Docker Hubとは?新人エンジニア必見!使い方からメリットまで徹底解説

こんにちは。ゆうせいです。

Dockerを使い始めたばかりのあなた、「作成したDockerイメージって、どうやって他の人と共有するんだろう?」あるいは「便利なイメージがどこかにまとまっていないかな?」なんて思ったことはありませんか?

そんな疑問を解決してくれるのが、今回ご紹介する「Docker Hub」です!

一言でいうと、Docker Hubは「Dockerイメージ版のアプリストア」のようなもの。世界中の開発者が作成した便利なイメージが数多く公開されていて、誰でも簡単に利用したり、自分のイメージを公開したりできるんです。

この記事では、新人エンジニアのあなたに向けて、Docker Hubとは何か、そのメリットや注意点、そして基本的な使い方まで、わかりやすく解説していきますね。

Docker Hubって、そもそも何?

まずは、Docker Hubを理解するために欠かせない、いくつかの専門用語から見ていきましょう。

難しく考えなくて大丈夫!一つひとつ、身近なものに例えながら説明しますから、安心してくださいね。

Dockerイメージ:アプリケーションの「お弁当箱」

Dockerイメージとは、アプリケーションを動かすために必要なもの(プログラム本体、ライブラリ、設定ファイルなど)を、まるっと一つにパッケージングしたものです。

料理に例えるなら、「いつでもどこでも同じ味を再現できる、レシピ付きの冷凍食品キット」みたいなイメージでしょうか。このキットさえあれば、誰のキッチン(コンピュータ)でも同じ料理(アプリケーション)をすぐに作れますよね。

リポジトリ:イメージを保管する「棚」

リポジトリは、作成したDockerイメージを保管しておく場所のことです。

これは、図書館の「本棚」を想像してもらうと分かりやすいかもしれません。例えば、「Ubuntu」という名前の本棚には、バージョン違いのUbuntuのイメージ(本)が整理されて置かれています。

タグ:バージョンを区別する「付箋」

同じ名前のイメージでも、バージョンが違うことがありますよね。そのバージョンを区別するための目印が「タグ」です。

本棚に並んでいる同じタイトルの本に、「初版」「第2版」といった付箋が貼られているのをイメージしてください。Dockerでは ubuntu:22.04 のように、イメージ名:タグ という形式でバージョンを指定するのが一般的です。

プル (Pull) とプッシュ (Push)

  • プル (Pull): Docker Hub(図書館)から、必要なイメージ(本)を手元のコンピュータにダウンロードしてくることです。「本を借りる」イメージですね。
  • プッシュ (Push): 自分で作成したイメージ(自作の本)を、Docker Hub(図書館)にアップロードして保管・公開することです。「本を寄贈する」と考えると分かりやすいでしょう。

つまりDocker Hubとは、世界中の開発者が作ったイメージ(冷凍食品キット)が置かれている巨大な「冷凍倉庫」のようなサービス、というわけなんです!

Docker Hubを使うと、何が嬉しいの?

では、Docker Hubを使うと具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?

主に3つの大きなメリットを見ていきましょう。

1. 開発環境を「秒」で構築できる!

最大のメリットは、何と言ってもその手軽さです。

例えば、あなたがPythonを使った開発を始めたいとしましょう。通常なら、自分のPCにPythonをインストールして、バージョンを合わせて…といった面倒な作業が必要になります。

でもDocker Hubを使えば、

docker pull python:3.10

このコマンド一行を実行するだけで、Python 3.10がインストールされた環境(イメージ)がすぐに手に入ります。本当にこれだけです!

公式が提供している高品質なイメージ(OS、プログラミング言語、データベースなど)が豊富に揃っているので、環境構築にかかる時間を大幅に短縮できるんですよ。

2. チームでのイメージ共有が驚くほど楽になる

あなたが開発したWebアプリケーションを、チームメンバーにも使ってもらいたい時、どうしますか?

「このライブラリをインストールして、設定ファイルをこう書き換えて…」なんて手順書を渡すのは、とても大変ですし、相手の環境によってはうまく動かないこともあります。

そんな時こそDocker Hubの出番です!

あなたが作成したアプリケーションのイメージをDocker Hubにプッシュしておけば、チームメンバーはそれをプルするだけ。全員が全く同じ環境を、コマンド一つで再現できるのです。

「私のPCでは動くのに…」なんていう、あの不毛なやり取りとはもうおさらばです!

