【初心者でもわかる】金利を制する者は為替を制す!円安・円高のナゼ?を徹底解剖
こんにちは。ゆうせいです。
「記録的な円安!」「1ドル150円を突破!」
最近、こんなニュースをよく見かけませんか?
円安って聞くけど、私たちの生活にどう影響するのか、そしてそもそも、なぜ円安や円高が起きるのか、不思議に思いますよね。
実は、この為替の動きの裏には「金利」という、とても重要なプレイヤーが存在するのです。
今日は、新人エンジニアのあなたに向けて、金利がどのように為替を動かしているのか、その面白いメカニズムを分かりやすく解説していきます。
経済ニュースが、きっと今より10倍面白くなりますよ!
まずは基本から!「為替」と「円安・円高」って?
関係性を知る前に、まずは基本の言葉をおさらいしておきましょう。
為替(かわせ)とは?
為替とは、すごく簡単に言うと「異なる国のお金を交換すること」、そしてその時の「交換レート(比率)」を指します。
例えば、「1ドル = 150円」というのが為替レートです。これは「1アメリカドルと150日本円を交換できますよ」という意味ですね。
円安・円高とは?
では、「円安」「円高」とは何でしょうか?
これは、外国のお金(例えばドル)に対して、円の価値が安くなるか、高くなるかを示しています。
- 円安: 円の価値が「安く」なること。例: 1ドル = 100円 → 1ドル = 150円以前は100円で交換できた1ドルが、150円出さないと交換できなくなった状態です。円の価値が下がった、と言えますね。
- 円高: 円の価値が「高く」なること。例: 1ドル = 150円 → 1ドル = 100円以前は150円必要だった1ドルが、100円で交換できるようになった状態です。円の価値が上がった、と言えます。
ハンバーガーで例えると、「1個1ドル」のハンバーガーを買うのに、円安の時(1ドル150円)は150円必要ですが、円高の時(1ドル100円)は100円で済む、とイメージすると分かりやすいかもしれません。
本題!金利はなぜ為替を動かすのか?
お待たせしました!いよいよ本題です。
なぜ、国の金利の違いが、円安や円高を引き起こすのでしょうか。
ここでも一つ、想像してみてください。
あなたは100万円を持っていて、少しでも有利にお金を増やしたいと考えている投資家です。
目の前には、2つの選択肢があります。
- 日本の銀行に預金する: 金利は
年0.1%
- アメリカの銀行に預金する: 金利は
年5.0%
さあ、あなたならどちらの銀行にお金を預けたいですか?
…おそらく、ほとんどの人が「アメリカの銀行!」と答えるのではないでしょうか。
それもそのはず、100万円を1年間預けた場合にもらえる利息は、
- 日本の場合: 100万円 × 0.1% = 1,000円
- アメリカの場合: 100万円 × 5.0% = 50,000円
と、全く違ってくるのですから!
では、アメリカの銀行に預金するためには、まず何をする必要があるでしょう?
そう、持っている「日本円」を「アメリカドル」に両替(交換)しなければなりません。
ここで考えてみてください。
もし、あなたと同じように考える人が世界中にたくさんいたら、市場ではどんなことが起きるでしょうか?
- 「円を売って、ドルを買いたい!」という人が殺到します。
- その結果、「ドルが欲しい」という需要が非常に高まります。
- 逆に、「円を欲しい」という需要は減っていきます。
需要と供給の法則を思い出してください。人気のあるモノの価値は上がり、人気のないモノの価値は下がりますよね。
通貨も全く同じです!
みんなが欲しがるドルの価値は上がり、みんなが手放したがる円の価値は下がります。
この結果として起こるのが、「円安・ドル高」なのです。
これが、金利と為替の基本的な関係です!
- 原則: お金は、金利が低い国から高い国へと流れる。その結果、金利が高い国の通貨は買われて価値が上がり(通貨高)、金利が低い国の通貨は売られて価値が下がる(通貨安)。
この2つの国の金利の差を「金利差」と呼び、この差が大きければ大きいほど、お金の流れ、つまり為替を動かす大きな力になるのです。
為替が動くと、何が変わるの?メリット・デメリット
金利によって為替が動く仕組みは分かりました。
では、円安や円高は、私たちの生活や経済にどんな影響を与えるのでしょうか?
円安のとき
- メリット:
- 輸出企業が儲かる: 日本の自動車メーカーなどを想像してください。海外で車を1台「3万ドル」で売ったとします。
1ドル=100円
の時、売上は300万円ですが、1ドル=150円
の円安になれば、同じ1台でも売上は450万円になります! - 海外からの観光客が増える: 外国人から見れば、日本のモノやサービスが安く感じられるため、日本へ旅行に来やすくなります。
- 輸出企業が儲かる: 日本の自動車メーカーなどを想像してください。海外で車を1台「3万ドル」で売ったとします。
- デメリット:
- 輸入品の値段が上がる: 日本は石油や小麦など、多くのものを輸入に頼っています。円安になると、これらの輸入品の値段が上がり、ガソリン代や食料品の価格が上昇する原因になります。
- 海外旅行が高くなる: 私たちが海外旅行に行くときは、円を外貨に交換します。円安だと、より多くの円を支払わないと同じ額の外貨を手に入れられないため、旅行費用が高くつきます。
円高のとき
円高のメリット・デメリットは、基本的に円安の逆になります。
- メリット:
- 輸入品の値段が下がる: 海外ブランドの製品や、輸入食品などが安く手に入るようになります。
- 海外旅行が安くなる: より少ない円で外貨に両替できるため、お得に海外旅行を楽しめます。
- デメリット:
- 輸出企業は厳しい: 円安とは逆に、海外での売上が円に換算すると減ってしまいます。
- 海外からの観光客が減る: 日本での滞在費が割高に感じられるため、観光客が減ってしまう可能性があります。
今後の学習のために
金利と為替の関係、非常にロジカルで面白いと思いませんか?
エンジニアであるあなたなら、この知識をさらに技術と結びつけて深めることができます。
- 為替レートAPIを使ってみる: リアルタイムの為替レートを取得できるAPIはたくさんあります。それを使って、価格の変動を可視化するWebアプリケーションや、特定のレートになったら通知してくれるツールなどを作ってみてはいかがでしょうか。
- 時系列データ分析: 過去の為替レートと各国の政策金利のデータを集めて、その相関関係を統計的に分析してみるのも面白いでしょう。Pythonのライブラリ(Pandas, Matplotlibなど)を使えば、本格的な分析が可能です。
- 国際金融の理論を学ぶ: 為替レートが決まる要因は金利だけではありません。「購買力平価説」や「金利平価説」といった経済学の理論を学ぶと、より多角的な視点から為替の動きを理解できるようになります。
まずは、ニュースでアメリカやヨーロッパの中央銀行が金利をどうするか、というニュースに注目してみてください。その発表を受けて、為替レートがどう動くかを実際に見てみると、今日学んだことがリアルに体感できるはずです。
経済の大きな流れを読むための、強力な武器を手に入れましたね!
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投稿者プロフィール
- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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