Pythonのバリエーションを知ろう！Jython・IronPython・PyPyとは？
山崎講師
こんにちは。ゆうせいです。
今回は、Pythonのちょっと変わった「兄弟たち」とも言える、Jython（ジャイソン）・IronPython（アイアンパイソン）・PyPy（パイパイ）について、やさしく解説していきます。
「えっ？Pythonって1つじゃないの？」と思った方、安心してください。
それ、ほとんどの人が最初に思う疑問です！
そもそも「Pythonの実装」ってなに？
まず最初に、ちょっとした前提知識から。
Pythonといえば、普段わたしたちがインストールして使っているのは「CPython（シーパイソン）」というバージョンです。
CPythonとは：「C言語」で書かれた公式のPython実装
実装（Implementation）とは、ざっくり言えば「Pythonの中身をどう作ってるか」ということです。
Pythonの兄弟たちとは？
| 名前 | 特徴 | 動作環境 |
|---|---|---|
| CPython | 一般的なPython | C言語ベース |
| Jython | Javaと連携できるPython | Javaベース |
| IronPython | .NETと連携できるPython | C#/.NETベース |
| PyPy | 高速実行が得意なPython | JIT搭載 |
これらはすべてPython言語の文法やコードはほぼ同じですが、動かし方や目的が異なるんです。
Jythonとは？Javaと仲良しなPython
Jython（ジャイソン）= Java + Python
特徴：
- Javaで書かれているPython実装
- Javaのライブラリをそのまま使える（これはすごい！）
.classファイルやJVM（Java Virtual Machine）で動作
メリット：
- Javaのエコシステム（ライブラリ、フレームワーク）をPythonから使える
- Java企業との相性バツグン（例：Springなど）
デメリット：
- 最新のPython機能に対応が遅い（特にPython3対応が弱かった）
- モダンなPython開発とは少し離れている
例え：
Jythonは、Python語を話すJava人間みたいなものです。
IronPythonとは？.NETと仲良しなPython
IronPython（アイアンパイソン）= .NET + Python
特徴：
- .NET Framework上で動くPython
- C#やVB.NETのライブラリを使える
- Windowsとの統合が強い（GUIなども簡単）
メリット：
- Windowsアプリとの連携がとても得意
- ExcelやWordの自動操作、GUIアプリ開発などに向いている
デメリット：
- Pythonの標準モジュールと一部互換性がないことがある
- MacやLinuxだとあまり使われない
例え：
IronPythonは、Pythonの見た目をしたC#エンジニアみたいな感じですね。
PyPyとは？速さに命をかけたPython
PyPy（パイパイ）= Performance + Python
特徴：
- 「速さ」に特化したPython実装
- JIT（Just-In-Time）コンパイラを搭載 → 実行時にコードを機械語に変換して高速化
メリット：
- 重たい処理（数値計算やループ）を最大10倍以上速く実行できる
- CPython互換性が高く、移行しやすい
デメリット：
- C拡張ライブラリ（例：NumPy）との互換が限定的な場合がある
- Jupyterや開発ツールとの連携に制限があることも
例え：
PyPyは、Pythonにターボエンジンを積んだレーシングカーみたいなもの！
まとめ：どれを使えばいいの？
| 実装名 | 向いている人・用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| CPython | 通常のPythonユーザー | 安定・標準 |
| Jython | Javaと連携したい | JVMで動く |
| IronPython | .NETやWindowsと統合したい | C#資産の活用 |
| PyPy | スピードが必要な処理 | JITで高速化 |
よくある質問（FAQ）
Q. PyPyって普段使うべき？
高速化が必要な処理をたくさんやるときにはとても便利です。ただし、ライブラリとの相性を事前にチェックするのがおすすめです。
Q. JythonやIronPythonは古いって聞いたけど？
たしかに最近はCPythonとPyPyが主流です。ただ、特定の環境（Java/.NET）では現役で使われているケースもあります。
今後の学習の指針
Pythonは「1つの言語」ですが、使う場所によって「実装」を選ぶことも重要な視点です。
これから以下のことを意識して学んでみましょう！
- PyPyを使った処理速度の比較（JITの仕組みを調べよう）
- JavaやC#との連携に興味がある人はJythonやIronPythonに挑戦
- Pythonの処理系ごとの違いを把握することで、応用力がアップ！
また、どの実装でもコードの文法や書き方はほぼ共通なので、基礎がしっかりしていれば応用もバッチリですよ！
気になる実装があれば、ぜひ実際に試してみてくださいね。
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投稿者プロフィール
- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します！
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