交差エントロピーとKLダイバージェンスはどちらがより多く使われている?

こんにちは。ゆうせいです。

ディープラーニングの学習を進めていると、必ず出会うのがこの二つの言葉ですね。

「結局、どっちを覚えればいいの?」という疑問、非常によくわかります。

結論からお伝えすると、AI開発の現場で圧倒的に「名前をよく見かける」のは交差エントロピーです!

しかし、実はこの二つは「親戚」どころか、双子のようにそっくりな関係にあります。

なぜ交差エントロピーが主役の座にいるのか、その背景をスッキリ整理していきましょう。

交差エントロピーが「現場の主役」である理由

私たちがディープラーニングのモデルを作るとき、その目的は「AIの予測を正解に近づけること」ですよね。

この「ズレ」を計算するための尺度(損失関数)として、最も一般的なのが交差エントロピーです。

ここで、専門用語を高校生でもわかるように解説します。

  1. 損失関数(そんしつかんすう)AIの出した答えが、正解とどれくらい「間違っているか」を数値にするための計算式です。
  2. 確率分布(かくりつぶんぷ)どの選択肢がどれくらいの確率で起こるかを表した「グラフの形」のようなものです。

交差エントロピーが多用される最大の理由は、計算がシンプルで、AIが間違いを修正するスピード(学習効率)が非常に速いからです。

特に「犬か猫か」を当てるような分類問題では、ほぼ100パーセントと言っていいほど交差エントロピーが使われています。

KLダイバージェンスは「裏の司令塔」

では、KLダイバージェンスは使われないのかというと、そんなことはありません。

KLダイバージェンスは、二つの確率分布が「どれくらい似ているか」を測るための、より純粋な数学的指標です。

実は、次のような魔法の方程式が成り立っています。

交差エントロピー = (正解の複雑さ) + KLダイバージェンス

正解(教師データ)の複雑さは学習中に変わらないため、交差エントロピーを最小にしようと努力することは、自動的にKLダイバージェンス(分布のズレ)を最小にすることと同じになるのです。


それぞれのメリットとデメリット

どちらが優れているかではなく、使いどころが違います。

交差エントロピーのメリット

  • 分類問題(画像認識など)において、計算が非常に楽。
  • ほとんどのAI開発ツール(PyTorchやTensorFlowなど)で標準装備されている。

KLダイバージェンスのメリット

  • 「分布そのもの」を似せたいときに強力。
  • 例えば、生成AI(VAEなど)で「データの生成ルール」を学習させる際に不可欠。

どちらが多く使われているかの比較

場面交差エントロピーKLダイバージェンス
一般的な画像・文字認識◎(ほぼこれ)
生成AI・高度な統計モデル
初心者が最初に学ぶべき度★★★

まとめ:まずは交差エントロピーをマスターしよう

いかがでしたか?

実務でプログラムを書く段階では、交差エントロピーを使いこなせれば困ることはほとんどありません。

  • 交差エントロピーは、分類問題の「損失関数」として世界中で使われている。
  • KLダイバージェンスは、二つの分布の「距離」を測る本質的な物差し。
  • 学習の計算上は、この二つは本質的に同じ方向を向いている。

さて、ここであなたに質問です。

あなたが今作ろうとしている(あるいは興味がある)AIは、何かを「分類」するものですか? それとも何か新しいものを「生成」するものですか?

もし分類なら、迷わず交差エントロピーを選んでくださいね!

今後の学習の指針

交差エントロピーに慣れてきたら、ぜひ「情報量」という言葉を調べてみてください。

なぜ「エントロピー(乱雑さ)」という言葉が使われているのか、その歴史的な背景が見えてくると、数学が物語のように楽しくなりますよ。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。

学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。