Java経験者がPHPでハマる10選の10 「実行環境の違い」

んにちは。ゆうせいです。

Javaをしっかり学んだ人がPHPに移行すると、「似てるはずなのに全然感覚が違う!」と驚くことが多いんです。
同じオブジェクト指向言語ですが、設計思想や実行環境、型の扱い方などがかなり異なります。
Java経験者がPHPを学ぶときにハマりやすいポイントを10個にまとめ、具体的な解説と回避方法をお伝えしています。

最後の10つ目「実行環境の違い」です。


実行環境の違い

JavaとPHPは同じ「プログラミング言語」ですが、実行までのプロセスと動作環境がまったく違うため、開発の流れやデバッグの仕方も大きく変わります。
Java経験者がPHPに来ると「え、コンパイルしないの?」や「サーバーに置くだけで動くの?」という感覚の違いに驚きます。


実行方式の比較

項目JavaPHP
実行形式コンパイルしてバイトコード生成(.class)スクリプトをインタプリタで直接実行
実行環境JVM(Java Virtual Machine)PHPインタプリタ(CLI / Webサーバー経由)
主な用途常駐アプリ、Webアプリ(サーバーサイド)、AndroidWebアプリ(サーバーサイド)、CLIスクリプト
デプロイ方法jar/warビルド→JVM上で実行PHPファイルをサーバーに置く
エラー検出コンパイル時+実行時実行時のみ
長時間動作サーバー常駐リクエストごとに終了(Web)

Javaの実行プロセス

  1. .javaファイルをコンパイルして.classファイルを作成
  2. JVMが.classを読み込み実行
  3. 必要に応じて最適化(JITコンパイル)

PHPの実行プロセス

  1. .phpファイルをサーバーやCLIで呼び出す
  2. PHPインタプリタがファイルをパース・実行
  3. Webならレスポンス返却後にプロセス終了(状態リセット)

ハマりポイント1:型エラーが実行時まで発覚しない

Javaはコンパイル時に型チェックがありますが、PHPは動的型付け+インタプリタなので、実際にそのコードが実行されるまでエラーがわかりません。

function add(int $a, int $b): int {
    return $a + $b;
}

echo add("apple", 3); // strict_types=0なら実行される


ハマりポイント2:常駐とリクエスト単位の違い

  • Javaは常駐プロセス型(サーバーが立ち上がり続ける)
  • PHP(Web)は1リクエストごとに終了するため、状態を保持しない
  • 状態管理はセッションやデータベース、キャッシュで行う必要がある

ハマりポイント3:依存管理

  • JavaはMavenGradleで依存解決
  • PHPはComposerでパッケージ管理
  • フォルダ構造や依存解決の考え方は似ているが、動的読み込みの自由度はPHPのほうが高い

イメージで理解する

  • Java:ホテルのレセプション(24時間常駐スタッフがいて、宿泊者のデータを持ち続ける)
  • PHP:セルフ式レンタルルーム(毎回掃除されて真っさらになり、履歴は別の台帳に保存)

実務での推奨

  1. 型エラーや未定義変数は静的解析ツール(PHPStan, Psalm)で事前検出
  2. 長期実行処理はCLIモードやSwooleのような常駐型フレームワークを検討
  3. 状態保持が必要な場合はセッション・DB・キャッシュを設計段階から組み込む

これでJava経験者がPHPでハマる10選の詳細解説が揃いました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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