2年で元が取れる「バグ技」?付加年金はフリーランス志望者への必須教養

こんにちは。ゆうせいです。

研修講師の皆さん、受講生のエンジニアたちと話していると、こんな声を聞くことはありませんか。

「いつかはフリーランスになりたいです」

「数年修行したら独立して起業するつもりです」

IT業界は流動性が高く、独立志向が強い人材が多いですよね。

そんな彼らに、ぜひ教えてあげてほしい「裏技」があります。それが今回解説する「付加年金(ふかねんきん)」です。

これは、会社員(厚生年金加入者)であるうちは使えないのですが、独立して自営業(国民年金第1号)になった瞬間に最強の威力を発揮するオプションです。

金融商品として見ると、利回りが良すぎて「設定ミス(バグ)ではないか?」と疑うレベルの制度です。

将来のキャリアパスを含めたアドバイスとして、この知識を彼らに授けてあげましょう。

コーヒー1杯分の課金で年金が増強される

付加年金の仕組みは、驚くほどシンプルです。

国民年金の保険料(月額約1万7000円)に、月額400円 をプラスして払うだけです。

たった400円です。カフェのコーヒー1杯分、あるいはサブスクの最低料金よりも安い金額です。これを払うと、将来もらえる年金がどれくらい増えるのか。ここからの計算式に注目してください。

将来もらえる付加年金額(年額) = 200円 \times 納付した月数

「えっ、200円? しょぼくないですか?」

そう思った方もいるでしょう。しかし、これは「月額」ではなく、死ぬまで毎年もらえる「年額」です。

では、投資対効果(ROI)を計算してみましょう。

驚異の回収期間「2年」のロジック

例えば、独立してから10年間(120ヶ月)、この付加年金を払い続けたとします。

【払うお金(コスト)】

400円 \times 120ヶ月 = 4万8000円

【もらえるお金(リターン・年額)】

200円 \times 120ヶ月 = 2万4000円

総額4万8000円を払って、毎年2万4000円が上乗せされて戻ってくるわけです。

ここで「何年で元が取れるか」を割り算してみましょう。

4万8000円 \div 2万4000円 = 2年

いかがでしょうか。年金をもらい始めてから、たった2年で支払った総額を回収できます。

65歳から受給開始したとして、67歳には元が取れます。それ以降、長生きすればするほど、毎年2万4000円が「純利益」としてチャリンチャリンと入り続けるのです。

世界中のどんな投資信託や金融商品を探しても、「確実(国が保証)に2年で元が取れる」なんて商品は存在しません。まさに公的制度ならではのチート級アイテムなのです。

誰が使えるの?会社員は使えない?

ここで重要なのが「対象者」です。

残念ながら、今研修を受けている会社員(厚生年金加入者)は、この制度を使えません。

付加年金を使えるのは、以下の人たちだけです。

  • 自営業者、フリーランス(第1号被保険者)
  • 学生(20歳以上)
  • 無職の人

では、なぜ会社員向けの研修でこれを教える必要があるのでしょうか。

それは、彼らが「会社を辞めた直後」に役立つ知識だからです。

エンジニアが独立してフリーランスになると、厚生年金から外れ、国民年金だけになります。将来の保障がガクンと減ることに不安を感じるはずです。

その時に、「役所で国民年金への切り替え手続きをする際、『付加年金もつけます』と一言添えるだけで、最強の投資ができるよ」と教えておいてあげるのです。

この一言を知っているかどうかで、彼らの老後資金効率は劇的に変わります。

メリットとデメリット

完璧に見える付加年金にも、注意点はあります。

メリット

  • 圧倒的な利回り: 2年で元が取れる。
  • 税金が安くなる: 支払った400円は「社会保険料控除」の対象になるので、所得税・住民税がわずかに安くなります。
  • 手続きが簡単: 役所の窓口で申し込むだけで、審査もありません。

デメリット

  • インフレに弱い: 付加年金の支給額は「200円 \times 月数」で固定されています。物価が上がっても金額が増えません(スライドしません)。
  • 国民年金基金との併用不可: ここが最大のトラップです。自営業者向けの「国民年金基金」という別の制度に入っている人は、付加年金には入れません。どちらか片方を選ぶ必要があります(iDeCoとの併用は可能です)。

研修講師としての伝え方

講義の最後に、キャリアプランの話をする際、こんなふうに切り出してみてください。

「もし皆さんが将来、フリーランスとして独立する夢を持っているなら、今日これだけは覚えて帰ってください。『独立したら、とりあえず付加年金』です」

「月400円の課金で、2年で元が取れる最強の装備です。iDeCoやNISAを考える前に、まずはこのワンコイン設定を忘れないでくださいね」

これだけで、受講生は「この先生、現場のリアルなお金の話を知っているな」と信頼を寄せてくれるはずです。

まとめ

今回は、知る人ぞ知るお得制度「付加年金」について解説しました。

  • 月額400円払うと、将来の年金が年額「200円 \times 納付月数」増える
  • 65歳から受給して、2年(67歳)で元が取れる
  • 会社員は使えないが、フリーランスになった瞬間に使える必須テクニック

「退職後の手続き」まで見越してアドバイスができる講師は、受講生の一生の記憶に残ります。ぜひ、彼らの未来の装備品として紹介してあげてください。

今後の学習の指針

さらに深掘りするなら、「国民年金基金(こくみんねんきんききん)」について調べてみてください。

先ほど「付加年金とは併用できない」とお伝えしましたが、こちらは掛金が高い代わりに、保障額も大きく、節税効果も高い制度です。

「手軽な付加年金」か「ガッツリ節税の国民年金基金」か。フリーランスになった時にどちらを選ぶべきか、その比較ができるようになれば、独立支援のアドバイザーとしても活躍できますよ。

それでは、またお会いしましょう。

セイ・コンサルティング・グループでは新人エンジニア研修のアシスタント講師を募集しています。

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。

学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。