新人エンジニアの皆さんに向けて「所得税の仕組み」を解説
こんにちは。ゆうせいです。
今日は「所得税の仕組み」について、新人エンジニアの皆さんにわかりやすく解説します。エンジニアとして働き始めると給与から所得税が引かれるのを目にしますが、「なぜ税金が引かれるのか」「どう計算されるのか」を理解しておくと、自分の手取りを把握できるだけでなく、お金の管理がしやすくなりますよ。
所得税とは?
所得税は、個人が得た収入(所得)に対して課される税金です。
収入に応じて税金が増える「累進課税(るいしんかぜい)」という仕組みが採用されています。収入が多い人ほど高い税率で税金を払う仕組みです。
所得税がかかる対象は?
所得税の対象は「所得」です。所得とは、以下のように計算されます:
所得の計算式:
所得 = 収入 - 必要経費
具体例
- 収入:会社からもらう給与や副業の収入など。
- 必要経費:給与所得者の場合、決められた額の「給与所得控除」が適用されます。
所得税の計算の流れ
所得税は、以下の手順で計算されます。
1. 課税所得を計算する
課税所得とは、所得から控除(税金がかからない分)を引いたものです。
計算式:
課税所得 = 所得 - 各種控除
主な控除
- 基礎控除:48万円(すべての人が対象)。
- 扶養控除:家族を扶養している場合に適用。
- 社会保険料控除:健康保険や年金の支払額。
- 生命保険料控除:生命保険を契約している場合。
2. 税率を適用する
課税所得に応じて、以下の所得税率を適用します(2025年現在)。
課税所得の金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円 ~ 1,949,000円 | 5% | 0円 |
1,950,000円 ~ 3,299,000円 | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 ~ 6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 ~ 8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 ~ 17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 ~ 39,999,000円 | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 ~ | 45% | 4,796,000円 |
計算式:
所得税額 = (課税所得 × 税率) - 控除額
計算例で理解する
年収400万円の場合
- 収入から給与所得控除を引く
- 年収400万円の給与所得控除は約110万円(給与所得控除は収入に応じて決まる)。
所得 = 400万円 - 110万円 = 290万円
- 課税所得を計算する
- 各種控除(基礎控除48万円、社会保険料控除60万円と仮定)を引く。
課税所得 = 290万円 - 48万円 - 60万円 = 182万円
- 所得税を計算する
- 182万円の課税所得は税率5%の範囲内。
所得税額 = 182万円 × 5% = 91,000円
源泉徴収とは?
所得税は毎月の給与から「源泉徴収」という形で天引きされています。
これにより、年末までに税金を一括で払う負担がなくなり、分割して支払う形になります。
確定申告が必要な場合
多くの会社員は年末調整で所得税が調整されるため、確定申告をする必要はありません。ただし、以下の場合は確定申告が必要です。
- 副業の収入が20万円を超える場合
- 副業で得た収入についても所得税を払う必要があります。
- 医療費が多くかかった場合(医療費控除)
- 高額な医療費を支払った場合は、確定申告をすると税金が戻ることがあります。
- 住宅ローン控除を受ける場合
- 住宅を購入した初年度には確定申告が必要です。
所得税を理解するメリット
1. 手取りを正確に把握できる
給与明細に記載されている「所得税額」の計算が分かると、手取り額の内訳が理解できます。
2. 税金を節約できる
控除を活用することで、支払う税金を減らすことができます。たとえば、ふるさと納税や保険料控除を利用すると節税につながります。
3. 副業の管理ができる
副業をしている場合、所得税の計算を理解しておくと、必要な確定申告や経費の管理がスムーズになります。
最後に
所得税は、働く上で必ず関わる税金の一つです。エンジニアとして働き始めたばかりのうちは、「税金が引かれている」くらいの意識かもしれませんが、その仕組みを理解することでお金の使い方や管理に役立てることができます。
次のステップとして、「控除の種類を調べる」「副業やふるさと納税を活用した節税」を学ぶと、さらに税金に強くなりますよ!
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投稿者プロフィール
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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