研修のアンケート評価がなぜ悪くなるのか 認知的不協和で考える
こんにちは。ゆうせいです。
今日は「研修のアンケート評価がなぜ悪くなるのか」というテーマについて、心理学の視点から解説していきます。その中でも、認知的不協和という心理学の理論に注目してみます。少し難しそうに感じるかもしれませんが、できるだけ分かりやすくお話しますね。
研修アンケート評価が悪化する理由とは?
研修後のアンケートで「思ったより評価が低い」と感じたことはありませんか?
参加者からすると「つまらなかった」「学びが少なかった」と思ったのかもしれません。しかし、実際には講師や内容が優れていたにもかかわらず、評価が低いこともあります。どうしてこんなことが起こるのでしょう?
その背後にある可能性のひとつが認知的不協和という心理的現象です。
認知的不協和とは?
まず、認知的不協和について説明しますね。
認知的不協和(Cognitive Dissonance)とは、人が自分の考えや行動、感情の間に矛盾が生じたときに、不快感やストレスを感じる状態を指します。この理論は、アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱されました。
簡単な例で考えてみましょう:
- あなたがダイエット中なのにケーキを食べてしまったとします。
- 考え1: 「ケーキは太るから食べてはいけない」
- 行動: 「ケーキを食べてしまった」
この矛盾が生じたとき、人は「食べた自分を正当化する」ために、「特別な日に少しだけ食べるのは大丈夫」と考えたり、「このケーキは低カロリーに違いない」と自分を納得させたりします。これが認知的不協和の解消の一例です。
研修と認知的不協和の関係
研修中や研修後、参加者が感じる認知的不協和がアンケート評価に影響することがあります。以下のような状況が考えられます。
1. 期待と実際のギャップ
研修前に「この研修は絶対に役立つ」と期待していたのに、実際にはそう感じられなかった場合、不協和が生じます。参加者はその不快感を研修そのものに原因があると認識して、低評価をつけることがあります。
2. 強制的な参加
自分の意思ではなく、上司や会社の指示で参加させられた場合も不協和が生じます。
- 考え1: 「この研修は有益なものであるべきだ」
- 感情: 「でも私は参加したくなかった」
この矛盾が不快感を生み、研修内容や講師の質に関係なく、低い評価をすることがあります。
3. 自己努力の正当化不足
参加者が自分なりに努力をして学ぼうとしない場合、不協和が起きます。
- 考え: 「学ぶべきことがあったのに、私は集中しなかった」
- 感情: 「そのせいで学びが少なかった」
この責任を自分ではなく研修に転嫁することで、不満をアンケートに表す可能性があります。
認知的不協和を減らす工夫
では、このような状況を防ぐにはどうすればよいのでしょうか?
1. 事前の期待値調整
事前に研修の具体的な内容やゴールを明確に伝えましょう。過剰な期待を抱かせると、ギャップが広がる可能性があります。
2. 自主性を高める仕掛け
強制感を減らすために、参加者が自分でテーマを選べる要素を取り入れると良いです。例えば、「複数のワークショップから選ぶ」形式にすると、納得感が生まれます。
3. 参加者の努力を引き出す
研修中に「自分で考え、行動する」場を設けましょう。ディスカッションやワークを取り入れることで、参加者が能動的に学ぶ姿勢を持ちやすくなります。
まとめ
研修のアンケート評価が悪くなる背景には、内容そのもの以外の要因も絡んでいることがあります。そのひとつが、認知的不協和です。期待や感情、行動の間に矛盾が生じると、不快感がアンケート評価に反映されやすくなります。
次のステップ
今後は、以下のような工夫を取り入れてみてください。
- 事前に期待値を調整する
- 自主性を促す設計を考える
- 研修中に能動的な参加を引き出す
認知的不協和を理解することで、研修の設計や改善のヒントが得られるはずです。ぜひ試してみてください!
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投稿者プロフィール
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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