Javaの新人研修で新人が最初に取り組むべきプロジェクト
こんにちは。ゆうせいです。
今日は、Javaの新人研修で新人が最初に取り組むべきプロジェクトについてお話しします。新人が初めてプログラミングに挑戦する場面では、「何を作るか」が非常に重要です。初期段階で適切なプロジェクトを選ぶことで、新人の学習意欲を高めつつ、Javaの基本を効率的に習得させることができます。
「新人に何を作らせたらいいのか?」迷うこともあるかもしれませんが、ポイントは「簡単だけど実用性が感じられるもの」を選ぶことです。今回は、その具体例や学習効果について解説していきます。
新人研修でのプロジェクト選びのポイント
まず、新人が最初に取り組むプロジェクトを選ぶ際のポイントを整理しておきましょう。
- 難易度が適切であること
基本的な文法や構文を使いながら、小さな成功体験を得られるものにする。 - 達成感を感じやすいこと
完成したときに「自分で何かを作った」という実感が得られる内容。 - 実践的な要素を含むこと
実務で使う場面がイメージしやすい課題だとモチベーションが上がります。 - 発展性があること
初期段階のプロジェクトに追加機能を加えられる余地があると、さらに学びが深まります。
新人が最初に取り組むべきプロジェクト例
1. シンプルな計算機アプリ
概要
基本的な四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)ができる計算機を作成します。
学習効果
- 基本文法の理解
変数の使い方、if
文、switch
文、Scanner
クラスを使った入力処理が学べます。 - ロジック構築の練習
条件分岐や計算ロジックを自分で組み立てることで、自信をつけられます。
追加の課題
- 入力値が不正な場合にエラーメッセージを表示する。
- 四則演算以外に、累乗や平方根の計算を追加する。
サンプルコード
import java.util.Scanner;
public class Calculator {
public static void main(String[] args) {
Scanner scanner = new Scanner(System.in);
System.out.println("Enter first number:");
double num1 = scanner.nextDouble();
System.out.println("Enter operator (+, -, *, /):");
char operator = scanner.next().charAt(0);
System.out.println("Enter second number:");
double num2 = scanner.nextDouble();
double result;
switch (operator) {
case '+':
result = num1 + num2;
break;
case '-':
result = num1 - num2;
break;
case '*':
result = num1 * num2;
break;
case '/':
result = num1 / num2;
break;
default:
System.out.println("Invalid operator!");
return;
}
System.out.println("Result: " + result);
}
}
2. 簡易的なTo-Doリストアプリ
概要
タスクを登録し、それをリスト形式で表示できるアプリです。タスクの追加・削除ができるようにします。
学習効果
- データ構造の理解
ArrayList
を使用してデータを動的に扱う方法を学びます。 - 繰り返し処理
for
やwhile
を使ったループ処理の練習ができます。 - ユーザー入力の管理
メニュー形式での入力処理に慣れることができます。
追加の課題
- タスクに締切日や優先度を追加する。
- タスクをファイルに保存して再起動時に読み込む機能を追加する。
サンプルコード
import java.util.ArrayList;
import java.util.Scanner;
public class ToDoList {
public static void main(String[] args) {
ArrayList<String> tasks = new ArrayList<>();
Scanner scanner = new Scanner(System.in);
while (true) {
System.out.println("1. Add Task");
System.out.println("2. View Tasks");
System.out.println("3. Remove Task");
System.out.println("4. Exit");
System.out.print("Enter your choice: ");
int choice = scanner.nextInt();
scanner.nextLine(); // Consume newline
switch (choice) {
case 1:
System.out.print("Enter task: ");
String task = scanner.nextLine();
tasks.add(task);
System.out.println("Task added!");
break;
case 2:
System.out.println("Your tasks:");
for (int i = 0; i < tasks.size(); i++) {
System.out.println((i + 1) + ". " + tasks.get(i));
}
break;
case 3:
System.out.print("Enter task number to remove: ");
int taskNumber = scanner.nextInt();
if (taskNumber > 0 && taskNumber <= tasks.size()) {
tasks.remove(taskNumber - 1);
System.out.println("Task removed!");
} else {
System.out.println("Invalid task number!");
}
break;
case 4:
System.out.println("Goodbye!");
return;
default:
System.out.println("Invalid choice!");
}
}
}
}
3. 数当てゲーム
概要
コンピュータがランダムで選んだ数字をユーザーが当てるゲームです。数字の範囲を決めて、ユーザーにヒント(「大きい」「小さい」)を出します。
学習効果
- ランダム処理の理解
Math.random()
やRandom
クラスの使い方を学べます。 - ループ処理の活用
正解するまでゲームを繰り返す処理を練習できます。 - 条件分岐の強化
ユーザーの入力に応じてフィードバックを変えるロジックを構築します。
追加の課題
- ユーザーの試行回数を記録して表示する。
- 数字の範囲をユーザーが設定できるようにする。
プロジェクト実施の進め方
- 導入時に全体像を説明する
プロジェクトの完成イメージを最初に伝えましょう。「これを作れるようになれば、こんな場面で役立ちます」と具体例を示すとモチベーションが上がります。 - ステップごとに進める
完成形をいきなり目指すのではなく、機能を分割して段階的に作成させます。たとえば、To-Doリストなら「まずタスクを表示するコードを書こう」から始めます。 - コードレビューを行う
書いたコードを一緒に見直すことで、良い書き方や改善点を共有します。 - 発展課題を提示する
基本機能が完成したら、応用的な課題を出してさらなる学びを促します。
今後の学びに向けて
今回紹介したプロジェクトは、Javaの基本文法やロジックを学ぶ絶好の機会です。この段階で「自分で動くプログラムを作れた」という成功体験を得ることが、新人のさらなる成長につながります。次は、データベースやWebアプリケーションなど、実務に近い技術を取り入れたプロジェクトにも挑戦してみてください!
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投稿者プロフィール
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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