「管理職やリーダーになりたくない」は問題なのか?これからの人材育成に必要な「フォロワーシップ」という視点
「将来は管理職になりたいですか?」
「チームを引っ張るリーダーになりたいですか?」
若手社員の方に、こんな質問をしたとします。
「ぜひ、なりたいです!」
という答えを期待していたところ、
「うーん……私は別に管理職にならなくてもいいかな」
「人を引っ張るリーダーより、自分の仕事をしっかりやりたいです」
そんな返事が返ってきたら、皆さんはどう感じるでしょうか?
「最近の若い人は、出世したくないのかな?」
「責任を負いたくないのかな?」
「リーダーになりたいという意欲がないのかな?」
そんな心配をされる上司や人事担当者の方もいらっしゃるかもしれません。
実際、「若手社員が管理職になりたがらない」という話題は、近年たびたび取り上げられています。
ただ、少し考えてみたいのです。
「管理職やリーダーになりたくない」=「仕事への意欲がない」
なのでしょうか?
私は、必ずしもそうではないと思っています。
むしろ、ここに今後の人材育成を考えるうえで、とても大切なヒントが隠れているのではないでしょうか。
今回の記事では、
「なぜ、管理職やリーダーを目指さない人がいるのか?」
という疑問から出発して、
「リーダーを育てる」だけではなく、
「良いフォロワーを育てる」
という視点も、これからの組織づくりには必要なのではないか?
そんなことを一緒に考えてみたいと思います(^^)
そもそも「管理職」と「リーダー」は同じなのでしょうか?
最初に、言葉を少し整理しておきましょう。
「管理職」と「リーダー」は似た言葉として使われますが、厳密には少し意味が違います。
| 言葉 | 意味 | 具体例 |
|---|---|---|
| 管理職 | 会社から正式に管理責任を与えられた職位 | 課長、部長など |
| リーダー | 人やチームを一定の方向へ導く役割 | プロジェクトリーダー、チームリーダーなど |
| フォロワー | リーダーを支えながら、自らも考えて組織に貢献する人 | メンバー、部下、プロジェクト参加者など |
たとえば、課長という肩書きを持っていれば「管理職」です。
一方、役職がなくても、新しいプロジェクトでメンバーをまとめていれば「リーダー」の役割を担っていると言えるでしょう。
つまり、
「管理職になる」
ことと、
「リーダーとして人を引っ張る」
ことは、完全に同じではありません。
そして現在は、
「管理職にはなりたくない」
だけではなく、
「人を率いる立場より、専門性を高めたい」
「自分は前に立つより、チームを支える役割のほうが向いている」
というキャリア観もあるでしょう。
ここを無理に、
「いつかは全員リーダーを目指しましょう!」
としてしまう必要はあるのでしょうか?
私は、そこを一度考えてみる必要があると思っています。
本当に若い人は管理職になりたくないのでしょうか?
まず、事実を確認してみましょう。
パーソル総合研究所が20~30代の民間企業正社員を対象に分析した2023年のデータでは、管理職になることに消極的な若手社員は約5割でした。一方、積極的な層は約3人に1人です。
また、パーソルが紹介している「働く10,000人の就業・成長定点調査」では、「現在の会社で管理職になりたい」と回答した20代は、2021年の36.4%から2024年には28.2%へ低下しています。
数字だけを見ると、
「やっぱり若者の管理職離れだ!」
と言いたくなりますよね。
……ところが、話はそんなに単純ではありません(笑)。
東京商工会議所が2025年度の新入社員857人を対象に行った調査では、「管理職を目指したい」と回答した人が59.0%、「目指したくない」が41.0%でした。
つまり、調査対象や質問の仕方によって結果はかなり違います。
| 調査 | 対象・時点 | 見えてくること |
|---|---|---|
| パーソル総合研究所 | 20~30代正社員・2023年 | 管理職に消極的な層が約5割 |
| パーソル紹介データ | 20代・2024年 | 現在の会社で管理職を希望する人は28.2% |
| 東京商工会議所 | 2025年度新入社員 | 管理職を目指したい人は59.0% |
大切なのは、
「最近の若者は出世したがらない」
「最近の若者はリーダーになりたがらない」
と、ひとくくりにしないことです。
管理職を目指す人もいる。
リーダーとして活躍したい人もいる。
専門家として成長したい人もいる。
誰かを支える役割で力を発揮したい人もいる。
まだ将来像が決まっていない人もいる。
つまり、「意欲がなくなった」というより、
「キャリアの選択肢が多様になっている」
と考えたほうがよいのではないでしょうか。
では、なぜ管理職やリーダーになりたくないのでしょうか?
