研修や業務のスケジュールが遅れる理由:行動経済学「計画の誤謬」の基礎と対策
こんにちは。ゆうせいです。
研修の準備や新しいプロジェクトを始める際、当初の予定よりも時間がかかってしまうことは珍しくありません。スケジュールを細かく立てたにもかかわらず、最終的な期限に追われる現象には、人間の心理的な癖が関係しています。本日は、行動経済学の概念である計画の誤謬について解説します。
計画の誤謬とは何か
計画の誤謬とは、新しい作業にかかる時間や費用、リスクを実際よりも少なく見積もり、得られる成果を大きく見積もってしまう心理的な傾向を指します。過去に似たような作業でスケジュールが遅れた経験があっても、今回の作業だけは障害なく進むと予測してしまうのが特徴です。
高校生の夏休みの宿題を例に説明します。7月の終わりに、学生は「毎日3ページずつドリルを進めれば、8月20日にはすべて完了する」という見通しを立てます。しかし、いざ夏休みが始まると、急な部活動の予定や体調不良など、予測していなかった出来事が発生します。前年の夏休みも同じように予定が崩れて最終日に徹夜をした経験があるにもかかわらず、見通しを立てる段階では「今年は思い通りに進められる」と信じて疑わない状態が、計画の誤謬にあたります。
計画の誤謬に陥るデメリットと理解するメリット
計画の誤謬に対策を打たなかった場合のデメリットは以下の通りです。
- 納期の遅延や予算の超過が発生し、関係者からの信頼を損なう原因になる
- 遅れを取り戻すための長時間労働が発生し、成果物の品質が低下する
- 当初の見通し通りに進まないことで、作業者のモチベーションが著しく低下する
一方で、計画の誤謬という心理的な傾向を理解し、事前に対策を講じることには以下のメリットがあります。
- 過去の類似案件の記録に基づいて現実的なスケジュールを組むことができる
- トラブルの発生を前提とした予備の時間を設けることで、進行が安定する
- 達成可能な目標を設定することで、作業者のモチベーションを維持できる
計画の誤謬を防ぐためのステップ
研修の設計や業務の進行において、計画の誤謬の影響を最小限に抑えるためには、以下の手順でスケジュールを見直す方法が有効です。
- 作業を細分化する大きな目標をそのまま扱うのではなく、半日や1日で完了する規模の作業単位まで分解します。
- 過去の記録を参照する現在の意気込みや記憶に頼るのをやめ、過去に類似する作業を行った際の正確な所要時間や、発生したトラブルの記録を確認します。
- 第三者の視点を取り入れる作業に直接関わらない人物にスケジュールを提示し、外部の視点から期限の妥当性を評価してもらいます。
- 予備の時間を組み込む突発的なトラブルや修正作業が発生することを前提とし、全体の所要時間の2割程度の予備時間をあらかじめ日程に組み入れます。
まずは、直近で控えている小さな作業の見通しに対し、過去の所要時間を確認するステップから実践してください。人間の心理的な癖を理解し、手順によって補うことで、安定した進行管理が可能になります。
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投稿者プロフィール

- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
海外放浪の末、2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。

