Pythonで使われる主要な機械学習ライブラリの特徴と違いをやさしく解説!

こんにちは。ゆうせいです。

今日は、Pythonでよく使われる機械学習ライブラリについて、新人エンジニアさん向けにわかりやすくご紹介します。

機械学習の世界に足を踏み入れると、やたらと登場する「Scikit-learn」や「TensorFlow」、「PyTorch」といったライブラリたち。名前は聞いたことあるけど、「どれが何に強いの?」「どう使い分ければいいの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、それぞれのライブラリの特徴や用途の違いを、しっかりと解説していきます。


Pythonでよく使われる機械学習ライブラリとは?

まずは、代表的なライブラリを一覧にしてみましょう。

ライブラリ名主な用途特徴
Scikit-learn汎用的な機械学習シンプルで使いやすい
TensorFlow深層学習(ディープラーニング)高速・柔軟・Google製
PyTorch深層学習(ディープラーニング)動的で直感的な操作感・Facebook製
XGBoost勾配ブースティング高精度・高速
LightGBM勾配ブースティング超高速・メモリ効率が良い
Keras高レベルAPITensorFlowのラッパーで簡単

では、それぞれの特徴を掘り下げていきましょう!


Scikit-learn(サイキットラーン)

特徴

  • 汎用的な機械学習アルゴリズムが一通りそろっている
  • データの前処理やモデルの評価も簡単にできる
  • 「とりあえずこれから」でOK!

どんなときに使う?

例えば、「線形回帰」や「決定木」、「サポートベクターマシン(SVM)」といった基礎的なアルゴリズムを試したいときには最適です。

from sklearn.linear_model import LinearRegression
model = LinearRegression()
model.fit(X_train, y_train)

このように、数行でモデル構築ができます!


TensorFlow(テンソルフロー)

特徴

  • Googleが開発した強力な深層学習ライブラリ
  • GPUやTPUによる高速な学習が可能
  • 商用アプリへの組み込みにも向いている

専門用語:テンソル

テンソルとは、多次元の配列のことです。画像は3次元テンソル、動画なら4次元テンソルになります。

どんなときに使う?

「画像認識」「自然言語処理」など、高度なAIアプリを作りたいときにぴったりです。

import tensorflow as tf
model = tf.keras.models.Sequential([...])
model.compile(...)

少しコードが複雑に見えますが、Kerasと組み合わせることでシンプルに扱えます。


PyTorch(パイトーチ)

特徴

  • Facebook製の深層学習ライブラリ
  • コードの流れがPythonそのままで自然
  • モデルのデバッグがしやすい

例えるなら?

TensorFlowが「設計図から家を建てる感じ」なら、PyTorchは「その場で積み木を組み立てる感じ」。柔軟性が高く、試行錯誤がしやすいんです。

import torch
import torch.nn as nn

model = nn.Linear(10, 1)

研究用途やプロトタイプに強い味方です!


XGBoost(エックスジーブースト)

特徴

  • 勾配ブースティングというアルゴリズムを実装
  • 高精度で、コンペティションでよく使われる
  • 欠損値への耐性がある

専門用語:勾配ブースティング

「簡単なモデルをたくさん作って、それらを順番に改善していく手法」です。

import xgboost as xgb
model = xgb.XGBClassifier()
model.fit(X_train, y_train)

Kaggle(機械学習のコンペサイト)で大活躍します!


LightGBM(ライトジービーエム)

特徴

  • XGBoostよりさらに高速・軽量
  • データが大きいときに有利
  • Microsoft製
import lightgbm as lgb
model = lgb.LGBMClassifier()

大量のデータをサクサク処理したいときにおすすめです!


Keras(ケラス)

特徴

  • TensorFlowの上に乗るラッパー
  • モデルの構築がとても簡単
  • コードが見やすい

どんな人向け?

「これから深層学習を学びたい初心者」に最適です!

from tensorflow.keras.models import Sequential
model = Sequential()

まずはKerasで始めて、慣れてきたらTensorFlow本体やPyTorchへ移る、という流れも多いです。


ライブラリの違いをざっくり比較!

ライブラリ名学習曲線(習得しやすさ)高速性柔軟性主な用途
Scikit-learnとても易しい普通普通一般的な機械学習
TensorFlowやや難しい高速高い深層学習全般
PyTorchわかりやすい高速非常に高い研究・深層学習
XGBoost普通高速中程度精度重視の予測モデル
LightGBM普通非常に高速中程度大規模データ向け
Kerasとても易しい普通やや低い初心者の深層学習入門

まとめと今後の学習のすすめ

最初に学ぶなら、Scikit-learnで基本的なモデルの作り方や評価方法を習得するのがオススメです。
そこから深層学習に進むなら、Keras(TensorFlow)またはPyTorchへ進むとスムーズです。

さらに性能を追求したいときや、データ量が多くなってきたらXGBoostやLightGBMも覚えていきましょう。


今後の学習ステップ

  1. Scikit-learnで基本的な分類・回帰モデルを作ってみよう!
  2. Kerasでニューラルネットワークを組んでみよう!
  3. PyTorchで柔軟なモデル設計に挑戦してみよう!
  4. Kaggleに参加してXGBoostやLightGBMを実践的に使ってみよう!

何から始めればいいか迷ったときは、「まず動かしてみる」こと。たくさん失敗して、試して、手を動かしてみてください。

それが、機械学習を自分のものにする一番の近道です!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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