ここが今回、私が最も気になったところです。
「なりたくない」という結果だけを見るのではなく、
「なぜ?」
を考えなければ、人材育成の方向性を間違えてしまいます。
理由① 責任が重そうに見える
パーソル総合研究所の分析では、若手社員が管理職になりたくない最大の理由として「責任が重すぎる」が挙げられています。
管理職やリーダーになると、
自分の仕事だけではなく、
部下やメンバーの育成、
目標管理、
進捗管理、
他部署との調整、
トラブル対応、
ときにはメンバー間の人間関係の調整まで求められます。
若手社員から見れば、
「自分の仕事だけでも大変なのに、人のことまで背負うの?」
と感じても不思議ではありません。
スマートフォンに例えるなら、
「新しい機能がたくさん追加されます!」
と言われてアップデートしたら、
「ちなみにバッテリー消費も2倍です!」
と言われるようなものです。
「えっ、それなら今のままで……」
となりますよね(笑)。
理由② 管理職やリーダーが大変そうに見える
若手社員は、先輩管理職やリーダーの姿をよく見ています。
いつも会議。
メールやチャットが山ほど来る。
メンバーの相談に乗る。
上司から数字を求められる。
問題が起きれば対応する。
そして、なんだか疲れている……。
そんな姿を毎日見ながら、
「私も10年後、絶対ああなりたい!」
と思えるでしょうか?
なかなか難しいですよね(^^;)
興味深いのは、パーソル総合研究所の調査では、実際に管理職として働いている40~50代は、同年代の一般社員よりも会社、人間関係、仕事内容への満足度や「仕事を通じた幸せ」の実感が高かったことです。
つまり、
「管理職は大変そう」
という姿は見えていても、
「管理職だからこそ味わえる面白さや達成感」
は、若手社員に十分伝わっていない可能性があります。
理由③ 「人を率いる」以外にも成長の道がある
以前は、
一般社員
↓
主任
↓
係長
↓
課長
↓
部長
という階段を上っていくことが、分かりやすいキャリアの成功モデルでした。
しかし現在は、
専門性を高めたい。
好きな仕事を続けたい。
技術のスペシャリストになりたい。
顧客対応のプロになりたい。
プライベートも大切にしたい。
副業や学びにも時間を使いたい。
そんな価値観もあります。
つまり、
「上へ行く」
だけではなく、
「横へ広げる」
「専門性を深くする」
「自分らしい働き方をつくる」
というキャリアも考えられるわけです。
キャリアが「一本のはしご」から「いくつもの道がある地図」に変わってきた、と考えると分かりやすいかもしれません。
管理職やリーダーになりたくない=成長したくない、ではありません
ここで組織側が気をつけたいことがあります。
「管理職になりたくありません」
「リーダーは自分には向いていないと思います」
と言った社員に、
「向上心がない」
というラベルを貼ってしまうことです。
管理職になりたくなくても、
「もっと仕事ができるようになりたい」
と思っている人はいるでしょう。
リーダーとして前に立たなくても、
「チームの役に立ちたい」
と思っている人もいます。
役職はいらないけれど、
「後輩の相談には乗りたい」
という人もいるはずです。
さらに、
「上司やリーダーの判断に問題があると思ったら、きちんと意見を伝えたい」
という人だっているでしょう。
だったら、そんな社員の力を育てる人材育成があってもよいのではないでしょうか?
そこで注目したい「フォロワーシップ」
ここからが今回、一番お伝えしたいところです。
キーワードは、
「フォロワーシップ(Followership)」
です。
「フォロワー」と聞くと、
「リーダーについていく人」
「指示されたことをする人」
というイメージを持つかもしれません。
しかし、組織論でいうフォロワーシップは、単に上司やリーダーの指示に従うことではありません。
代表的な研究者であるロバート・ケリーは、フォロワーのあり方を「独立した批判的思考」と「積極的関与」という2つの軸で捉えています。
簡単に言えば、
「自分の頭で考える」
そして、
「チームのために自ら動く」
ということです。
たとえば、
「課長のおっしゃる通りです!」
だけでは、良いフォロワーとは限りません。
むしろ、
「課長、その方法だとこのような問題が起きる可能性があります。別案として、こちらはいかがでしょうか?」
と言える。
そして方針が決まったら、
「分かりました。では実現するために、私はここを担当します!」
と動ける。
そんな人です。
頼もしいですよね!
