M4AとMP3の違いを徹底解説!音質や容量、互換性からあなたに最適な形式を選ぼう
こんにちは。ゆうせいです。
突然ですが、あなたが普段聴いている音楽ファイルの形式、気にしたことはありますか?パソコンやスマートフォンで音楽を管理していると、「.m4a」や「.mp3」といったファイルの「拡張子(かくちょうし)」を目にすることがあるかと思います。
「どっちも音楽が聴けるファイルでしょ?何が違うの?」
そう思ったそこのあなた!実はこの2つ、似ているようで全く違う特徴を持っているんです。例えるなら、同じ「飲み物」というカテゴリーでも、お茶とコーヒーくらいの違いがあるんですよ。
今回の記事では、このM4AとMP3の違いを、専門的な知識がなくてもわかるように、一つひとつ丁寧に解説していきます。この記事を読み終わる頃には、「なるほど、だからこのファイルはM4Aだったのか!」「私の使い方ならMP3の方が合っているな」と、自信を持ってファイル形式を選べるようになっているはずです。さあ、一緒に音声ファイルの世界を探検しにいきましょう!
まずは基本から!M4Aって一体なにもの?
まずはM4Aから見ていきましょう。M4Aは、正式には「MPEG-4 Audio」と呼ばれています。なんだか難しそうですよね。
簡単に言うと、これはApple社(そう、iPhoneやMacを作っているあの会社です!)が中心となって普及させた音声ファイルの形式なんです。iTunesでCDから音楽を取り込んだり、Apple Musicから曲をダウンロードしたりすると、基本的にはこのM4A形式で保存されます。
M4Aの最大の特徴は、その中身に使われている「AAC(Advanced Audio Coding)」という技術にあります。
ここで専門用語が出てきましたね。しっかり解説します!
専門用語解説:AAC (Advanced Audio Coding)
AACは、日本語にすると「先進的音響符号化」となります。これは音声を圧縮するための「やり方」の一つだと思ってください。そしてこのAACは、後で説明するMP3の「後継者」として開発された、より新しくて高性能な技術なんです。
例えるなら、MP3が昔ながらの「重くて大きいスーツケース」だとしましょう。荷物(音声データ)をたくさん詰め込めますが、スーツケース自体が重いので持ち運びが大変です。
一方、AACは最新技術で作られた「超軽量スーツケース」です。同じ量の荷物(音声データ)を詰め込んでも、スーツケース自体が軽いので、全体の重さ(ファイルサイズ)をぐっと抑えることができます。しかも、中の荷物がぐちゃぐちゃにならないように、綺麗にパッキングする(音質を保つ)工夫も優れているんです。
つまり、AACは「MP3よりも少ない容量で、MP3と同等かそれ以上の音質を実現できる」という、とっても賢い技術なんですね。
一方の雄!みんな知ってるMP3とは?
さて、お次はMP3です。こちらは「MPEG-1 Audio Layer-3」の略で、おそらく世界で最も有名な音声ファイル形式ではないでしょうか。「音楽ファイルといえばMP3」というイメージを持っている方も多いかもしれませんね。
MP3の最大の強みは、なんといってもその「互換性(ごかんせい)」の高さにあります。
またまた専門用語です。これも大丈夫、簡単ですよ!
専門用語解説:互換性 (ごかんせい)
互換性とは、「どれだけ多くの機器やソフトウェアで使えるか」ということです。
MP3を例えるなら、それはまるで「世界共通語の英語」のような存在です。世界中ほとんどの国で英語が通じるように、MP3も、パソコン、スマートフォン、カーオーディオ、古い携帯音楽プレイヤーなど、ありとあらゆる機器で再生することができます。この「どこでも使える安心感」が、MP3が長年にわたって愛されてきた最大の理由なんです。
M4AもMP3も、「非可逆圧縮(ひかぎゃくあっしゅく)」という方法で音声データを圧縮しています。これは、人間の耳には聞こえにくい部分の音を少しだけカットすることで、ファイルサイズを劇的に小さくする技術です。一度カットしてしまった音は元には戻せない(非可逆)のですが、そのおかげで私たちは何百、何千もの曲をスマホに入れて持ち運べるわけですね。
徹底比較!M4AとMP3、どこが違うの?
では、M4AとMP3の具体的な違いを比較してみましょう。どちらが良い・悪いというわけではなく、それぞれに得意なこと、不得意なことがあるんです。
比較項目 | M4A (AAC) | MP3 |
音質 | ◎(圧縮効率が高い) | ◯ |
ファイルサイズ | ◎(同じ音質なら小さい) | ◯ |
互換性 | ◯(最近の機器はほぼ対応) | ◎(圧倒的に高い) |
技術の世代 | 新しい | 古い |
この表だけだと少し分かりにくいかもしれませんので、特に重要な「音質」と「ファイルサイズ」の関係について、もう少し深く掘り下げてみましょう。
ここで重要になるのが「ビットレート」という言葉です。絶対覚えてください!
