将来の自分への投資!国民年金の「任意加入」と「追納」をマスターしよう
こんにちは。ゆうせいです。
新人エンジニアのみなさんに向けて、技術研修だけでなく、社会人としてのお金のリテラシーを伝えるのも講師の大切な役割ですよね。
特に「年金」の話は、若い彼らにとって「遠い未来のことで実感がわかない」という反応が返ってきがちです。しかし、実は入社した直後の今だからこそ、知っておくべきお得な制度があるのをご存知でしょうか?
それが、国民年金の「追納制度」と「任意加入」です。
今回は、この2つのキーワードを武器に、賢いエンジニアライフのスタートダッシュを切るための知識を整理していきましょう。
なぜ今、年金の話が必要なのか
まず、彼らにこう問いかけてみてください。
「学生時代、国民年金の支払いを待ってもらっていませんでしたか?」
多くの学生は「学生納付特例制度」を利用して、年金の支払いを猶予されています。これは「免除」ではなく、あくまで「猶予」、つまり「後回し」にしている状態です。
このまま放置すると、将来受け取れる年金額が減ってしまいます。そこで登場するのが、過去の分を取り戻す「追納」と、未来の不足を補う「任意加入」です。
タイムマシンのような「追納制度」
追納とは、文字通り「過去に払えなかった分を、あとから納めることができる」制度です。
制度の仕組み
通常、年金保険料は納期限から2年を過ぎると時効で納められなくなります。しかし、学生納付特例などで猶予を受けていた期間に限っては、過去10年前まで遡って支払うことができます。
例えるなら、ゲームのセーブデータをロードして、取り逃がしたアイテム(年金受給権)を回収しに行くようなものです。
専門用語解説:所得控除
ここで、エンジニアのみなさんに一番響くメリットを伝えましょう。それが「所得控除」です。
所得控除とは、税金の計算のもとになる利益(所得)から、特定の支出を差し引いてくれる仕組みのことです。追納した保険料は、その全額が「社会保険料控除」の対象になります。
わかりやすく計算式でイメージしてみましょう。
課税される所得 追納した年金保険料 税金計算の基準額
この「基準額」が小さくなればなるほど、支払う所得税や住民税が安くなります。つまり、追納は単に老後の年金を増やすだけでなく、今の節税対策としても非常に優秀なツールなのです。
入社数年目で給与が上がり、税金が高くなってきたタイミングで追納を行うと、節税効果を最大化できます。
延長戦を戦う「任意加入制度」
次に「任意加入」についてです。これは少し先の話になりますが、キャリアプランを考える上で重要な知識です。
制度の仕組み
国民年金は、原則として20歳から60歳までの40年間加入する義務があります。しかし、様々な事情で40年に満たない場合、60歳から65歳までの間に自ら申し出て加入し、保険料を納めることができます。これが任意加入です。
例えるなら、40年という試合時間で満点(満額の年金)が取れなかった場合に、ロスタイムや延長戦を申請して、点数を稼ぎに行くイメージです。
海外で働くエンジニアにとっての任意加入
実は、この制度は「海外転出時」にも使えます。
エンジニアなら、将来シリコンバレーや海外の拠点で働きたいという人もいるでしょう。日本国籍の方が海外に住む場合、国民年金の加入義務はなくなります。しかし、将来日本に戻ってくるつもりなら、海外在住期間中も「任意加入」をして納付を続けることで、将来の年金額を減らさずに済みます。
メリットとデメリットの整理
制度を利用するかどうか判断するために、良い点と注意点を整理して伝えましょう。
追納のメリット
- 将来受け取る老齢基礎年金の額を満額に近づけることができる。
- 支払った全額が社会保険料控除の対象になり、その年の税金が安くなる。
追納のデメリット
- 手元の現金が減る(キャッシュフローへの影響)。
- 3年度以上前の分を追納する場合、当時の保険料に一定の加算額(利子のようなもの)が上乗せされる。
任意加入のメリット
- 納付期間の不足分を補い、年金受給額を増やせる。
- 万が一の怪我や病気に備える「障害基礎年金」の対象期間を確保できる(未加入期間に事故に遭うと受給できないリスクがある)。
任意加入のデメリット
- 会社負担がないため、全額自己負担となる。
- 原則として口座振替かクレジットカード納付になる。
研修での伝え方と今後の指針
新人エンジニアのみなさんには、まず「ねんきんネット」への登録を促しましょう。
自分の年金記録がどうなっているのか、追納できる期間がどれくらい残っているのかをスマホで確認すること。これが第一歩です。
そして、締めくくりにはこう伝えてあげてください。
「技術の勉強も大切ですが、自分を守る制度を知ることもエンジニアとしての生存戦略の一つです。特に『追納』は、10年というタイムリミットがあります。給与明細を見て税金が高いなと感じたら、この制度のことを思い出してください!」
お金の知識で防御力を高め、安心して技術研鑽に励めるようサポートしてあげましょう。