「著作権法に対するよくある誤解」を新人エンジニアに解説

こんにちは。ゆうせいです。

著作権法について、よくある誤解を解説していきます!
「なんとなく知っているけど、実は間違っていた!」なんてことがないように、しっかり確認していきましょう。


著作権法のよくある誤解

1. 著作権侵害は親告罪である(→ もう違う!)

「著作権侵害は親告罪だから、著作権者が訴えなければ罪にならない」と思っていませんか?
実は、2018年の法改正で、一部の著作権侵害行為は非親告罪になりました!

親告罪とは?

親告罪(しんこくざい)とは、被害者(ここでは著作権者)が告訴しないと刑事事件にならない犯罪のこと。
つまり、著作権者が「訴えます!」と言わなければ警察や検察は動けません。

何が変わったのか?

2018年の著作権法改正で、「悪質な海賊版サイトの運営者」や「組織的な著作権侵害」については、非親告罪になりました。
これにより、著作権者が告訴しなくても、警察が独自に捜査して摘発できるようになったのです。

とはいえ、個人の軽微な違反は?

個人が趣味でやっている程度の著作権侵害(たとえば、友人にコピーを渡すレベル)は、依然として親告罪のままです。
しかし、海賊版サイトや大規模な違法アップロードは警察が動く可能性があります。


2. 著作物は「共有できない」?(→ 一部ならOK!)

「著作物は他人と一切共有できない!」と考えている人もいますが、これは間違いです。
実は、一定の条件を満たせば、著作物を他人と共有できる場面もあります。

どんな場合ならOK?

  • 家庭内や親しい友人との共有
    • 家族や親しい友人にコピーを渡す程度ならOK(私的使用の範囲内)
  • 教育機関での使用
    • 学校の授業で使う場合は、特定のルールを守ればコピー可能
  • 図書館での複製
    • 一部の資料は図書館でコピーが可能

どんな場合がNG?

  • SNSやブログにアップロード
    • インターネット上にアップすると、「公衆送信権」の侵害
  • 多数の人とファイル共有
    • 友人にコピーを渡すのはOKだが、LINEのグループなどで大量配布するとアウト

「著作物は共有できない」というより、「一定の条件下では可能だが、ネットなどで拡散すると違法になる」と理解しましょう!


3. 「著作権フリー」は完全自由?(→ 条件次第!)

「著作権フリー」という言葉を見たことがある人も多いはず。
でも、これは「完全に自由に使える」という意味ではないんです!

「著作権フリー」とは?

  • 著作権が消滅したもの
    • 例えば、著作権の保護期間(日本では著作権者の死後70年)が過ぎたもの
    • 著作権が存在しない(憲法や法律の文章など)
  • 特定の条件で自由に使えるもの
    • クリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスで利用が許可されているもの

注意点!

  • 「商用利用OK」と書いてあっても、改変は禁止のことがある
  • クレジット表記が必要な場合がある
  • 「著作権フリー」と書かれていても、実際には著作権があることも(詐欺サイトに注意!)

「著作権フリー」という言葉に騙されず、必ず利用規約を確認しましょう!


4. 「引用なら無制限に使える!」(→ 条件付き!)

「引用だから問題ないでしょ?」というのも誤解されがちです。

引用のルール

  1. 必要な範囲でのみ使う
    • 全文コピーはNG!必要な部分だけを使う
  2. 引用部分が明確
    • 「””」や【】などで囲む、フォントを変えるなど
  3. 出典を明記
    • どこから引用したのかを書く
  4. 自分の文章が主体
    • 他人の文章が9割、自分の意見が1割はNG

「引用」だからといって何でも使えるわけではなく、ルールを守らないと著作権侵害になるので要注意!


まとめ

著作権法には多くの誤解があります。

  • 著作権侵害はすべて親告罪ではない!(非親告罪のケースもある)
  • 著作物の共有は一部OK!ただし、無制限に拡散するのはNG
  • 「著作権フリー」は完全自由ではなく、条件付き
  • 「引用」はルールを守らないと違法になる

著作権は「知っているつもり」で誤解しやすい法律のひとつ。
だからこそ、正しい知識を身につけてトラブルを防ぎましょう!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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