プラトン・カント・ニーチェで学ぶ!新人エンジニアのための「哲学」入門
こんにちは。ゆうせいです。
哲学って聞くと、「難しそう」「仕事に関係あるの?」と思うかもしれません。でも実は、哲学の考え方はエンジニアリングの基礎体力になるんです。
今回は、西洋哲学の代表的な3人、プラトン、カント、ニーチェの系譜を通じて、「考える力」「問いを立てる力」「価値を見直す力」の3つの視点を学びましょう。
なぜエンジニアが哲学を学ぶのか?
少し想像してみてください。
- 論理的なコードを書けても、「なぜその仕様なのか?」が説明できない
- フレームワークを覚えても、変化への対応ができない
- 目の前のバグは直せても、「そもそも設計は正しかったのか?」と問えない
こうした「深く考える力」こそが、哲学的思考の力です。
たとえば、哲学とは「物事の本質を問い続ける姿勢」です。コードのバグも、技術選定も、設計思想も、全部「なぜ?」と問うことで良くなっていきます。
プラトン:目に見えない「本質」を追い求めよ
● 誰?
紀元前4世紀ごろの古代ギリシャの哲学者。ソクラテスの弟子で、アリストテレスの師匠です。
● 何を考えた?
プラトンは「イデア論」を唱えました。これは、「この世のすべてには目に見えない“理想の型”がある」という考え方です。
たとえば?
- コードの書き方に「理想形」があると考えること
- 設計パターンは「現実のコード」に対するイデアとも言えます
キーワード:イデア
- ギリシャ語で「形・理念」
- 目の前にあるのは「不完全な模倣」でしかない
エンジニア的解釈:
理想的なアーキテクチャ(イデア) ← 実際のコード(現実世界)
つまり、設計の際に「理想」を想像する力を育てることが、良いソフトウェアの第一歩になるわけですね。
カント:人間の認識は世界をどう作っているか?
● 誰?
18世紀ドイツの哲学者。プラトンの流れを継ぎつつも、まったく新しい考え方を提案しました。
● 何を考えた?
カントは「人間は世界をそのまま見ることはできない」と言いました。
え、どういうこと?と思いますよね。
例え話:
あなたがVRゴーグルをかけているとします。あなたが見ている世界は、ゴーグル(人間の認識能力)を通して加工された世界なんです。
カントはこれを、「物自体(ものそのもの)と現象(私たちに見えているもの)」と呼び分けました。
キーワード:物自体(ものじたい)
- 本当の世界の姿
- 私たちには直接は知覚できない
エンジニア的解釈:
APIの裏側にある本当のビジネスロジック(物自体) ← JSONレスポンス(現象)
つまり、見えている情報(現象)だけに頼らず、その背後にある「前提」「ルール」「設計思想(物自体)」を考えることが重要、ということですね。
ニーチェ:常識を疑い、自分の価値を作り出せ!
● 誰?
19世紀ドイツの哲学者。キリスト教や既存の道徳を徹底的に批判し、「新しい価値を創ること」が大事だと唱えました。
● 何を考えた?
ニーチェは「神は死んだ」という有名な言葉を残しました。これは「人々が従ってきた絶対的な価値(=神)は、もはや意味を持たない」という意味です。
キーワード:価値の再評価(ルサンチマンからの脱却)
- 他人に決められた「正しさ」ではなく
- 自分で価値を決めて生きよう
エンジニア的解釈:
「この会社ではずっとこの方法だから」が正しいとは限らない。
自分でベストなやり方を考えること。
もう一つのキーワード:超人
- ルールに縛られず、自分の力で世界を創り直せる人
3人の哲学の違いを図で整理!
哲学者 | 考えの中心 | 目指す力 | エンジニア的意味 |
---|---|---|---|
プラトン | 理想(イデア) | 想像力・理想設計力 | 美しい設計、理想の構造を描く力 |
カント | 認識の構造 | 分析力・構造理解 | ユーザー視点・仕様の深読み |
ニーチェ | 価値の創造 | 批判力・創造力 | 既存ルールにとらわれず再設計する力 |
哲学をどう仕事に生かすの?
- 設計レビューで「なぜこの形が最適か?」を説明できる(プラトン)
- ユーザーが本当に見ているものを想像できる(カント)
- 「古いやり方」にとらわれず、新しい方法を提案できる(ニーチェ)
どれも、優れたエンジニアに欠かせないスキルです。
今後の学習の指針
これからもっと哲学的な視点を深めたいなら、以下の順で学ぶと効果的です。
- ソクラテス→プラトン→アリストテレスと続く古代哲学の「問いの立て方」を学ぶ
- カント→ヘーゲル→マルクスで「人間と社会の認識構造」を学ぶ
- ニーチェ→ハイデガー→サルトルで「存在と自由」について考える
特に、コードを書く理由を考える力が身につくと、エンジニアとしての視野がぐっと広がりますよ!
哲学は遠くにある話ではありません。「なぜそうするのか?」と問うことそのものが、もう哲学なのです。
これからも一緒に考えていきましょう!質問があれば、いつでもどうぞ。
では、また次のテーマでお会いしましょう!
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投稿者プロフィール

- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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