新人エンジニア研修に活かす「ラベリング」の心理学

2025年3月20日 2025年3月20日山崎講師

山崎講師

こんにちは。ゆうせいです。

新人エンジニア研修を担当する講師の皆さん、受講生のモチベーションを高めたり、成長を促したりするために「ラベリング」という心理学の概念を活用してみませんか？

ラベリングは、日常生活や教育現場でも無意識のうちに使われていますが、研修の場面で意識的に活用することで、受講生の成長をサポートすることができます。今回は、ラベリングの意味や効果、そして研修における活用方法について解説していきます。

ラベリングとは何か？

ラベリングとは、「ある対象に対して特定の名前やカテゴリ（ラベル）を与えること」です。心理学では、人の行動や性格に対してラベルをつけることで、その人の自己認識や他者からの評価に影響を与える現象を指します。

例えば、新人エンジニアが初めてコードレビューを受けた際に、

「論理的に考えられるね！」
「コードの構成がわかりやすいね！」

といったポジティブなフィードバックを受けると、自分に自信を持ち、より良いコードを書こうという意欲が湧いてきます。

このように、適切なラベリングは受講生の成長を促す大きな要因となります。

研修におけるラベリングの効果

ラベリングには、ポジティブな効果とネガティブな効果の両方があります。研修では、ポジティブなラベリングを意識的に活用することで、受講生の成長をサポートできます。

ポジティブな影響

自己成就予言（Self-fulfilling prophecy）
- 「君は論理的に考えられる」と言われた受講生は、より論理的に考える努力をするようになる。
モチベーションの向上
- 「分かりやすく説明できるね！」とフィードバックされると、自信を持ってプレゼンできるようになる。
自己効力感（Self-efficacy）の向上
- 「このエラーの解決方法を自分で調べられたね！」と声をかけることで、「自分で問題を解決できる」という自信につながる。

ネガティブな影響

スティグマ（烙印）効果
- 「君はいつもエラーばかり出すね」と言われると、「自分はプログラミングが苦手だ」と思い込んでしまう。
レッテル貼りの固定化
- 「この人は遅い」と評価されると、成長してもその評価が変わらない可能性がある。
自己評価の低下
- 「ダメなコードばかり書くね」と言われると、自信を失い、新しいチャレンジを避けるようになる。

研修講師としてラベリングを活用する方法

研修において、ラベリングを意識的に使うことで、受講生の成長を促進できます。以下のポイントを意識してみましょう。

1. 受講生の強みにフォーカスしたフィードバックを行う

例えば、

「エラーの原因をしっかり調べられているね！」
「クラス設計がシンプルでわかりやすいね！」
「質問の仕方が的確だね！」

など、受講生の良いところを見つけて言語化すると、ポジティブなラベリング効果を発揮できます。

2. 失敗を前向きなラベルに変換する

受講生がエラーを出したり、手順を間違えたりしたときも、ネガティブなレッテルを貼らずに、学びにつながる表現を使いましょう。

NG例：「また間違えたね」 → OK例：「どこでミスが起きたか分析できたね！」
NG例：「遅いね」 → OK例：「一歩ずつ確実に進めているね！」

3. 受講生が自信を持てるような言葉を使う

受講生の成長を促すためには、ポジティブな自己認識を持たせることが重要です。

「君の質問のおかげで、全員が理解を深められたね！」
「チームの雰囲気を良くするのが上手だね！」
「このエラーを解決できたのは、しっかり考えたからだね！」

このような言葉を意識的に使うことで、受講生は自信を持ち、学習意欲が向上します。

まとめ

ラベリングは、研修において受講生の成長を支える強力なツールです。講師として、

ポジティブなラベルを意識的に活用する
失敗を前向きな学びに変換する
受講生の強みを見つけて言語化する

これらを実践することで、受講生が自信を持ち、主体的に学ぶ環境を作ることができます。

新人エンジニア研修をより良いものにするために、ぜひ「ラベリング」の効果を意識してみてください！

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投稿者プロフィール

山崎講師代表取締役

セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します！
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