【新人エンジニア必見】知らないと危険!生成AIと著作権のキホンを徹底解説
こんにちは。ゆうせいです。
「GitHub Copilotでコードを書くのが爆速になった!」
「ChatGPTに仕様をレビューしてもらったら、自分では気づけない指摘をもらえた!」
今や、私たちエンジニアの仕事に生成AIは欠かせないツールになりつつありますよね。その便利さは、一度味わうと手放せなくなるほどです。
しかし、その圧倒的な便利さの裏には、「著作権」という、見過ごすことのできない重要な法律問題が潜んでいます。何も知らずに使っていると、あなた自身や会社を大きなトラブルに巻き込んでしまう可能性も…。
そこで今回は、新人エンジニアのあなたにこそ知っておいてほしい「生成AIと著作権」の基本的な知識を、わかりやすく解説していきます。自分を守るための大切な知識なので、ぜひ最後まで読んでくださいね!
そもそも「著作権」ってなんだっけ?
「著作権」という言葉は聞いたことがあると思いますが、具体的にどんな権利か説明できますか?
すごく簡単に言うと、著作権とは「クリエイターが作ったものを守るための権利」です。
例えば、あなたが寝る間も惜しんで書き上げた渾身のプログラムコード。これも、あなたの考えや工夫が表現された「著作物」です。この大切な著作物を、他人が勝手にコピーして自分の作品として公開したり、販売したりすることを防ぐのが著作権の役割なのです。
小説、音楽、イラストはもちろん、プログラムのソースコードも、そこに書き手の個性が表現されていれば、立派な著作物として保護される、ということをまずは覚えておいてください。
生成AIと著作権、問題は2つの場面で起きる
さて、ここからが本題です。生成AIと著作権の問題を考えるとき、話をシンプルにするために2つの場面に分けて考えると、とても分かりやすくなります。
それは、AIがデータを「入力」する場面と、何かを「出力」する場面です。
論点1:AIが学習すること(入力)はOK?
生成AIが賢いのは、インターネット上にある膨大な文章、画像、そしてソースコードなどを「学習」しているからです。この学習用のデータの中には、当然、著作権で保護されたものが山ほど含まれています。
「え、それって勝手にコピーしてるのと同じじゃない?大丈夫なの?」と不安になりますよね。
実は、日本の著作権法では、今のところ「AIが情報解析(学習)のために著作物を利用することは、原則としてOK」とされています。(著作権法第30条の4)
これは、人間が本を読んで知識を吸収するのと同じように、AIがデータを「読む」だけなら、著作物を創作した人の利益を直接害するわけではない、という考え方に基づいています。ただし、これはあくまで「学習のため」に限った話で、いくつかの例外もあるので注意が必要です。
論点2:AIが作ったもの(出力)の著作権は誰のもの?
次に、AIが生成したコードや文章、画像の権利について考えてみましょう。これには著作権は発生するのでしょうか?もし発生するなら、それは誰のものでしょう?
日本の法律では、著作権は「人間の思想または感情を創作的に表現したもの」に発生するとされています。ポイントは「人間が」という部分です。
そのため、AIが完全に自動で作り出したものには、原則として著作権は発生しない、というのが現在の一般的な考え方です。
しかし、あなたがAIを「道具」として使い、プロンプトを工夫したり、AIの生成物を何度も修正・加工したりして、そこにあなたの「創作的な関与」が認められれば、その生成物はあなたの著作物になる可能性があります。
まるで、カメラマンがカメラという「道具」を使って、構図や光を工夫して芸術的な写真を撮るのと同じですね!
新人エンジニアが今すぐ気をつけるべき4つのこと
法律の話は少し難しかったかもしれませんが、ここからはあなたが明日から実践すべき、具体的な注意点をお話しします。これだけは絶対に守ってください!
1. 会社のルールを絶対に確認する!
これが何よりも一番重要です!会社によっては、業務での生成AIの利用を全面的に禁止していたり、「このツールだけ使ってOK」というように、厳しいガイドラインを設けていたりします。まずは、あなたの会社のルールがどうなっているのか、先輩や上司に必ず確認しましょう。自己判断で使い始めるのは絶対にNGです。
2. 機密情報や個人情報を絶対に入力しない
あなたがプロンプトとして入力した情報が、AIの学習データとして再利用されてしまう可能性があります。もし、会社の未公開のソースコードや、顧客の個人情報を入力してしまったら…?考えるだけで恐ろしいですよね。業務で利用する際は、絶対に機密情報を入力してはいけません。
3. 生成されたコードを鵜呑みにしない
生成AIが吐き出したコードは、非常に便利ですが、完璧ではありません。その中には、特定のライセンスに違反するコードや、他人の著作物をそのままコピーしたようなコードが紛れ込んでいる危険性があります。
生成されたコードはあくまで「下書き」や「参考」と捉え、そのままコピペするのはやめましょう。必ず自分の目で内容を理解し、ライセンスを確認し、必要であれば自分の言葉で書き直す習慣をつけてください。
4. 著作権を侵害しそうなプロンプトは避ける
「〇〇という有料ライブラリの機能を再現するコードを書いて」
「〇〇というゲームのキャラクターにそっくりなイラストを作って」
このような、特定の著作物を明らかに模倣させようとする指示は、非常に危険です。出来上がった生成物が著作権侵害にあたる可能性が非常に高くなります。エンジニアとしての倫理観を持って、AIを使いましょう。
まとめ:AIを賢い「道具」として使いこなそう
生成AIは、私たちの開発効率を劇的に向上させてくれる、本当に強力な「道具」です。
しかし、著作権のリスクを理解しないまま使うのは、交通ルールを知らずに車を運転するようなもの。とても危険です。
生成AIに関する法律や社会のルールは、まだ発展途上であり、これからもどんどん変わっていくでしょう。だからこそ、私たちエンジニアは、常に最新の情報にアンテナを張り、学び続ける姿勢が不可欠です。
まずは、文化庁が公開している情報や、あなたの会社の法務部から発信される情報などを定期的にチェックすることから始めてみませんか?
正しい知識を身につけて、AIという賢い相棒と、安全に付き合っていきましょう!
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投稿者プロフィール
- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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