると、信頼関係が築けません。
では、どのように教えれば、新人エンジニアがビジネスマナーを理解し、自然に実践できるようになるのでしょうか?講師としての役割や伝え方の工夫について、ポイントごとに説明していきます。
新人エンジニアにビジネスマナーが必要な理由
エンジニアも「ビジネスパーソン」である
「技術職だからマナーは関係ない」と誤解されがちですが、エンジニアも組織の一員です。プロジェクトの進行には、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を適切に行う必要がありますし、顧客対応や上司・同僚との連携も重要です。技術だけでなく、社会人としての信頼を得ることが仕事の成果にもつながります。
例えば、どれだけ素晴らしいコードを書いても、顧客やチームに内容が伝わらなければ「成果」として評価されません。ビジネスマナーは、その伝える力やコミュニケーションの土台になるのです。
指導の前に理解すべき「新人エンジニアの特徴」
1. 技術に集中しがち
エンジニアは技術スキルの習得に意欲的ですが、対人スキルやビジネスマナーの重要性を理解していないことが多いです。そのため、講師としては「なぜ必要なのか?」をしっかり説明することが大切です。
例:「マナーが悪いと、技術力も正しく評価されなくなるよ。」
2. マナーを「堅苦しい」と感じる
新人エンジニアの中には、ビジネスマナーを「型にはめられるもの」と感じ、抵抗を示す人もいます。しかし、「自分の意見や技術を正しく伝えるための手段だ」と教えれば、自然に受け入れやすくなります。
教えるべき基本のビジネスマナー
1. 挨拶と返事
最初に教えるのは「挨拶」と「返事」です。新人が最初に評価されるのは、コミュニケーションの基本姿勢です。
- 挨拶のポイント
- 笑顔で元気に行う
- 相手の目を見て、はっきりと声を出す
- 社内・社外で使う挨拶を例示する
例:「おはようございます!」と元気よく言うだけで、印象が大きく変わります。
2. 報告・連絡・相談(ホウレンソウ)
ホウレンソウは新人にとって最も重要なスキルの一つです。
- 報告:進捗や問題点を上司に伝える
- 連絡:必要な情報を関係者に共有する
- 相談:迷った場合に助言を求める
具体的な指導例
「1人で解決しようとしないで、まず相談しよう!」と繰り返し伝え、実際に報告の練習をさせると効果的です。
3. メールやチャットのマナー
エンジニアはチャットツールやメールを頻繁に使いますが、マナーを知らないまま使うと誤解を生んでしまいます。
- 件名は明確にする
- 結論を最初に書き、その後に理由を述べる
- 敬語や適切な言葉遣いを使う
練習課題の例
「〇〇プロジェクトの進捗について報告するメールを書いてみよう。」と、実際のケースを想定して練習させると理解が深まります。
4. 身だしなみ
服装や髪型、清潔感は社会人としての基本です。特にクライアントとの打ち合わせや商談では、相手への配慮として重要です。
- 指導ポイント
「TPO(時・場所・場合)に応じた身だしなみが大切だよ」と教えましょう。
5. コミュニケーションの「聞く力」を育てる
エンジニアは自分の意見や技術を説明することも大切ですが、「相手の話を正確に聞き取る力」も同じくらい重要です。プロジェクトの要件確認やクライアントの意図をくみ取る際に、誤解があってはトラブルの原因になります。
聞く力を伸ばす指導方法
- 相手の話を最後まで聞く
話を途中で遮らず、最後まで聞くことで相手に安心感を与えます。 - 要点をまとめる練習
「今の話を要約してみて」と練習させることで、内容を整理して聞き取る力がつきます。
例:「上司やお客様の話を一度要約して伝えることで、理解が深まるし、相手も安心するよ。」
6. 敬語とコミュニケーションの「温度感」
新人エンジニアの多くは、敬語の使い方やコミュニケーションのトーンを間違えることがあります。ビジネスの場では、相手に不快感を与えない言葉遣いや適切なトーンが求められます。
敬語のポイント
- 「です」「ます」を基本とする丁寧語
- 尊敬語や謙譲語の違いを練習する
