Python製の「Flask」とJava製の「Spring Boot」を比較
こんにちは。ゆうせいです。
Web開発の世界に足を踏み入れると、たくさんの「フレームワーク」という言葉に出会いますよね。フレームワークは、Webアプリケーションを作るための骨組みや道具が一式揃ったツールキットのようなもので、これらを使いこなすのが現代の開発では当たり前になっています。
中でも、Python製の「Flask」とJava製の「Spring Boot」は、多くの現場で使われている人気のフレームワークです。しかし、この二つは、まるで使う言語が違うだけでなく、その設計思想から得意なことまで、全く正反対の個性を持っています。
「どっちを勉強したらいいんだろう?」
「新人エンジニアには、どっちが向いているの?」
そんな皆さんの疑問に答えるために、今回はこの二つのフレームワークを、様々な角度からじっくり比較しながら解説していきますね!
そもそも、どんなフレームワークなの?
まずは、それぞれのフレームワークがどんなキャラクターなのか、ざっくりと掴んでいきましょう。
Flask:身軽で自由なマイクロフレームワーク 🎨
Flaskは、Pythonで動く「マイクロフレームワーク」です。
「マイクロ」という名前の通り、Flaskが提供してくれるのは、Webアプリ開発に最低限必要な機能だけ。まるで、家具が何もないシンプルな部屋を渡されるようなイメージです。
データベース接続の道具も、ユーザー認証の仕組みも、最初は何もありません。 どんな機能を追加して、どんな構成にするかは、すべて開発者であるあなた次第。この圧倒的な自由度の高さとシンプルさがFlaskの最大の特徴です。
Spring Boot:堅牢で全部入りのフルスタックフレームワーク 🏢
一方、Spring Bootは、Javaで動く「フルスタックフレームワーク」です。
こちらはFlaskとは対照的に、まるで家具から最新家電まで全てが揃った豪華なマンションのようなイメージ。Webアプリケーション開発で必要になるであろう、ありとあらゆる機能が最初から用意されています。
複雑な設定は極力自動化され、開発者は「規約」に従ってコードを書くだけで、堅牢で本格的なアプリケーションを高速に構築できます。大企業や金融機関など、信頼性や安全性が特に求められる大規模システムで広く採用されているのが、その何よりの証拠です。
徹底比較!あなたに合うのはどっち?
それでは、新人エンジニアの皆さんが特に気になるであろうポイントで、二つを比較してみましょう。
比較項目 | Flask (Python) | Spring Boot (Java) |
例えるなら | 自由なDIYのガレージハウス | 全てが揃った豪華マンション |
言語 | Python | Java |
学習コスト | 低い(覚えることが少ない) | 高い(独自の"お作法"が多い) |
開発の自由度 | 非常に高い | 低い(規約に従う) |
開発スピード | 小規模なら高速 / 大規模だと設計次第 | 大規模開発でも高速 |
機能 | 必要最低限(自分で追加) | ほぼ全て揃っている |
得意なこと | 小規模アプリ、APIサーバー、プロトタイプ | 大規模システム、業務アプリ、マイクロサービス |
求人数 | 増加傾向 | 非常に多い(特に大企業) |
メリット・デメリットを深掘り!
Flaskのメリット(良いところ!)
- とにかく学びやすい!: 機能がシンプルな分、覚えるべきルールが少なく、Webアプリケーションの基本的な仕組みを理解するのに最適です。
- 自由度が高い: 自分の好きなようにライブラリを組み合わせ、アプリケーションを設計できます。まさにDIY感覚で開発を楽しめます。
- 軽量で高速: 余計な機能がないため、動作が非常に軽快です。
Flaskのデメリット(注意するところ…)
- 選択の連続: 自由度の高さは、裏を返せば「何をするにも自分で調べて決める必要がある」ということです。これが初心者には少しハードルになるかもしれません。
- 大規模開発は腕次第: 大規模なアプリを作るには、しっかりとした設計力がないと、コードが複雑になりがちです。
Spring Bootのメリット(良いところ!)
- 開発生産性が高い: 多くの機能が揃っており、設定も自動化されているため、大規模なアプリケーションでも素早く開発を進められます。
- 堅牢で安定的: 長い歴史と豊富な実績があり、金融システムなどでも使われるほどの信頼性があります。
- 情報と求人が豊富: Javaは長年、業務システムの主流言語であったため、日本語の技術情報や求人数が圧倒的に多いです。
Spring Bootのデメリット(注意するところ…)
- 学習コストが高い: 機能が豊富な分、「DI(依存性の注入)」など、独自の概念や"お作法"をたくさん覚える必要があります。
- ブラックボックス感: 多くの設定が自動化されているため、「なぜこう動くのか」が分かりにくく、問題が起きたときの原因究明に苦労することがあります。
今後の学習への道しるべ
さて、ここまで読んでみて、どちらに興味が湧きましたか?
もしあなたが、
- まずWebアプリの仕組みを楽しく学びたい!
- 小さなものから作って、自分で色々試してみたい!
- 機械学習など、Pythonの他のライブラリと連携させたい!
と考えているなら、まずはFlaskから始めてみるのがおすすめです。シンプルさゆえに、Webの裏側の動きを深く理解できるはずです。
一方で、
- 将来的に大企業の開発現場で活躍したい!
- 安定した大規模システム開発のノウハウを身につけたい!
- 求人の選択肢を広げたい!
という目標があるなら、学習コストは高くとも、Spring Bootに挑戦する価値は十分にあります。Spring Bootを使いこなせるようになれば、非常に市場価値の高いエンジニアになれるでしょう。
どちらのフレームワークも、一長一短があり、どちらが優れているというわけではありません。大切なのは、あなたがこれからどんなエンジニアになりたいか、どんなものを作ってみたいかを考え、それに合った道具を選ぶことです。
この比較が、あなたの素晴らしい開発者キャリアの第一歩を踏み出す助けになれば嬉しいです。応援しています!
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投稿者プロフィール
- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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