良いフォロワーとは「言われたことをする人」ではありません
フォロワーシップを簡単な図にすると、次のように考えられます。
| 自ら考える力が低い | 自ら考える力が高い | |
|---|---|---|
| 行動が積極的 | 一生懸命だが、上司やリーダーに同調しやすい | 自ら考え、提言し、行動する |
| 行動が消極的 | 指示を待つ傾向がある | 考えてはいるが、行動につながりにくい |
良いフォロワーに求められるのは、
「何でも賛成すること」
ではありません。
自分で考える。
必要なら疑問を持つ。
上司やリーダーに提言する。
決定したことには主体的に取り組む。
周囲を支援する。
チーム全体の成果を考える。
つまり、
「役職がなくても発揮できる主体性」
なのです。
たとえば、こんな社員がいたらどうでしょう?
営業部で、新しい顧客管理システムを導入することになったとします。
プロジェクトリーダーが、
「来月から、この方法で運用します」
と説明しました。
Aさんは、
「分かりました」
と言って、指示されたことだけを行います。
もちろん、間違った行動ではありません。
一方、Bさんは、
「営業現場ではスマートフォンから入力することが多いので、この入力項目数だと定着しないかもしれません。項目を減らして試験運用してみませんか?」
と提案しました。
リーダーが、
「なるほど。ではBさん、試験運用をお願いできる?」
と言うと、
「はい。営業メンバー5人に協力してもらって、来週までに結果をまとめます!」
と動きます。
Bさんは管理職ではありません。
プロジェクトリーダーでもありません。
しかし、チームにとって非常に大切な存在ではないでしょうか。
リーダーを否定するわけでもない。
ただ従うだけでもない。
「支える」と「提言する」を両立しています。
まさに、育てたいフォロワー像の一つです。
にゃんこにもフォロワーシップ!?
ここで、にゃんこを想像してみましょう(笑)。
飼い主が、
「こっちだよ~」
と呼びます。
しかし、にゃんこは必ずしも来ません。
じーっ……。
まずこちらを観察します。
「本当にそっちへ行って大丈夫なのかにゃ?」
とでも言いたげです。
ところが、おやつの袋が見えた瞬間、
ダダダダダッ!!!
ものすごい勢いで走ってきます(笑)。
人間のフォロワーシップがおやつ次第では困りますが(^^;)
「言われたから動く」
だけではなく、
状況を見る。
自分なりに判断する。
そして動く。
主体性という点では、少し似ているかもしれません。
……いや、にゃんこは主体性が強すぎますね(笑)。
これからの研修は「管理職・リーダー育成」だけでよいのでしょうか?
企業研修では昔から、
「管理職研修」
「次世代リーダー研修」
「管理職候補者研修」
「リーダーシップ研修」
が重視されてきました。
もちろん、とても重要です。
優れた管理職やリーダーを育成する必要性は、今後も変わらないでしょう。
しかし、ここで一つ疑問があります。
全員を管理職やリーダーにする必要があるのでしょうか?
そもそも、組織ではリーダーよりフォロワーとして働く時間のほうが長い人も大勢います。
そして、全員が管理職やリーダーを目指したいわけでもありません。
だったら、
「リーダーになるための教育」
だけではなく、
「フォロワーとして組織に貢献するための教育」
も必要ではないでしょうか。
これからは「良いフォロワーを育てる研修」も必要では?
そこで私は、
「リーダーを育てる」
だけではなく、
「良いフォロワーを育てる」
という研修も、これから重要になるのではないかと考えています。
目指すのは、
「上司の言うことをよく聞く社員」
ではありません。
むしろ、
「自分で考えて、上司やリーダーを支え、ときには提言し、チームのために行動できる社員」
です。
フォロワーシップ研修で育てたい5つの力
| 育てたい力 | 具体的な行動 |
|---|---|
| 主体性 | 指示を待つだけでなく、自分から仕事を見つける |
| 批判的思考 | 言われたことをそのまま受け入れず、目的や根拠を考える |
| 提言力 | 反対するだけでなく、代替案を添えて上司やリーダーに伝える |
| 支援力 | 上司、リーダー、同僚が成果を出しやすいよう先回りして動く |
| 実行力 | 決定後は当事者意識を持って行動する |
「上司やリーダーに従う」と「上司やリーダーを支える」は違います
ここは研修でぜひ扱いたいテーマです。
たとえばリーダーが、
「この商品、明日から全顧客に提案しよう!」
と言ったとします。
メンバーが、
「さすがです!やりましょう!」
と言う。
一見すると、素晴らしいフォロワーに見えます。
しかし、その社員が重大な問題に気づいていたらどうでしょう。
「実は、一部のお客様には契約条件上、この商品を提案できないんだけどな……」
それでも黙っている。
上司やリーダーの言うことには従っています。
しかし、本当に「支えている」と言えるでしょうか?