温度感を指導する方法
- 場面ごとの適切なトーンを練習する
例えば、社内チャットではフランクすぎず、かつ堅苦しくなりすぎないトーンを心がけることを教えます。
例:「お世話になっております」などの定型句を自然に使えるようになると、安心して会話できるよ。」
7. タイムマネジメントとレスポンスの重要性
時間管理や迅速なレスポンスは、仕事の質や信頼に直結します。
教えるべき内容
- レスポンスの速度
「すぐに返信できない場合は、『後ほどお返事します』と伝えるだけで印象が変わる」と教えましょう。 - 期限を守る習慣
タスクの締切は絶対に守るよう指導し、もし難しい場合は早めに報告するように徹底させます。
例:「早めにレスポンスを返すことで、相手も安心して次のアクションを考えられるんだよ。」
8. 会議での振る舞い方
会議や打ち合わせの場は、エンジニアが自分の意見や進捗を伝える重要な場面です。
指導のポイント
- 参加姿勢:会議中はメモを取る、相手の話に頷く、視線を合わせる。
- 発言の準備:自分の担当部分について事前に内容をまとめ、簡潔に伝える練習をする。
ロールプレイ例
「次回のプロジェクトミーティングで、報告内容を2分でまとめて発表しよう」と実際に練習を行うと効果的です。
9. ビジネスマナーの「応用編」
基本的なマナーを教えた後は、少し難易度の高い「応用編」を導入しましょう。
例:相手に合わせたコミュニケーション
顧客や上司のタイプに合わせて、話し方や報告の仕方を変える応用スキルです。
- 論理的な上司には「結論→理由→詳細」の順で話す。
- 感覚派の顧客には、具体例やイメージを使って説明する。
10. 実際のトラブルケースから学ぶ
新人エンジニアに「ビジネスマナーが欠けているとどうなるのか」を理解してもらうには、実際のトラブル事例を共有することが効果的です。
事例を使った指導の流れ
- 「Aさんは報告が遅れたことで、納期に間に合わなくなった」
- 何が問題だったのか、どうすれば良かったのかを考えさせる。
- 改善策を具体的に示し、ロールプレイで練習する。
効果的な指導の進め方
1. 座学とロールプレイを組み合わせる
ビジネスマナーは「知識」と「実践」の両方が必要です。例えば、
- 座学で基本を教えた後、
- ロールプレイ(模擬練習)で実際に挨拶や報告を体験させる
これにより、実際のシーンで自然に実践できるようになります。
2. フィードバックは具体的に
「良かった」「悪かった」だけではなく、具体的に何が良くて何を改善すれば良いのかを伝えましょう。
例:「報告の内容はわかりやすかったけど、結論を先に言うともっと伝わりやすくなるよ。」
3. 成功事例を共有する
実際にビジネスマナーを身につけて信頼を得た事例や、逆にマナーが原因でトラブルになった事例を紹介すると、新人エンジニアも「自分ごと」として理解しやすくなります。
まとめ:技術とマナーを両立するエンジニアへ
新人エンジニアにとって、ビジネスマナーは「技術力を最大限に評価してもらうためのスキル」です。講師としては、「なぜ必要なのか?」を理解させ、具体的な練習を通して実践できるように導くことが重要です。
- 挨拶と返事
- ホウレンソウの徹底
- メールやチャットのマナー
- 身だしなみの意識
これらを段階的に教え、繰り返し練習させることで、自然と身につくようになります。
指導する中で、なぜそれが大切なのか、どのように実践するのかを具体的に伝え、理解を促しましょう。マナーを身につけたエンジニアは、技術とコミュニケーションを両立し、組織や顧客にとって欠かせない存在になります。
今後は、実際のケーススタディや応用マナーについて学ぶ機会を設けると、より実践力が高まります。頑張って教えていきましょう!
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投稿者プロフィール
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。
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