【生成AI vs 人間の講師】最後に残る意外な役割は「叱ること」かもしれません

こんにちは。ゆうせいです。

みなさんは、普段の学習や仕事で「生成AI」を使っていますか?ChatGPTやClaudeのようなAIは、質問すれば一瞬で答えを返してくれますし、文句ひとつ言わずに付き合ってくれますよね。本当に便利な世の中になったものです。

では、ここで少し想像してみてください。もし、この世界から人間の先生や上司がいなくなり、すべてAIが教えてくれるようになったら、私たちは本当に成長できるのでしょうか?

実は、AIが進化すればするほど、人間にしかできない重要な役割が浮き彫りになってきているのです。それが、今回のテーマである「叱ること」です。なぜ、あえて厳しい態度をとることが価値になるのか、一緒に紐解いていきましょう。

そもそも「生成AI」は何が得意で、何が苦手なのか

まずは、相手を知ることから始めましょう。生成AIとは、インターネット上の膨大なデータを学習し、まるで人間が書いたかのような文章や画像を作り出す技術のことです。

これを高校生にもわかるように例えるなら、ものすごく物知りで、どんな本でも一瞬で読み込んでしまう「超優秀な図書委員」のような存在だと思ってください。「江戸時代の歴史を教えて」と言えば、教科書通りの完璧な答えをまとめてくれます。

大規模言語モデル(LLM)という仕組み

この「超優秀な図書委員」の頭脳にあたるのが、専門用語で大規模言語モデル、英語でLarge Language Models、略してLLMと呼ばれる技術です。

LLMは、次にどの言葉が来れば自然な文章になるかを、確率の計算で導き出しています。「昔々、あるところに」と言われたら、次は高い確率で「おじいさんとおばあさんが」が続きますよね。このように、膨大な言葉のつながりを計算し続けているのです。

しかし、ここには決定的な弱点があります。それは、AIは基本的にユーザーであるあなたを「肯定」するように設計されている点です。AIは、あなたが心地よく使い続けられるよう、親切で丁寧な回答を優先します。つまり、あなたがサボろうとしても、間違った方向に進もうとしても、本気で怒ってはくれないのです。

なぜ「叱る」ことが教育に必要なのか

ここで重要になるキーワードが、行動変容です。

行動変容とは、文字通り、人の行動が良い方向に変わることを指します。ダイエットを例に考えてみましょう。

「痩せるための完璧な食事メニュー」や「効率的な筋トレ方法」は、AIに聞けば数秒で教えてくれます。知識を得ることは簡単です。

でも、明日からそのメニュー通りに生活できますか?

目の前にケーキがあったとき、AIは「カロリーが高いですよ」と教えてくれるかもしれませんが、あなたの手からフォークを奪い取ってはくれません。「今日は疲れたからジムを休もうかな」と呟けば、AIは「休息も大切ですね」と優しく同意してくれるでしょう。

ここで必要なのが、人間の講師による「叱責」や「厳しいフィードバック」なのです。

強制力が生む推進力

人間は弱い生き物です。自分一人では、どうしても楽なほうへと流されてしまいます。

そんなとき、人間の講師が「約束と違うじゃないか!」「ここで諦めたら、目標は達成できないぞ!」と感情を込めて叱ってくれる。この外部からの強い働きかけこそが、サボり癖のある私たちの背中を無理やり押してくれるのです。

これは、単なる感情の爆発ではありません。相手の成長を本気で願うからこそ、あえて嫌われる役を買って出る。この「熱量」や「責任感」は、確率計算で動くAIには決して真似できない領域なのです。

AI講師と人間講師のメリット・デメリット

では、それぞれの特徴を整理してみましょう。どちらが良い悪いではなく、使い分けが重要です。

生成AI講師の特徴

メリット

知りたいときに、24時間365日いつでも即答してくれます。

何度同じ質問をしても、決してイライラせず丁寧に解説してくれます。

感情のブレがないため、常に一定の品質で情報を得られます。

デメリット

強制力がないため、学習者のモチベーションが低いと続きません。

間違いを指摘することはあっても、サボる心を正すことはできません。

情報の真偽に責任を持ってくれません(平気で嘘をつくこともあります)。

人間の講師の特徴

メリット

学習者の性格や顔色を見て、「今は励ますとき」「今は叱るとき」を判断できます。

サボりたくなったときに、監視の目やプレッシャーを与えてくれます。

「この人のために頑張ろう」という、情緒的なつながりが生まれます。

デメリット

AIに比べると圧倒的にコスト(お金や時間)がかかります。

先生自身の機嫌や体調によって、指導の質が変わることがあります。

相性が合わないと、学習自体が嫌いになってしまうリスクがあります。

知識はAIから、情熱は人間から

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

生成AIは、知識を伝達するツールとしては最強です。しかし、人を動かし、習慣を変え、困難な壁を乗り越えさせる力は、まだ人間に分があります。

これからの時代、賢い学習者になるためには「ハイブリッドな学び」を目指してください。

わからない単語を調べたり、文章を添削してもらったりするのは、AIにお願いしましょう。文句も言わず、完璧にこなしてくれます。

一方で、学習のスケジュール管理や、挫折しそうなときのメンタルサポート、そして時には「喝」を入れてもらう役割は、信頼できる人間のメンターや先生に頼んでみてください。

さあ、あなたは今日からAIと人間、それぞれの先生とどう付き合っていきますか?まずは、AIに知識を問いかけつつ、誰か信頼できる人に「私の目標達成を見守っていてください」と宣言することから始めてみてはいかがでしょうか。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。