痛みの信号とJavaの例外処理──自分で処理する?それとも誰かに任せる?
こんにちは。ゆうせいです。
今回は「痛み」と「Javaの例外」を比べてみます。
一見まったく関係なさそうですが、実は「自分で処理するか、呼び出し元に伝えるか」という点で、驚くほど似ている部分があります。人間の身体も、プログラムも、「問題が起きたときどうするか」を決める仕組みを持っているんです。
痛みの信号はどうやって伝わる?
怪我をしたとき、身体はどう反応する?
例えば、釘を踏んで足の裏を傷つけたとします。
このとき起きているのは:
- 足の神経が異常(怪我)を検知する
- 電気信号が脊髄へ送られる
- 脳が「痛い!」と認識する
でも実は、もっと複雑な仕組みがあります。
痛みを自分で処理する場合
一部の反射行動は、脊髄レベルで処理されます。たとえば、熱いものに触れたとき、手を引っ込める動作は脳を介さずに反射的に起きます。
これはつまり、「その場で(ローカルで)処理する」ということです。
痛みを誰かに伝える場合
一方、もっと深刻な問題(骨折など)は、脳へと信号が伝わり、意識的な行動(病院へ行くなど)を起こします。これは「上位の司令部に伝える」ということです。
Javaの例外処理における伝播とハンドリング
try-catch構文と例外の「伝播」
Javaでは、何か問題が発生したとき、その場で処理するか、呼び出し元に「投げる(throw)」という判断が必要です。
public void doSomething() throws IOException {
// ファイル処理などでIOException発生の可能性
}
このとき、呼び出した側で例外をキャッチして処理することもできます:
try {
doSomething();
} catch (IOException e) {
// ここで処理する
}
処理の選択肢は主に次の2つ:
処理方法 | 説明 | 人体の例え |
---|---|---|
try-catchで処理 | その場でエラーに対処する | 脊髄反射 |
throwで投げる | 呼び出し元に処理を任せる | 脳へ信号を送って痛みを認識させる |
どちらを選ぶべき?──メリットと判断基準
その場で処理(catch)のメリット
- 素早く対応できる
- 呼び出し元に影響を与えにくい
- 処理の流れがローカルに完結する
throwで投げるメリット
- より適切な場所で処理できる
- 責任の分離が明確になる(関心の分離)
- 大きなエラーに対処しやすい
判断のポイント
例外処理においては以下を基準にすると良いです:
条件 | 推奨処理 |
---|---|
すぐに対処すべき(小さなエラー) | その場でtry-catch |
呼び出し元が状況を把握しているべき | throwでスローして任せる |
複数の場所で発生しうる共通エラー | 共通の上位処理にまとめる(例:ログなど) |
今後の学び方のヒント
「例外処理は人間の神経と同じだ」と考えると、エラーをどう処理するかの設計がわかりやすくなります。今後の学習では以下の点を意識してみてください:
- ローカル処理と伝播の違いを図で整理する
- 実際のアプリケーションで「catchするか、throwするか」を実験してみる
- 身体の仕組みをITに当てはめてみることで、プログラムの抽象概念がリアルになる
「身体のように、コードも反応する」──こう考えると、プログラムを書きはじめた新人エンジニアでも面白く感じられますよ!
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投稿者プロフィール

- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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