専門用語解説:ビットレート (bitrate)
ビットレートとは、「1秒間の音声を表現するために、どれだけのデータ量を使っているか」を示す数値のことです。単位は「kbps(キロビット・パー・セカンド)」で表されます。
この数値が高ければ高いほど、より多くのデータを使って音を表現していることになるので、結果として「高音質」になります。ただし、その分ファイルサイズも大きくなります。
例えるなら、ビットレートは「絵を描くときの絵の具の量」に似ています。
たくさんの絵の具(高いビットレート)を使えば、細部まで緻密で美しい絵(高音質な音楽)が描けますよね。逆に、少ない絵の具(低いビットレート)で描くと、大まかな形はわかりますが、少し粗い絵(そこそこの音質の音楽)になってしまいます。
そして、ここがM4AとMP3の最大の違いです。
M4A(AAC)は、MP3よりも効率的に音を表現できる、つまり「少ない絵の具で、MP3と同じくらい綺麗な絵が描ける」んです!
具体的には、一般的に「M4Aの128kbps」は「MP3の192kbps」とほぼ同じくらいの音質だと言われています。同じ音質なのに、M4Aの方が使うデータ量が少ない。つまり、ファイルサイズを小さくできる、ということですね。
メリット・デメリットを整理しよう!
ここまでの話を一度、それぞれのメリット・デメリットとして整理してみましょう。
M4Aのメリットとデメリット
- メリット
- 高音質・小容量!:同じファイルサイズならMP3よりも音がいい!同じ音質ならMP3よりもファイルサイズが小さい!これは嬉しいですよね。
- Apple製品との相性抜群:iPhoneやMacをメインで使っているなら、何も考えずにM4Aを選んでおけば間違いありません。
- デメリット
- 少しだけ互換性に不安:最近の製品はほぼ対応していますが、一昔前のカーオーディオや、特殊な再生ソフトなどでは「このファイルは再生できません」と言われてしまう可能性がゼロではありません。
MP3のメリットとデメリット
- メリット
- 圧倒的な互換性!:これに尽きます。いつ、どこで、誰が、どんな機械で再生することになっても、まず間違いなく再生できるという絶大な安心感があります。
- デメリット
- 効率はM4Aに劣る:M4Aと比べると、同じファイルサイズでの音質や、同じ音質でのファイルサイズという点で一歩譲ります。技術的には少し古い形式と言えます。
結論!あなたに合うのはどっち?
さて、ここまでM4AとMP3の違いを見てきましたが、結局どちらを選べばいいのでしょうか?あなたの使い方に合わせて、最適な形式を提案しますね。
こんなあなたには「M4A」がおすすめ!
- iPhoneやMacなど、Apple製品をメインで使っている人
- スマホや音楽プレイヤーの容量を少しでも節約したい人
- 同じ容量なら、1%でも良い音で音楽を楽しみたい人
基本的に、個人のスマートフォンやパソコンで音楽を楽しむのがメインなら、今後はM4Aを選ぶのが賢い選択と言えるでしょう。
こんなあなたには「MP3」がおすすめ!
- 色々なメーカーの機器で音楽を聴く可能性がある人(家のコンポ、車のカーナビ、友人のPCなど)
- 他の人に音楽ファイルを渡す機会が多い人
- とにかく「再生できないかも…」という心配を一切したくない人
誰かとファイルを共有したり、再生環境が特定できない場面では、今でも「互換性の鬼」であるMP3が活躍してくれます。
さらなる高みへ!今後の学習指針
いかがでしたか?M4AとMP3の違い、そしてそれぞれの良さが分かっていただけたかと思います。
今回は、ファイルサイズを小さくするために音を少しだけ削る「非可逆圧縮」という世界のお話でした。しかし、音楽ファイルの世界はもっと奥が深いんです!
もしあなたが、「ファイルサイズは気にしない!とにかくCDと全く同じ、1ミリも劣化していない最高の音質で音楽を聴きたいんだ!」と思うようになったら、次は「可逆圧縮(かぎゃくあっしゅく)」という技術について調べてみることをお勧めします。
これは、音質を全く劣化させることなく、ファイルサイズを少しだけ圧縮できる魔法のような技術で、「FLAC(ふらっく)」や「ALAC(あらっく)」といった形式が有名です。
まずはM4AとMP3を使いこなし、あなたの音楽ライフをより豊かなものにしてください。そして、さらなる音質を求めたくなった時、今日の記事を思い出して、新しい世界の扉を開けてみてくださいね!
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投稿者プロフィール
- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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