【要注意!】Thymeleafにおけるnullチェックの必要性とは?丁寧に解説します
こんにちは。ゆうせいです。
今回は、Javaのテンプレートエンジン「Thymeleaf(タイムリーフ)」におけるnullチェックの必要性について詳しく解説していきます。
「値がnullでも動くんじゃないの?」
「わざわざnullかどうかチェックする理由って何?」
そう思っている新人エンジニアの方に向けて、Thymeleafでnullを放置するとどうなるか、そしてどう防ぐか、例を交えて丁寧にお伝えします!
そもそもThymeleafとは?
まず軽くおさらいしましょう。
Thymeleafは、Spring Bootでよく使われるHTMLテンプレートエンジンです。
HTMLファイルに直接変数や条件分岐を埋め込むことができるため、JavaとHTMLの橋渡し的存在です。
テンプレート内で使う変数はJavaから渡されてきますが、Java側でnullの可能性がある値も使われるため、nullチェックが欠かせないのです。
nullチェックが必要な理由
理由1:nullアクセスでレンダリングエラーが起こる
以下のようなコードがあるとします。
<p th:text="${user.name}">名前</p>
ここで、${user}
がnullだった場合、どうなると思いますか?
→ org.springframework.expression.spel.SpelEvaluationException
が発生し、テンプレートの描画(HTML生成)が途中で止まってしまいます。
つまり、ユーザーに白紙ページや500エラーが表示されてしまう可能性があります。
理由2:テンプレートの安定性が損なわれる
Webページにとって「落ちないこと」は命です。
ちょっとしたnullの見落としが、プロダクト全体の信頼性を落としてしまいます。
例えるなら、テーブルの脚が1本グラグラしている状態で大勢を招くようなものです。
1ヶ所のnullで全体が崩れる可能性があるからこそ、チェックは必須です。
nullチェックの書き方【実践例】
条件式でのチェック(最も基本)
<p th:if="${user != null}" th:text="${user.name}">名前</p>
このように、先にuser
がnullでないことを確認してから使うことで、エラーを防げます。
Elvis演算子(?:)を使う
<p th:text="${user?.name ?: '名前未登録'}"></p>
この書き方では、user.name
がnullなら「名前未登録」と表示されます。
この「?:
」のような演算子をElvis(エルビス)演算子と呼びます。
なぜElvisかというと、?:
がエルビス・プレスリーの顔文字に見えるから……だそうです!
h3: 安全ナビゲーション演算子(?.)も活用!
<p th:text="${user?.address?.city}">都市</p>
ここでは、user
やaddress
がnullであっても安全にチェックできます。
JavaのOptional
のようなものですね。
th:unless でnullのときの表示を変える
<p th:if="${user != null}" th:text="${user.name}">名前</p>
<p th:unless="${user != null}">ユーザー情報が存在しません</p>
ifとunlessをセットで使うことで、nullのときも丁寧に対応できます。
よくある落とし穴
nullでない「空文字」や「空リスト」に注意!
nullではないけれど中身が空、というパターンも多いです。
<ul th:if="${users != null and !#lists.isEmpty(users)}">
<li th:each="u : ${users}" th:text="${u.name}"></li>
</ul>
上記のように「リストが空でない」ことまで確認すれば、余計な空のリスト描画を防げます。
nullチェックしないと何が起こるか?(まとめ)
チェックしない場合のリスク | 説明 |
---|---|
テンプレートエラー | 描画に失敗して画面が真っ白になる可能性あり |
ユーザー体験の低下 | エラーメッセージが表示されてしまう |
ログが荒れる | SpelEvaluationException でログが埋まる |
再現しにくいバグ発生 | 条件付きnullは本番でしか起きないことも |
今後の学習のヒント
Thymeleafのnullチェックをしっかり身につけたら、次は次のようなテーマにチャレンジしてみましょう!
#lists
,#strings
,#maps
などThymeleafのユーティリティオブジェクト- th:object や th:field を使ったフォームバインディング
Optional
型との連携方法(Java側でのnull対策)- カスタムダイアレクトで条件処理を簡潔に
テンプレートは「ユーザーに見える最終地点」です。
そこを安定させる力があるエンジニアは、信頼されますよ!
他にも「この条件どう書けばいい?」など質問があれば、何でも聞いてくださいね!
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