むしろ、
「一点だけ確認させてください。一部のお客様には契約上の問題が出る可能性があります。対象を確認してから始めませんか?」
と伝えるほうが、上司やリーダーを助けています。
良いフォロワーは、
YESと言う人ではなく、
必要なときに「ちょっと待ってください」と言える人でもあるのです。
フォロワーシップは「リーダーに逆らう技術」でもありません
一方で注意も必要です。
「自分で考えればいいんですね!」
と、
「リーダー、それ違うと思います」
「その方針、私は納得できません」
「私は私の方法でやります!」
となったら……
いやいや、そういうことではありません(笑)。
フォロワーシップで大切なのは、
「チームの目的達成のために意見する」
ことです。
自分が正しいと証明するためではありません。
上司を論破するためでもありません。
リーダーから主導権を奪うためでもありません。
目的は、
「チームをより良くすること」
です。
フォロワーシップを式にしてみると
非常に単純化して表現するなら、こんな式で考えることもできます。
フォロワーシップ = 独立した思考 × 積極的な関与
日本語でさらに噛み砕くなら、
良いフォロワーの力 = 自分の頭で考える力 × 自分から動く力
です。
掛け算にしているところがポイントです。
自分でよく考えていても、
行動が「0」なら、
組織への貢献は表に出てきません。
反対に、ものすごく積極的に動いていても、
自分で考えず、間違った方向へ全力疾走したら……
それもちょっと怖いですよね(笑)。
考える。
そして、動く。
両方を育てることが大切なのです。
リーダーシップとフォロワーシップは「対立するもの」ではありません
ここも非常に重要です。
「リーダーシップ」と「フォロワーシップ」を、
リーダーシップ VS フォロワーシップ
と考える必要はありません。
むしろ、
リーダーシップ + フォロワーシップ = チームを動かす力
と考えたほうが分かりやすいでしょう。
会社では、一人の人が常にリーダーとは限りません。
あるプロジェクトではリーダー。
別のプロジェクトではフォロワー。
後輩に仕事を教えるときにはリーダーシップを発揮する。
専門分野について詳しい同僚と仕事をするときには、その人をフォローする。
そんなふうに、私たちは日常的に役割を行き来しています。
つまり、
「リーダーになる人にはリーダーシップ研修」
「それ以外の人には何もしない」
では、もったいないのです。
フォロワーシップを育てるメリット
| メリット | 期待できる変化 |
|---|---|
| 管理職・リーダーの負担軽減 | メンバーが自律的に考えて動ける |
| 意思決定の質向上 | 現場から情報や異論が上がりやすくなる |
| 若手社員の成長 | 役職がなくても主体性を発揮できる |
| チーム力向上 | 「リーダー一人が考える組織」から脱却できる |
| キャリアの多様化 | 管理職以外にも成長の方向性を示せる |
特に大きいのは、
「管理職やリーダーにならない=キャリアアップしない」
という二択から抜け出せることではないでしょうか。
ただし、フォロワーだけを教育しても機能しません
ここも重要です。
研修で、
「上司やリーダーに積極的に提案しましょう!」
と教えたとします。
研修から戻った若手社員が勇気を出して、
「課長、このやり方を変えたほうがいいと思います」
と言いました。
すると課長が、
「余計なことを考えなくていいから、まず言われたことをやって」
……。
翌日から、その社員が積極的に提案するでしょうか?
