厚生年金はただの「天引き」じゃない?給料明細のマイナスをプラスに変える仕組み
こんにちは。ゆうせいです。
毎月の給料日、振り込まれた金額を見て「やった!」と喜んだあと、給与明細の「控除」の欄を見てため息をついたことはありませんか。
特に金額が大きいのが「厚生年金保険料」です。
「なんでこんなに引かれるの?」「将来本当にもらえるの?」と、不安や不満を感じるのも無理はありません。手取りが減るのは誰だって嫌なものです。
でも、もしこの保険が、実は「会社が半分お金を出してくれる、めちゃくちゃお得な積立投資」だとしたらどうでしょうか。
今回は、会社員の特権とも言える「厚生年金保険」について、その仕組みとメリット・デメリットを、高校生でもわかるように噛み砕いて解説します。
そもそも厚生年金ってなに?
日本の年金制度は、よく「2階建ての家」に例えられます。ここを理解するのが最初のステップです。
1階部分:国民年金(基礎年金)
日本に住む20歳以上60歳未満の全員が入る、土台となる部分です。自営業の人や学生もここに入っています。全員一律の保険料で、将来もらえる額も基本的には一律です。
2階部分:厚生年金
これが、会社員や公務員だけが乗っかることができる「2階部分」です。
会社に入ると、自動的にこの2階建てセットに加入することになります。つまり、給与明細で引かれている厚生年金保険料には、実は「1階の国民年金」の料金も含まれているのです。
イメージとしては、ハンバーガー単品(国民年金)だけを頼むのが自営業、ハンバーガーにポテトとドリンクがついたセット(厚生年金)を頼めるのが会社員、といったところでしょうか。
保険料はどうやって決まる?「労使折半」の魔法
では、毎月引かれる金額はどうやって計算されているのでしょうか。
国民年金は定額ですが、厚生年金は「給料が高い人ほど多く払う」というルールになっています。
計算式はシンプルです。
あなたの保険料 標準的な給料
保険料率
2
ここで重要な数字が出てきます。現在の保険料率は 18.3% です。
「えっ、給料の約2割も取られるの?」と驚かないでください。ここで登場するのが、会社員最強のメリット「労使折半(ろうしせっぱん)」です。
この 18.3 のうち、あなたが払うのは半分の 9.15% だけ。残りの半分は、会社が負担して国に払ってくれているのです。
例えば、月給30万円の人で考えてみましょう。本来払うべき保険料はこれくらいです。
30万円 0.183
5万5000円
もし自腹なら毎月5万5000円も払わなければなりませんが、実際には会社が半分払ってくれるので、給与明細から引かれるのは約2万7500円で済むのです。
自分個人の貯金で、誰かが勝手に倍額を入金してくれる銀行なんてありませんよね。厚生年金は、加入しているだけで利回りが約束されているようなものなのです。
老後だけじゃない!3つの「守る力」
年金というと「おじいちゃんおばあちゃんになってからもらうお小遣い」というイメージが強いですが、実はそれだけではありません。厚生年金には3つの守る力があります。
1. 老齢年金(ろうれいねんきん)
これが皆さんのイメージする年金です。原則65歳から受け取れます。1階部分(国民年金)に加えて、現役時代の給料に応じた2階部分が上乗せされるので、自営業の人よりも受取額が多くなります。
2. 障害年金(しょうがいねんきん)
もし事故や病気で働けなくなってしまった時に受け取れるお金です。ここでも厚生年金は強力です。国民年金だけの人よりも、「より軽い障害の状態」でもお金がもらえるなど、カバー範囲が広いのが特徴です。
3. 遺族年金(いぞくねんきん)
万が一、あなたが亡くなってしまった時に、残された家族(配偶者や子供)に支払われるお金です。つまり、生命保険のような役割も果たしています。
メリットとデメリットを整理しよう
ここまで良い面を中心にお話ししましたが、もちろんデメリットもあります。公平に見ていきましょう。
メリット
- 会社が半額負担してくれる: 実質的に、支払った額の倍額が積み立てられている計算になります。
- 保障が手厚い: 老後だけでなく、障害や死亡のリスクにも備えられます。
- 物価スライド: 将来インフレが起きてお金の価値が下がっても、ある程度は支給額が調整されます(完全に連動するわけではありませんが)。
デメリット
- 現役時代の手取りが減る: 毎月のキャッシュフローが悪くなるのは事実です。
- 世代間扶養である: 私たちが払った保険料は、自分のために積み立てられるのではなく、今の高齢者の年金に使われます。「自分がもらう頃には減っているんじゃないか」という不安は消えません。
- やめられない: 会社員である限り、強制加入です。「俺は投資が得意だから年金はいらない」という選択はできません。
まとめ
今回は、厚生年金保険について解説しました。
- 厚生年金は、国民年金(1階)の上に乗る「2階部分」である
- 保険料は給料によって決まるが、半分は会社が払ってくれる(労使折半)
- 老後だけでなく、障害を負った時や死亡時の保険代わりにもなる
給与明細のマイナス部分を見るたびに心が痛むかもしれませんが、「これは会社が半分プレゼントしてくれている将来への仕送りだ」と考えてみてください。そうすれば、少しだけ見え方が変わるかもしれません。
今後の学習の指針
厚生年金について理解できたら、次は「iDeCo(イデコ)」や「企業型DC(確定拠出年金)」について調べてみてください。
これらは、国や会社に任せる1階・2階部分とは違い、自分で運用して作る「3階部分」の年金です。税金が安くなるメリットもあるので、手取りを増やしつつ将来に備えたい方には必見のテーマですよ。
それでは、またお会いしましょう。
セイ・コンサルティング・グループでは新人エンジニア研修のアシスタント講師を募集しています。
投稿者プロフィール
- 代表取締役
-
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。
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