Pythonデータ分析の最強タッグ!NumpyとPandasの違いと連携を徹底解説

こんにちは。ゆうせいです。

データ分析の世界に足を踏み入れたばかりの新人エンジニアの皆さん、Pythonのライブラリの多さに圧倒されていませんか?特に、「Numpy」と「Pandas」、どちらもよく聞く名前だけど、何がどう違うのか、どう使い分けるのか、いまいちピンとこない…なんて方も多いのではないでしょうか。

この記事を読めば、そのモヤモヤはきっと晴れるはずです!今回は、データ分析の現場で欠かせないこの二つのライブラリの関係性を、まるで最強のコンビのように例えながら、その役割分担と連携の素晴らしさについて解説していきますね。

そもそもNumpyって何者?- 超高速な計算屋

まずご紹介するのはNumpy(ナンパイ)です。Numpyは「Numerical Python」の略で、その名の通り、Pythonで数値計算を高速に行うためのライブラリです。

Numpyの正体は「多次元配列」

Numpyの最大の特徴は、「多次元配列」という特殊なデータの入れ物を扱えることです。

いきなり専門用語が出てきましたね。でも、安心してください。

「配列」とは、たくさんのデータを整理整頓して入れておく箱のようなものだと思ってください。Pythonにも「リスト」という似たものがありますが、Numpyの配列は、例えるなら「同じ種類のおもちゃだけを、隙間なくきれいに並べた専用の棚」です。

  • 同じデータ型しか入れられない: 数字なら数字だけ、とルールが決まっています。
  • 計算がめちゃくちゃ速い: 中身が整理されているので、コンピュータは「この棚の全部のおもちゃに、このシールを貼って!」というような一括処理がものすごく得意なんです。

この「一括で処理できる」というのがNumpyの速さの秘密。たくさんのデータに対する同じ計算(例えば、全商品の価格を10%オフにするなど)を、一つ一つ処理するのではなく、一気に片付けてくれるのです。

メリットとデメリット

  • メリット: とにかく計算が速い!大量の数値データを扱う科学技術計算や、AIの分野では必須のツールです。
  • デメリット: データに「価格」や「顧客名」といった意味(ラベル)を持たせるのは少し苦手。あくまでも数値の集合体を効率よく扱うための職人さん、というイメージですね。

じゃあPandasって何者?- データ整理の司令塔

次にご紹介するのがPandas(パンダス)です。Pandasは、Numpyの高速な計算能力を土台にして作られた、より高機能なデータ分析支援ライブラリです。

Pandasの正体は「データフレーム」

Pandasの主役は「データフレーム」と呼ばれる形式です。

これは、Excelの表をイメージしてもらうと、とても分かりやすいですよ!

データフレームは、行と列にそれぞれ名前(ラベル)がついた、まさにスプレッドシートのような二次元の表です。

  • 行ラベル: 「0, 1, 2...」といった番号だけでなく、「顧客ID」などのユニークな名前を付けることができます。
  • 列ラベル: 「商品名」「価格」「販売日」のように、それぞれの列が何を表すデータなのかが一目でわかります。
  • 様々なデータ型を扱える: 列ごとに数値、文字列、日付など、異なる種類のデータを混在させることができます。

つまり、Numpyがただの数字の集まりを扱うのに対し、Pandasは意味を持った「情報」としてデータを扱える、というわけです。

メリットとデメリット

  • メリット: 人間にとって非常に直感的にデータを操作できます。欠けているデータを探したり、特定の条件でデータを絞り込んだり、データの並べ替えをしたりといった「データの前処理」が驚くほど簡単になります。
  • デメリット: 高機能な分、同じ量の数値データだけを扱うならNumpyよりも少しメモリを多く消費します。

最強タッグが生まれる理由 - なぜ組み合わせるの?

さて、ここからが本題です。なぜこの二つはセットで使われるのでしょうか?

それは、お互いの得意なことを活かし、苦手なことを補い合う、最高のパートナーだからです!

データ分析の典型的な流れを想像してみてください。

  1. データの読み込みと整形 (Pandasの出番!)ExcelやCSVファイルに保存された、ゴチャっとした生データを読み込みます。このとき、Pandasのデータフレームを使えば、「sales_data.csvを読み込んでね」の一言で、きれいな表形式でデータをプログラムに持ってこれます。欠損値の確認や不要な列の削除など、データのお掃除もPandasが大得意です。
  2. 必要なデータの抽出 (Pandasの出番!)きれいになったデータの中から、「売上」と「数量」の列だけを取り出したい、とします。これもPandasなら列名を指定するだけで簡単にできます。
  3. 高速な数値計算 (Numpyの出番!)そして、取り出した「売上」や「数量」のデータを使って、合計値や平均値、標準偏差といった統計的な計算や、もっと複雑な数学的処理を行いたくなったとします。ここでNumpyの登場です!Pandasのデータフレームから、計算したい部分だけをNumpyの配列にサッと変換し、Numpyの高速な計算エンジンに処理を任せるのです。

イメージとしては、Pandasが司令塔としてデータを整理・準備し、Numpyという実行部隊が実際の計算を高速に実行する、という見事な連携プレーですね。

実際にコードで見ると、この連携はとてもスムーズです。

import pandas as pd
import numpy as np

# 1. PandasでCSVファイルを読み込む
df = pd.read_csv('sales_data.csv')

# 2. Pandasで'price'列のデータを抽出
prices_series = df['price']

# 3. PandasのSeriesからNumpy配列に変換
prices_numpy_array = prices_series.values

# 4. Numpyで高速に計算(例:全商品の価格を1.1倍して消費税込み価格を計算)
prices_with_tax = prices_numpy_array * 1.1

print(prices_with_tax)

このように、Pandasのデータから.valuesと書くだけで、簡単にNumpy配列を取り出して計算をバトンタッチできるのです。


今後の学習の指針

どうでしょう?NumpyとPandasの関係性が少しクリアになったでしょうか?

この最強タッグを使いこなすための、次の一歩を提案させてください。

  1. まずはPandasに習熟しよう: 実際のデータ分析では、まずデータをきれいにするところから始まります。Pandasでのデータの読み込み、絞り込み(フィルタリング)、並べ替え、グループ化(groupby)といった基本操作をマスターすることが最初の目標です。
  2. Numpyの力を実感しよう: Pandasの操作に慣れてきたら、計算部分を意識的にNumpyに任せてみましょう。Pandasの列をNumpy配列に変換し、配列全体に一括で計算を行う「ブロードキャスティング」というNumpyの強力な機能を体験してみてください。
  3. 次のステップへ: この二つを使いこなせるようになったら、次はMatplotlibやSeabornといったデータ可視化ライブラリに進みましょう。分析結果をグラフにすることで、さらに多くの発見が生まれますよ!

NumpyとPandasは、あなたがこれからデータサイエンティストや機械学習エンジニアとして活躍していく上で、間違いなくあなたの右腕となってくれる存在です。焦らず、一つ一つの機能を楽しみながら学んでいってくださいね。応援しています!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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