しませんよね(^^;)
フォロワーシップを育てるなら、同時にリーダー側にも、
「フォロワーからの意見を受け止める力」
が必要です。
| フォロワー側 | 管理職・リーダー側 |
|---|---|
| 自分で考える | 考える余地を与える |
| 提言する | 提言を受け止める |
| 質問する | 質問を歓迎する |
| 主体的に動く | 必要な権限を渡す |
| 異論を伝える | 異論を敵意と受け取らない |
つまり、
「良いリーダーを育てる」
だけでもダメ。
「良いフォロワーを育てる」
だけでもダメ。
両方を育てる必要があるのです。
これからの研修を「役職」ではなく「役割」で考えてみる
そこで、今後の企業研修をこんなふうに考えてみてはいかがでしょうか。
| 従来の考え方 | これから加えたい考え方 |
|---|---|
| 管理職になる人を育てる | 役職に関係なく組織に貢献できる人を育てる |
| リーダーシップを学ぶ | リーダーシップとフォロワーシップを学ぶ |
| 部下を動かす方法を学ぶ | 上司やリーダーを支援する方法も学ぶ |
| 指示を出す力を育てる | 提言する力・支援する力も育てる |
| 役職によって研修を分ける | 役割に応じた能力を育てる |
管理職になる人には、もちろん管理職研修が必要です。
リーダーを担う人には、リーダーシップ研修が必要でしょう。
そして、組織で働くすべての人には、
「良いフォロワーとしてチームに貢献する方法」
を学ぶ機会があってもよいのではないでしょうか。
まとめ 全員が管理職やリーダーを目指さなくてもいい。でも、全員がチームを動かす力は持てる
今回の内容をまとめてみましょう。
近年、「若手社員が管理職になりたがらない」という話題を耳にすることが増えました。
一方で、調査によって結果には違いがあります。
「最近の若者は管理職にもリーダーにもなりたくない」
と一括りにすることはできません。
むしろ、
キャリアに対する価値観が多様になっている。
そう捉えたほうがよいのではないでしょうか。
そして何より、
管理職やリーダーになりたくないことと、
仕事への意欲がないことは同じではありません。
役職には就かなくても、
自分で考える。
上司やリーダーを支える。
必要なときには提言する。
同僚を助ける。
チームの目的に向かって主体的に動く。
そんな社員は、組織にとって非常に心強い存在です。
だからこそ、これからの人材育成では、
「良い管理職をどう育てるか?」
「良いリーダーをどう育てるか?」
に加えて、
「良いフォロワーをどう育てるか?」
という問いも持ってよいのではないでしょうか。
全員が管理職になる必要はありません。
全員がいつもリーダーである必要もありません。
しかし、
「役職がなくても、自分の頭で考え、周囲を支え、チームを前へ進められる人」
には、誰もがなれる可能性があります。
私は今後の研修でも、
「リーダーを育てる」
という従来の視点に加えて、
「良いフォロワーを育てる」
という視点を提案していきたいと思います。
リーダーが一人で引っ張る組織から、
リーダーとフォロワーが一緒になって前へ進む組織へ。
そんな組織づくりを考えるためにも、まずは「フォロワーシップ」について学んでみてはいかがでしょうか(^^)
そして最後に、ぜひご自身にも問いかけてみてください。
「自分は、どんなリーダーになりたいだろう?」
そして同時に、
「自分は、どんなフォロワーでありたいだろう?」
今後は「リーダーシップ」だけではなく、「フォロワーシップ」「主体性」「クリティカル・シンキング」「提言力」「心理的安全性」まで学びを広げていくと、これからの組織で求められる「役職を超えてチームに貢献する力」が、より深く理解できるはずです!
参考資料・参考文献
本記事の執筆にあたり、以下の調査資料・文献等を参考にしました。
若手社員の管理職志向・キャリア意識に関する資料
- 東京商工会議所
「2025年度 新入社員意識調査」
2025年度の新入社員857名から回答を得た調査。「管理職を目指したい」と回答した人が59.0%、「管理職を目指したくない」と回答した人が41.0%となっています。
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1205795 - パーソル総合研究所
若手社員の管理職意向、キャリア意識等に関する調査・研究コラム
若手社員が管理職になることに対して感じている負担や、管理職意向に影響する職場環境などを考える際に参考にしています。
https://rc.persol-group.co.jp/ - PERSOL(パーソル)グループ
法人向け人事・組織関連情報
若手社員のキャリア観や管理職志向、人材育成を考える際の参考資料として参照しています。
https://www.persol-group.co.jp/service/business/article/
フォロワーシップに関する主な参考文献
- Robert E. Kelley
“In Praise of Followers”
Harvard Business Review, November 1988.
