正規分布とは?

こんにちは。ゆうせいです。
今回は「正規分布」というテーマについて、さらに詳しくお話しします。正規分布は統計学の基本中の基本で、データ分析を行う上で避けては通れない概念です。とはいえ、「数学」と聞くと少し難しそうな印象を受ける方もいるかもしれませんね。でも安心してください!この記事では、初めての方でも理解できるように丁寧に説明していきます。

それでは、正規分布とは何か、その背後にある数式や具体例、さらには実生活でどのように役立つのかをじっくり見ていきましょう!


正規分布とは何か?

正規分布はデータの分布(データがどのように広がっているかのパターン)を表す形の一つです。特に「多くのデータが中心に集まり、端に行くほど少なくなる」という性質を持つものを指します。グラフで描くと、真ん中に山があり、左右対称で滑らかな曲線を描く特徴的な形になります。この形がベル(鐘)のように見えることから、「ベルカーブ」や「鐘形曲線」とも呼ばれます。


正規分布の基本的な特徴

正規分布には以下のような特徴があります:

  1. 平均値を中心に左右対称
    正規分布は常に平均値を中心として対称な形になります。つまり、平均値の左側と右側で、データの割合が同じになるのです。
  2. 標準偏差による広がり
    正規分布の「山」の高さや広がりは、標準偏差という指標によって決まります。標準偏差が小さいとグラフの山が細く高くなり、標準偏差が大きいと平たく広がった形になります。
  3. 多くのデータが平均値付近に集中
    データの約68%が、平均値 ±1標準偏差の範囲内に収まります。また、95%が ±2標準偏差、99.7%が ±3標準偏差の範囲内に入ります。

身近な例で考える

例えば、高校生の身長を考えてみましょう。

  • 平均身長が170cmの場合、170cm付近の人が最も多く見られるでしょう。
  • その次に多いのが160cmや180cm付近の人たち。
  • 150cmや190cmのように平均から大きく離れる人はぐっと少なくなります。

このように、中心付近にデータが集まり、両端に行くほどデータが少なくなる形を正規分布といいます。



正規分布のグラフの描き方

正規分布のグラフは次のように描かれます:

  1. 横軸(x軸):調べたいデータの値を表します(例:身長や試験の点数)。
  2. 縦軸(y軸):そのデータが現れる確率密度を表します。
  3. 中心点:平均値。正規分布のグラフの山の頂点になります。
  4. 左右対称:平均値を中心に完全に対称な形状。

標準偏差が異なる場合のグラフを描くと、以下のようになります:

  • 標準偏差が小さい:山が細く高い。データが平均値付近に集中している。
  • 標準偏差が大きい:山が広く低い。データが分散している。

正規分布が重要な理由

正規分布が統計学で非常に重要とされる理由を掘り下げてみましょう。

1. 自然界の多くの現象に当てはまる

身長や体重、IQスコア、血圧、試験の点数など、多くのデータが正規分布に近い形をとります。これは、これらのデータが「無数の小さな要因の合計」で決まることが多いためです。

2. 分析が簡単

正規分布には一定のルールがあるため、統計的な計算が効率的に行えます。例えば、データの偏差や確率を簡単に求めることが可能です。

3. 中心極限定理

多くのデータがある場合、その平均値は正規分布に従う傾向があります。これを中心極限定理と呼びます。つまり、たとえ元のデータが正規分布でなくても、大量のデータを集めると正規分布に近づきます。


実際の活用例

正規分布は、私たちの生活や仕事の中でさまざまな場面に活用されています。以下はその一例です:

教育

  • 試験の点数分布を調べる際、正規分布がよく用いられます。偏差値も正規分布を基に計算されています。

医療

  • 血圧や体温などの測定データが正規分布に従う場合が多いです。この性質を利用して、異常値(病気の可能性が高い数値)を特定します。

経済学

  • 株価の変動や経済指標の分布など、正規分布を仮定してモデリングすることが一般的です。

メリットとデメリット

メリット

  • グラフの形状がシンプルでわかりやすい。
  • 自然界や社会現象に広く適用可能。
  • 多くの統計的手法が正規分布を基にしている。

デメリット

  • 全てのデータが正規分布に従うわけではない。
  • 外れ値(平均値から極端に離れたデータ)がある場合、分析結果に悪影響を及ぼす。

次に学ぶべきこと

正規分布をさらに深く理解し、その知識を応用するために、以下のテーマに取り組むことをお勧めします:

  1. 標準化 (Standardization)
    標準正規分布について学びましょう。これは平均が0、標準偏差が1に設定された正規分布の特別なケースです。標準化を使えば、異なるスケールや単位を持つデータを比較することが容易になります。
  2. 確率の計算
    正規分布を使った確率計算を学びます。例えば、「平均より高い点数を取る確率は?」や「特定の範囲にデータが収まる確率は?」といった具体的な問題を解く方法を練習しましょう。
  3. 統計的検定
    正規分布を活用した仮説検定(例えば、t検定やz検定)について学ぶと、データの比較や判断を行うスキルが身につきます。
  4. 他の分布との比較
    ポアソン分布や一様分布など、正規分布以外の確率分布を学ぶことで、どの分布がどの状況に適しているかを理解できるようになります。
  5. 実際のデータ分析
    ExcelやPythonなどのツールを使い、実際のデータを正規分布としてフィッティングしたり、可視化したりする演習を行うと、実践的なスキルが身につきます。

分布の理解はデータサイエンスや統計学の基盤となる部分です。一歩一歩学びを進めることで、データの背後にあるパターンを見抜ける力が養われます。何か分からないことや、具体的な質問があればいつでも聞いてくださいね!

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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