3. CI/CDとの連携で開発を自動化できる

少し発展的な話になりますが、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)という、開発を自動化する仕組みとも非常に相性が良いです。

例えば、GitHubにソースコードが更新されたら、自動的にテストを実行し、テストが成功したらDockerイメージをビルドしてDocker Hubにプッシュする、といった一連の流れを完全に自動化できます。

これにより、開発のスピードと品質を大きく向上させることができるのです。

利用する上での注意点

とても便利なDocker Hubですが、いくつか知っておくべき注意点もあります。

安心して使うために、しっかり確認しておきましょう!

1. 公開リポジトリの情報は「丸見え」です!

無料で使える「公開リポジトリ(Public Repository)」にプッシュしたイメージは、その名の通り、世界中の誰もがダウンロードできてしまいます。

もしイメージの中に、データベースのパスワードやAPIキーなどの機密情報を含めてしまうと、大変なことになります。絶対に、絶対に、機密情報はイメージに含めないでください!

チーム内だけで非公開に共有したい場合は、有料の「プライベートリポジトリ(Private Repository)」を使いましょう。(無料プランでも1つだけ作成できます)

2. そのイメージ、本当に信頼できますか?

Docker Hubには、Docker公式が提供する信頼性の高い「Official Image」の他に、企業や個人が作成したイメージも無数に存在します。

中には、悪意のあるプログラムが仕込まれていたり、古くて脆弱性が放置されていたりするイメージが紛れている可能性もゼロではありません。

まずは公式イメージや、開発元がはっきりしている信頼できるイメージを使うことを強くお勧めします。ダウンロード数(Pulls)や評価(Stars)も、信頼性を判断する一つの目安になりますよ。

3. ダウンロード回数には制限がある

Docker Hubは、匿名ユーザーや無料アカウントの場合、一定時間内にイメージをプルできる回数に制限(Rate Limit)を設けています。

個人で学習している範囲では、この制限に達することは滅多にありません。しかし、会社などで多くの人が頻繁にイメージをプルするような環境では、制限に達してしまう可能性があります。その場合は、有料プランへのアップグレードを検討する必要があります。

さあ、Docker Hubを触ってみよう!

理屈がわかったら、実際に触ってみるのが一番です!

簡単な手順をご紹介しますので、ぜひ一緒に試してみてください。

  1. アカウント作成: まずはDocker Hubの公式サイトでアカウントを作成しましょう。
  2. Dockerにログイン: 次に、あなたのPCのターミナル(コマンドプロンプト)で、以下のコマンドを実行してDocker Hubにログインします。Shelldocker login ユーザー名とパスワードを聞かれるので、先ほど登録したものを入力してください。
  3. イメージをプルしてみる: 動作確認用の簡単なイメージである hello-world をプルしてみましょう。Shelldocker pull hello-world
  4. コンテナを実行してみる: プルしたイメージからコンテナを起動します。Shelldocker run hello-world 画面に「Hello from Docker!」というメッセージが表示されれば成功です!

どうでしょう?思ったより簡単だったのではないでしょうか。

これがDocker Hubの第一歩です!

次のステップへ

Docker Hubの基本的な使い方がわかったら、次はぜひ以下のステップに挑戦してみてください。

  • Dockerfileを書いてみる: pullするだけでなく、自分でDockerfileという設計図を書いて、オリジナルのイメージを作成してみましょう。自分で作ったイメージをpushできると、Dockerの活用の幅がぐっと広がります!
  • 他のレジストリサービスを知る: Docker Hub以外にも、Amazon ECRやGoogle Artifact Registryなど、各クラウドサービスが提供するコンテナレジストリも存在します。実務ではこちらを使うことも多いので、名前だけでも覚えておくと良いでしょう。
  • Docker Composeを学ぶ: 複数のコンテナ(Webサーバーとデータベースなど)を連携させて、一つのアプリケーションとして管理するためのツール「Docker Compose」を学ぶと、より実践的な開発ができるようになります。

Docker Hubは、現代のアプリケーション開発において、なくてはならない存在です。

ぜひ積極的に活用して、あなたのエンジニアライフをより快適で、効率的なものにしてくださいね。応援しています!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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