フォロワーシップ研究を考えるうえで代表的な文献の一つです。「優れた組織をつくるためには、リーダーだけでなくフォロワーにも目を向ける必要がある」という考え方や、効果的なフォロワーに求められる特徴などが論じられています。
https://hbr.org/1988/11/in-praise-of-followers - Robert E. Kelley
“The Power of Followership: How to Create Leaders People Want to Follow, and Followers Who Lead Themselves”
Doubleday/Currency, 1992.
フォロワーを、「独立した批判的思考(Independent Critical Thinking)」と「積極的関与(Active Engagement)」という2つの軸から捉え、フォロワーのスタイルを整理した代表的な著作です。本記事で紹介した、「自分の頭で考える」「組織やチームに積極的に関与する」というフォロワーシップの考え方は、主にケリーの理論を参考にしています。
フォロワーシップ研究をさらに知るための資料
フォロワーシップについて、これまでどのような研究が行われてきたのかを整理する際に役立つレビュー研究です。
- Crossman, B. & Crossman, J.
“Conceptualising followership – a review of the literature”
Leadership, 2011. - Matshoba-Ramuedzisi, T., de Jongh, D. & Fourie, W.
“Followership: a review of current and emerging research”
Leadership & Organization Development Journal, 2022.
参考資料を読む際の注意点
「若手社員は管理職になりたくない」という傾向については、調査対象、年代、調査時期、質問方法によって結果が異なります。
そのため本記事では、「最近の若者は管理職やリーダーになりたがらない」と一律に捉えるのではなく、「管理職を目指す人もいれば、専門性を高めたい人、支援する役割で力を発揮したい人など、キャリアに対する考え方が多様になっている」という視点を大切にしています。
また、本文中の事例や「にゃんこエピソード」、フォロワーシップ研修への応用例などは、上記資料をそのまま引用したものではなく、理論や調査結果をもとに読者の皆さまに分かりやすくお伝えするために構成したものです。
さらに学びたい方へ
フォロワーシップについてさらに深く学びたい方は、まずRobert E. Kelleyの研究から入ると理解しやすいでしょう。
そのうえで、
- リーダーシップ
- フォロワーシップ
- クリティカル・シンキング
- 心理的安全性
- 主体性
- 上司への提言行動
などへ学習範囲を広げていくと、「リーダーだけが組織を動かすのではない」という今回の記事のテーマを、より深く理解できると思います(^^)
「フォロワーシップ研修」をリニューアルしてお届けします!
実は弊社では、以前から「フォロワーシップ研修」を実施していました。
当時から、
「リーダーだけを育てれば、良い組織になるわけではない」
「上司やリーダーを支えながら、自ら考えて行動できる人材を育てることも大切」
という考えのもと、フォロワーシップについてお伝えしてきました。
そして今、働き方やキャリアに対する価値観がますます多様になっています。
全員が管理職を目指すわけではない。
全員がいつもリーダーとして前に立つわけでもない。
だからこそ今、改めて「フォロワーシップ」を学ぶ意味が大きくなっているのではないかと感じています。
そこで、以前実施していた「フォロワーシップ研修」を、現在の職場環境や人材育成の課題に合わせてリニューアルし、改めて皆さまにお届けしていく予定です!
単に「上司の指示に従う方法」を学ぶ研修ではありません
新しい研修では、次のような姿を目指します。
- 自ら考える。
- 主体的に行動する。
- 上司やリーダーを支える。
- 必要なときには、建設的に提言する。
- そして、チーム全体の成果に貢献する。
そんな「役職がなくても組織を前へ動かせる人材」を育てる研修を目指します。
「リーダーを育てる」だけではなく、
「良いフォロワーを育てる」。
これからの組織づくりに必要な、新しい人材育成の選択肢としてご活用いただける内容にしていきたいと考えています。
現在、内容をさらに磨きながらリニューアルを進めていますので、どうぞ楽しみにお待ちください(^^)
管理職やリーダーだけが頑張る組織から、
一人ひとりが自分の立場から考え、支え、提言し、行動できる組織へ。
新しい「フォロワーシップ研修」を通じて、そんな組織づくりのお手伝いができれば嬉しく思います!

私たちセイ・コンサルティング・グループでは、様々な学びを提供しております。
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投稿者プロフィール

-
セイ・コンサルティング・グループ株式会社専務取締役
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上
キャリアコンサルタント・産業カウンセラー
アンガーマネジメントファシリテーター、コンサルタント
ハッピーな人生を送る秘訣は「何事も楽しむ!」ことにあり。
一期一会を大切に、そして楽しく笑顔になる研修をミッションに!
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