AI開発の頭脳戦!GPUとTPU、どちらを選ぶのが正解なのか徹底解説

こんにちは。ゆうせいです。

最近、ニュースや技術記事で「GPU」や「TPU」といった言葉を目にすることはありませんか?

「なんとなく速そうなコンピュータの部品」というイメージはあるけれど、具体的に何が違うのか説明してと言われると、ちょっと困ってしまいますよね。

今日は、AI学習の現場で研修講師をしている私が、この2つの違いを高校生でもわかるように、噛み砕いてお話しします。

これからAIを学びたいと思っている皆さん、準備はいいですか?

そもそも、なぜCPUじゃダメなの?

本題に入る前に、皆さんが普段使っているパソコンに入っている「CPU」について触れておきましょう。

CPUは、例えるなら「超優秀な数学教授」です。難しい微分積分から、小説の執筆、スケジュールの管理まで、一人で何でもこなせます。しかし、あくまで「一人」なので、単純な計算ドリルを1万問解くような作業には時間がかかってしまいます。

そこで登場するのが、GPUやTPUといった「AI向けのチップ」です。これらは、難しいことはできないけれど、計算ドリルだけは爆速で解く「1万人の計算特化チーム」のような存在なのです。

これを専門用語で 並列処理 と言います。AIの開発では、この「単純な計算の物量作戦」が非常に重要なのです。

GPUは「クラスの人気者」万能選手

まず、GPUについて解説しましょう。正式名称は Graphics Processing Unit と言います。

もともとは、3Dゲームの映像を綺麗に映し出すために作られたパーツでした。画面上の何百万という「画素(ピクセル)」の色を、一斉に変化させる処理が得意です。この能力が、偶然にもAIの計算とそっくりだったため、AI開発で爆発的に使われるようになりました。

GPUの特徴

GPUは、例えるなら「1000人の小学生」です。一人ひとりは単純な足し算しかできませんが、1000人で一斉に取りかかれば、とてつもないスピードで宿題が終わりますよね。

しかも、GPUは画像処理だけでなく、動画編集や暗号資産の計算など、いろいろなことに使えます。この「汎用性」が最大の魅力です。

メリットとデメリット

  • メリット
    • 手に入りやすい:家電量販店でパーツとして売っているので、自作PCに組み込むことができます。
    • 情報が多い:世界中で使われているので、エラーが出てもネットで検索すればすぐに解決策が見つかります。
  • デメリット
    • 電力を食う:高性能なGPUは、ドライヤー並みに電気を使います。電気代が少し心配ですね。

TPUは「Googleが生んだ職人」一点特化

次に、TPUです。これは Tensor Processing Unit の略で、Googleが「AIのためだけ」に作り出した専用のチップです。

もしGPUが「何でも切れる万能包丁」だとしたら、TPUは「キャベツの千切り専用の巨大スライサー」です。他の料理には全く使えませんが、キャベツの千切り(AIの計算)に関しては、世界一の速さを誇ります。

TPUが得意な計算

AIの中身は、巨大な「行列」という数字の表でできています。

TPUは、この行列の掛け算を効率よく行うために設計されました。

数式で表すと、以下のような計算をひたすら高速に行います。

入力データ \times 重みパラメータ + バイアス

この計算において、メモリへのアクセス回数を極限まで減らす工夫がされているため、大規模なデータを扱うときに真価を発揮します。

メリットとデメリット

  • メリット
    • 圧倒的な速さ:特定のAIモデルにおいては、GPUの何倍もの速度で学習を完了できます。
    • 大規模学習に最適:Google Cloudというサービスを通じて、スーパーコンピュータ並みの性能を簡単に利用できます。
  • デメリット
    • 家では使えない:基本的にクラウドサービス経由でしか利用できません。パソコンショップには売っていないのです。
    • 融通が利かない:AI以外の用途には全く使えませんし、対応していないAIプログラムもあります。

結局、どっちを使えばいいの?

表にして整理してみましょう。

項目GPUTPU
得意なこと画像処理、AI、ゲームAI(特に行列演算)
汎用性高い(いろいろ使える)低い(AI専用)
向いている人初心者~研究者大規模データを扱うプロ

皆さんがこれからAIプログラミングを始めるなら、まずは GPU をおすすめします。自分の手元で動かせるので、仕組みを理解しやすいからです。

そして、「もっと巨大なAIを作りたい!」「世界中のデータを学習させたい!」となったときに、初めてTPUの利用を検討すれば十分です。

今後の学習の指針

GPUとTPU、それぞれのキャラクターが見えてきましたか?

「道具」を知ることは、エンジニアとしての第一歩です。

次は、実際にPythonというプログラミング言語を使って、GPUを動かすためのライブラリ「PyTorch(パイトーチ)」や「TensorFlow(テンソルフロー)」について学んでみましょう。

まずは「Google Colab」というサービスを使ってみてください。これなら、ブラウザ上で無料でGPUやTPUを試すことができますよ!

セイ・コンサルティング・グループでは新人エンジニア研修のアシスタント講師を募集しています。

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。

学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。