新人研修で差がつく!「労災保険」を誰よりもわかりやすく教える鉄板の構成
こんにちは。ゆうせいです。
研修講師のみなさん、社会保険の講義中に受講生の目が死んでいくのを見たことはありませんか。
特に法律や制度の話になると、どうしても空気が重くなりがちですよね。
でも、今日お話しする「労災保険(ろうさいほけん)」は、働く彼らにとって最強の「お守り」になる制度です。これをただの暗記科目にしてしまうのはもったいないと思いませんか。
今回は、新入社員が身を乗り出して聞いてくれるような、労災保険の教え方と解説のポイントをシェアします。難しい法律用語を並べるのではなく、彼らの生活にどう関わるのかという視点で紐解いていきましょう。
そもそも労災保険とは何か
まずは、この制度のイメージを共有しましょう。
一言で言えば、労災保険とは「仕事中に怪我をしたり病気になったりしたときに、国が全力で守ってくれるスーパー保険」です。
正式名称は「労働者災害補償保険」といいます。少し長いですね。
ここで大切なキーワードは「労働者」です。つまり、アルバイトでもパートでも、正社員でも、会社に雇われて働いている人なら誰でも守られる権利があるということです。
みなさん、想像してみてください。
もし仕事中に重い荷物を足に落として骨折してしまったら、治療費はどうしますか。仕事ができなくなったら、給料はどうなるのでしょうか。不安ですよね。
そんなときに、治療費を全額出してくれたり、休んでいる間の生活費をサポートしてくれたりするのが、この労災保険なのです。
2つの「災害」を理解しよう
労災保険が発動するシーンは、大きく分けて2つあります。ここをしっかり区別して教えるのがポイントです。
業務災害(ぎょうむさいがい)
これは文字通り、仕事が原因で起きた怪我や病気のことです。
例えば、工場の機械に指を挟まれたり、営業中に階段から落ちたり、あるいは上司からのパワハラで精神的な病気になってしまったりするケースも含まれます。
ポイントは「仕事中」かつ「仕事が原因」であることです。
休憩時間に勝手にキャッチボールをしていて突き指をした場合は、仕事とは関係ないので、基本的には対象外になります。この線引きは重要ですよ。
通勤災害(つうきんさいがい)
もう一つは、家と会社の往復中に起きる事故です。
通勤ラッシュの駅の階段で転んだり、自転車通勤中に車と接触したりした場合がこれにあたります。
会社に着いていなくても、会社に向かう、あるいは帰るという行為は仕事とセットですよね。だから国が守ってくれるのです。
意外と知らない保険料の仕組み
ここで、少し計算の話をしましょう。
保険制度というからには、誰かが保険料を払わなければなりません。
みなさんは、この保険料を誰が払っているか知っていますか。
実は、全額「会社」が払っています。
給与明細を見てみてください。雇用保険料や健康保険料は引かれていますが、労災保険料という項目は引かれていないはずです。
保険料の計算式はこのようになっています。
保険料額 全従業員の賃金総額
` 労災保険率
この「労災保険率」というのは、業種によって変わります。
例えば、デスクワーク中心のIT企業よりも、危険を伴う建設業や林業の方が、怪我をするリスクが高いですよね。だから、リスクが高い業種ほど、会社が払う保険料率は高く設定されています。
新入社員には、「君たちは1円も払わなくていいけれど、会社は君たちを守るためにこれだけのお金を払っているんだよ」と伝えてあげてください。会社の愛を感じる瞬間ですね。
メリットとデメリット(注意点)
どんなに素晴らしい制度にも、ルールがあります。ここを詳しく解説しましょう。
メリット
治療費がタダになる
普段、風邪で病院に行くと3割負担でお金を払いますよね。でも、労災認定されれば自己負担はゼロです。これは非常に大きなメリットです。
休業補償が手厚い
怪我で働けなくて給料が出ない場合、給料の約8割が国から支給されます。生活が破綻しないように守ってくれるのです。
デメリット(注意点)
寄り道は対象外になる可能性がある
ここが一番の落とし穴です。
通勤災害の認定には「合理的な経路」を通っている必要があります。
例えば、帰宅途中に映画館に行ったり、居酒屋で飲んだりした後に事故に遭ったとしましょう。この場合、「逸脱(いつだつ)」や「中断(ちゅうだん)」とみなされ、その後の事故は労災の対象外になることがあります。
「日用品の買い物」や「病院へ寄る」程度なら認められることが多いですが、プライベートな遊びのための寄り道は、お守りの効果が切れる瞬間だと教えてあげてください。
手続きが少し複雑
病院の窓口で「労災です」と言わずに健康保険証を出してしまうと、後で切り替えの手続きが非常に面倒になります。
「仕事中の怪我なら、まずは上司に報告して、病院では保険証を使わない」
これを徹底させることが、講師であるみなさんの重要な役割です。
現場で役立つ教え方のコツ
新人に教えるときは、「報告の大切さ」とセットで話してください。
新入社員は、「自分の不注意で怪我をしたなんて言ったら怒られる」と思って、怪我を隠そうとすることがあります。
しかし、労災隠しは法律違反であり、会社にとっても大きなリスクです。
「怒られるのが怖いかもしれないけれど、隠す方がもっと大変なことになる。小さな怪我でも必ず報告してほしい」
そう優しく、かつ力強く伝えてあげてください。
今後の学習の指針
いかがでしたか。
労災保険は、単なる法律ではなく、働く人を守るための温かい仕組みだということが伝わったでしょうか。
この講義のゴールは、新入社員が「万が一のときは迷わず会社に相談できる状態」になることです。
これからの学習の指針として、まずは厚生労働省が発行している「労災保険のしおり」などのパンフレットに目を通してみることをおすすめします。事例がたくさん載っていて面白いですよ。
そして、さらに深く知りたい人は「労働基準法」や「安全衛生法」といった、働く環境を守る他の法律にも興味を広げてみてください。
みなさんの講義が、新入社員たちの不安を取り除き、安心して働ける第一歩になることを応援しています。