MM理論とは?企業の資本構成を考える基本理論を解説!
こんにちは。ゆうせいです。
今回は「MM理論(モディリアーニ・ミラー理論)」について、新人エンジニアでも理解できるように解説します!MM理論は、企業の資本構成(負債と株式の比率)が企業価値に与える影響を説明するものです。
「企業は借金が多いほうがいいの?それとも自己資本が多いほうがいいの?」といった疑問を考えるときに、MM理論が役立ちます。では、一緒に学んでいきましょう!
MM理論とは?基本の考え方
MM理論は、経済学者フランコ・モディリアーニとメルトン・ミラーが提唱した企業財務に関する理論です。この理論には以下の2つの命題(定理)があります。
- 第一命題(企業価値の独立性)
- 企業価値は資本構成(負債と株式の比率)に関係なく決まる。
- つまり、借金(負債)を増やしても、株式を増やしても、会社の価値自体は変わらない。
- 第二命題(資本コストの関係)
- 企業の負債比率が上がると、株主が求めるリターン(株式コスト)も上がる。
- 借金が増えれば企業のリスクが高まり、投資家はより高い利益を要求するため。
この理論は、特定の条件下では資本構成をどう変えても企業価値は一定であると主張しています。これは驚きの結論ですね!
MM理論の前提条件
MM理論は、以下のような仮定のもとで成立します。
- 無税環境(法人税がない)
- 情報の非対称性がない(すべての投資家が同じ情報を持つ)
- 取引コストがない(株式や債券の売買にコストがかからない)
- 投資家がレバレッジを自由に使える(投資家自身が借金できる)
現実世界ではこれらの仮定が完全には成り立たないため、MM理論の適用には限界もあります。
MM理論の第一命題:資本構成は企業価値に影響しない
MM理論の第一命題では、「企業価値は資本構成によって変わらない」と述べています。なぜでしょうか?
例えで理解しよう
企業Aと企業Bがあり、どちらも時価総額100億円の会社だとします。
- 企業A:全額自己資本(エクイティ)で運営
- 企業B:50億円を負債(デット)、50億円を自己資本で運営
MM理論によれば、企業Aと企業Bの資本構成が違っても、企業価値は100億円のまま変わらないとされます。
これは、「投資家は自分で借金してレバレッジをかけることができる」ため、企業側がどう資金調達しても変わらないという考え方に基づいています。
MM理論の第二命題:負債比率と株式コストの関係
MM理論の第二命題では、「負債比率が上がると、株式コストも上がる」としています。つまり、借金が増えると、投資家は企業のリスクが高いと感じるため、より高いリターンを要求するのです。
簡単に言うと、「借金が増えるほど、株主はより高いリターンを要求する」ということです。
MM理論の限界:現実世界との違い
MM理論はシンプルで分かりやすいですが、実際の企業経営では完全には当てはまりません。その理由をいくつか紹介します。
1. 法人税の存在
企業が借金をすると、利息が税金の控除対象になる「税盾(タックスシールド)」というメリットがあります。そのため、現実の企業は負債比率を上げることで、税金を節約しようとします。MM理論の「法人税なし」という仮定が崩れると、負債の活用にはメリットが生まれます。
2. 破産コスト
企業が借金を増やしすぎると、破産するリスクが高まります。破産すると法的手続きや資産売却が必要になり、これに高いコストがかかります。負債が増えると、企業の価値が下がる可能性があるのです。
3. 情報の非対称性
投資家は企業の内部情報を完全には知ることができません。そのため、企業が新しい株式を発行すると「経営陣は株価が割高だと考えているのでは?」と疑われ、株価が下がることがあります。
MM理論の応用と実務での活用
MM理論は、企業の資本政策を考える上での基本的な理論ですが、実際には「税金」や「破産コスト」などの要因も考慮する必要があります。
実務での活用例
- 財務戦略の策定
→ 負債を適切に活用し、税金を最適化する - 資本調達の判断
→ 株式発行か負債調達かを判断する基準にする - 企業買収(M&A)戦略
→ レバレッジド・バイアウト(LBO)などの手法に応用する
まとめ
MM理論は、「企業価値は資本構成に依存しない」というシンプルな考え方を示しました。ただし、現実では法人税や破産コストの影響を考慮する必要があります。
新人エンジニアとして企業の財務や資本政策を学ぶとき、MM理論を基本として理解しておくと、より実務的な分析ができるようになります。これからも、財務や企業経営について学びを深めていきましょう!
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投稿者プロフィール

- 代表取締役
-
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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