「もう一人の自分」へと変わる瞬間──アイデンティティからの脱皮の物語

【はじめに】

「あれ?なんか最近、雰囲気変わった?」

そんなふうに言われたこと、ありませんか?
あるいは、自分でもふと「なんだか、前の自分と違うな」と気づく瞬間──。

人生には、知らないうちに“脱皮”しているときがあります。
まるで、へびが古い皮を脱ぎ捨てるように、私たちも“思い込み”や“役割”を手放し、新しい自分になっていくのです。

今回は、そんな“脱皮”の瞬間に焦点をあてた、2つのエピソードをご紹介します。
変化の裏にある感情、そして手放したものと手に入れたもの…。
それは、あなたの心にもそっと重なるかもしれません。

【アイデンティティとは?】

そもそも「アイデンティティ」とは、自分が「こういう人間だ」と信じている“自己認識”のこと。

たとえば、「理系は話が下手」とか、「女性は結婚して幸せになるべき」みたいな思い込み。
一見すると“自分らしさ”のようでいて、実は外から押しつけられた考え方だったりします。

では、もしその枠を取っ払ってみたら?
思いがけない自分と出会えるかもしれませんよ♪

【事例①:IT系エンジニアの“脱・ロジカル人間”】

30代の男性・Tさんは、都内のIT企業で働くエンジニア。
「効率が最優先」「感情は後回し」がモットーで、仕事の評価も上々。
ただ、ある時から、同僚や部下との関係がギクシャクし始めました。

「論理的にはこれが正解だろ?なんで納得しないんだ?」
そんなやりとりが増え、人間関係に疲弊…。

転機は、ある後輩からのひとこと。
「Tさんって、気持ちとか共感してくれること、ないですよね…」

その言葉にショックを受けたTさん。
自己啓発の本や心理学の動画を見るようになり、次第に「人の感情に寄り添うことの価値」に気づいていったそうです。

今では、チームミーティングでメンバーの気持ちを確認したり、雑談を大切にするように。
「仕事って、人とやるものだったんだな」って笑うTさんの姿は、まるで別人のようです。

手放したのは、「正しいことを言えば人は動く」という思い込み。
手に入れたのは、「関係性を育てる力」と「チームの一体感」でした。

【事例②:“理想の恋愛”にしがみついていた彼女の変化】

アパレル関連の仕事をしていたAさん(20代後半)は、ずっと「結婚するなら経済力がある人が一番!」と思っていました。
付き合う相手も、条件重視。ところが、2年付き合った“理想通り”の彼に、ある日突然フラれてしまいます。

理由は、「Aはいつも、何かを計算してる感じがする」…。

この言葉に、彼女はしばらく立ち直れなかったとか。
でもある時、友達にこう言われたそうです。

「本当は、自分の心を大事にしたいんじゃない?条件じゃなくて。」

その後、趣味のカフェ巡りを通して出会った男性と、ゆっくり距離を縮めていくうちに気づいたことがありました。

「私、“好き”って感情を素直に表現したこと、なかったな…」

今はその彼と、お金や肩書きよりも「気持ちを共有する」ことを大切にする関係を築いています。

彼女が手放したのは、「幸せになるには条件が必要」という固定観念。
そして手に入れたのは、「感情でつながる愛情」と「自分自身の心に正直でいる自由」。

【問いかけ:あなたは、どんな“脱皮”を経験しましたか?】

ここで、少し立ち止まって考えてみましょう。

・「こうあるべき」と信じていたけれど、やめてみたら楽になったことは?
・「変わりたい」と思いながらも、怖くて踏み出せなかったことは?
・周囲の誰かに「変わったね」と言われたとき、それはどんな変化でしたか?

“脱皮”には、痛みや戸惑いが伴うこともあります。
でもそれは、「本来の自分」と出会うための通過点なのかもしれません。

【にゃんこエピソード:うちのこむぎの大変身】

うちの猫「こむぎ」は、昔はものすごく気が小さくて、来客があるたびにベッドの下に隠れてばかりでした。
でもある日、ちょっとしたきっかけでお客さんにスリスリ…!?

「えっ、誰!?」と思うくらい、急に人懐っこくなったんです(笑)
環境や経験が変わると、にゃんこも“脱皮”するんだなって思いました。

人間も、きっとそう。小さなきっかけが、自分の可能性をぐんと広げてくれるんですよね♪

【まとめ:脱皮の痛みの先に、自由がある】

“脱皮”とは、ただの成長ではありません。
それは、過去の「こうあるべき」に別れを告げて、自分自身を再発見する旅です。

恐れや不安があったとしても、その先にはきっと、自分でも驚くような「自由な自分」が待っているはず。

今日ご紹介したTさんやAさんのように、あなたにも必ず“脱皮の瞬間”があったはずです。
そしてこれからも、きっとあるでしょう。

【次の学びのヒント】

・今の自分にとっての「思い込み」は何か、紙に書き出してみる
・「もしそれがなくなったら、どんな自分になれる?」と想像してみる
・人からのフィードバックを、“鏡”として受け取ってみる

次回は、「環境が変わると人はなぜ変わるのか?」をテーマに、もう一歩踏み込んでいきましょう!
ではまた、こむぎと一緒にお待ちしてます〜にゃ(=^・^=)♡


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投稿者プロフィール

田渕講師
田渕講師
セイ・コンサルティング・グループ株式会社専務取締役
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上
キャリアコンサルタント・産業カウンセラー
アンガーマネジメントファシリテーター、コンサルタント
ハッピーな人生を送る秘訣は「何事も楽しむ!」ことにあり。
一期一会を大切に、そして楽しく笑顔になる研修をミッションに!