内的動機づけと外的動機づけを情報システムに応用する方法

こんにちは。ゆうせいです。

今回は、内的動機づけと外的動機づけを情報システムに応用する方法について解説します。内的動機づけと外的動機づけは、人が何かをやろうとする動機の違いを指します。情報システムでも、この2つの動機づけをうまく利用することで、ユーザーの利用促進や定着率向上につなげることができます。

それでは、それぞれの動機づけがどのようなものか、そして情報システムにどのように活かせるかを見ていきましょう!


内的動機づけとは?

内的動機づけ(Intrinsic Motivation)は、行動そのものが楽しい、興味深い、自分にとって意味があると感じることによって生まれる動機づけです。例えば、「新しいことを学ぶのが楽しい」「ゲームそのものが面白い」といった感情が内的動機づけに当たります。内的動機づけは、外部からの報酬がなくても、個人が主体的に行動するエネルギーとなります。

情報システムにおける内的動機づけの応用

内的動機づけを促すには、システムの設計や機能自体にユーザーの「楽しさ」や「成長感」を組み込むことが重要です。

内的動機づけを引き出すための工夫
  1. ゲーム要素の導入(ゲーミフィケーション)
  • ゲーミフィケーションは、ゲームのような要素を取り入れることでユーザーが楽しみながらシステムを利用できるようにする手法です。例えば、タスクを達成するごとにポイントが貯まる、レベルアップする、ミニゲーム要素があるなどの仕組みが挙げられます。
  1. 自己成長の実感
  • 例えば、学習アプリでは進捗をリアルタイムで確認できるダッシュボードや、達成度を可視化するグラフを用意することで、ユーザーが自分の成長を感じられるようにします。また、過去の記録を確認できる機能を追加することで、「続けてきた努力が結果に結びついている」とユーザーが実感できます。
  1. 創造性を発揮できる場の提供
  • クリエイティブな活動ができる情報システムも、内的動機づけに結びつきやすいです。例えば、写真や動画編集アプリであれば、さまざまな編集ツールやエフェクトを使ってオリジナル作品を作成できる機能があると、ユーザーが創造性を発揮しやすくなります。

外的動機づけとは?

外的動機づけ(Extrinsic Motivation)は、外部から与えられる報酬や評価があるために生じる動機づけです。たとえば、「褒められるから頑張る」「報酬がもらえるからやる」といった行動が外的動機づけに基づきます。特に、結果に対して何らかの見返りが得られることを期待することで行動に移すのが外的動機づけです。

情報システムにおける外的動機づけの応用

外的動機づけを促進するには、ユーザーが行動することで報酬や認められる機会を提供することが効果的です。

外的動機づけを引き出すための工夫
  1. 報酬システムの導入
  • ポイントやバッジを付与するシステムは、ユーザーに達成感や満足感をもたらします。例えば、勉強アプリで学習時間に応じてポイントが貯まる、運動アプリで一定距離を走るとメダルがもらえる、といった報酬システムを導入することで、ユーザーが継続的に使用する動機になります。
  1. ランキングや評価機能
  • 他のユーザーと比較できるランキング機能や、投稿や成果物に対する「いいね」「高評価」などのフィードバックは、ユーザーがシステムを利用する意欲を高めます。SNSやオンラインゲームでは、ランキングや「称号」のようなシステムを用いることで、外的な要因でのやる気を引き出しています。
  1. 特典の提供
  • 外的動機づけをさらに強化するため、ユーザーが特定の条件をクリアすると、クーポンや割引、特別なコンテンツへのアクセス権などの特典が得られる仕組みも有効です。たとえば、電子書籍アプリでの連続ログインによる特典や、一定のレベル到達で限定アイテムがもらえる機能が考えられます。

内的動機づけと外的動機づけを組み合わせた情報システムの例

実際には、内的動機づけと外的動機づけをうまく組み合わせることで、さらに効果的な情報システムが作られます。

例:健康管理アプリ

  • 内的動機づけの要素
  • グラフやダッシュボードで日々の健康状態の変化が見えるようにし、自己成長を実感させる。
  • 日記やメモ機能を使って自分の気持ちや健康状態を記録し、内的な満足感を得られる。
  • 外的動機づけの要素
  • 毎日の目標達成でポイントが貯まり、一定量貯まると商品と交換できるシステム。
  • 他のユーザーと成果を比較できるランキング機能や、一定期間での成績上位者にバッジを付与する機能。

例:オンライン学習プラットフォーム

  • 内的動機づけの要素
  • 学習の進捗状況がリアルタイムで確認でき、自己成長を感じられるダッシュボード。
  • カスタマイズできる学習計画機能により、学習の達成感をユーザーが得やすくする。
  • 外的動機づけの要素
  • コースを修了すると証明書がもらえる、成績優秀者に特典がある。
  • 毎日ログインボーナスとしてクーポンや追加コンテンツが提供され、モチベーションを保てる。

まとめ:内的動機づけと外的動機づけを引き出すためのポイント

動機づけの種類情報システムでの具体的な手法
内的動機づけゲーミフィケーション、進捗可視化、自己成長の実感
外的動機づけ報酬システム、ランキング・評価機能、特典・限定アイテム

今後の学びに向けて

内的動機づけと外的動機づけの違いを理解し、それぞれを情報システムの設計に取り入れることで、ユーザーが自発的に継続利用したくなる仕組みを作ることができます。次に学ぶ際には、これらの動機づけがどのようなユーザー体験を生み出しているのか、具体的な事例を調査しながら理解を深めていくと良いでしょう。モチベーション理論や心理学の視点を活用することで、ユーザー中心の情報システム設計がさらに充実します。

それでは、次回も一緒に学んでいきましょう!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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