システムシンキングに関連する300の用語集

システムシンキングに関連する300の用語集を日本語と英語を併記し、アルファベット順に並べて解説しています。

A

  • Adaptive System (適応システム): 適応システム - 環境の変化に応じて自己調整し、新しい状況に適応する能力を持つシステムです。
  • Agent-Based Modeling (エージェントベースモデリング): エージェントベースモデリング - 個々のエージェントの行動と相互作用をシミュレートすることで、全体のシステムの振る舞いを分析する手法です。
  • Archetype (アーキタイプ): アーキタイプ - システム内で繰り返し見られる一般的なパターンや構造で、特定の結果を生み出す原因となります。
  • Attractor (アトラクタ): アトラクタ - 動的システムが長期的に到達する状態や振る舞いのパターンを示す概念です。
  • Autopoiesis (オートポイエーシス): オートポイエーシス - システムが自己生成し、自己維持するプロセスを指します。生物学からの概念で、自己組織化の一形態です。

B

  • Balancing Loop (バランスループ): バランスループ - システムにおける負のフィードバックループで、システムを安定した状態に維持しようとする力が働きます。
  • Behavior Over Time (BOT) Graph (時系列グラフ): 時系列グラフ - システム内の変数の時間経過による変化を視覚化するためのグラフです。
  • Boundary (境界): 境界 - システムとその外部環境を区切る線で、システムの内部と外部を定義します。
  • Bottleneck (ボトルネック): ボトルネック - システムの流れを遅らせる原因となる制約や障害部分を指します。
  • Bounded Rationality (限定合理性): 限定合理性 - 個々の意思決定者が持つ情報と能力の制約の下で、最適な決定を下すことができない状況を示す概念です。

C

  • Causal Loop Diagram (CLD) (因果ループ図): 因果ループ図 - システム内の因果関係を視覚的に表現し、フィードバックループの存在を示す図です。
  • Chaos Theory (カオス理論): カオス理論 - 初期条件のわずかな違いが大きな結果の違いをもたらす非線形システムの振る舞いを研究する理論です。
  • Closed System (閉鎖系): 閉鎖系 - 外部からの影響を受けず、内部で完結するシステムです。
  • Complex Adaptive System (CAS) (複雑適応システム): 複雑適応システム - 多数の相互作用する部分から成り、環境に適応する能力を持つシステムです。
  • Complexity (複雑性): 複雑性 - システムの構成要素間の相互依存性や、システム全体の行動の予測困難性を指します。
  • Compounding (複利効果): 複利効果 - 小さな変化や増加がシステム内で累積的な影響を持ち、時間と共に大きな影響を生み出すプロセスです。
  • Conservation Law (保存則): 保存則 - システム内で、ある特定の量が時間の経過とともに変わらないことを示す法則です。
  • Contingency (偶然性): 偶然性 - 予測不可能な出来事や、システムの外部からの予期しない影響を指します。
  • Counterintuitive Behavior (直観に反する行動): 直観に反する行動 - システムが予想外の振る舞いを見せることで、直感とは異なる結果を生み出す現象です。

D

  • Delayed Feedback (遅延フィードバック): 遅延フィードバック - フィードバックが時間差を伴ってシステムに戻り、システムの動作に影響を与える現象です。
  • Dynamic Equilibrium (動的平衡): 動的平衡 - システムが時間とともに変化しながらも、全体としては安定した状態を保つことです。
  • Dynamic System (動的システム): 動的システム - 時間の経過とともにその状態が変化するシステムです。
  • Dynamical Modeling (動的モデリング): 動的モデリング - システムの時間的な変化をシミュレーションするためのモデルを構築する手法です。

E

  • Emergence (創発): 創発 - システムの全体が部分の単純な合計を超えた複雑な振る舞いや特性を示す現象です。
  • Endogenous (内生的): 内生的 - システム内部から生じる要因や影響を指します。
  • Entropy (エントロピー): エントロピー - システムの無秩序やランダムネスの度合いを示す物理量で、エネルギーの利用可能性を表します。
  • Equifinality (同型終局性): 同型終局性 - 異なる初期条件や経路をたどっても、同じ最終状態に到達するシステムの特性です。
  • Exogenous (外生的): 外生的 - システム外部からの要因や影響を指します。
  • Expert System (エキスパートシステム): エキスパートシステム - 専門家の知識をデータベース化し、特定の分野で問題解決を行うシステムです。

F

  • Feedback Loop (フィードバックループ): フィードバックループ - システム内の出力が再び入力としてフィードバックされ、システムの挙動に影響を与える循環プロセスです。
  • Flow (フロー): フロー - システム内でのリソースや情報の移動を指し、在庫やストックの増減に影響を与えます。
  • Fractals (フラクタル): フラクタル - 自己相似性を持ち、複雑な構造を持つ幾何学的形状やパターンです。
  • Function (機能): 機能 - システムが果たす役割や目的を指します。

G

  • Goal Seeking Behavior (目標志向行動): 目標志向行動 - システムが特定の目標に向かって自己調整を行う行動を指します。
  • Graphical Function Diagram (GFD) (グラフィカル関数図): グラフィカル関数図 - 因果関係やシステムの挙動を視覚的に表現するための図です。
  • Growth Curve (成長曲線): 成長曲線 - 時間とともにシステムの変数がどのように成長するかを示す曲線です。

H

  • Homeostasis (ホメオスタシス): ホメオスタシス - システムが安定した内部状態を維持しようとする傾向です。
  • Holistic Approach (全体論的アプローチ): 全体論的アプローチ - システム全体の相互作用や関連性を考慮し、部分ではなく全体として理解するアプローチです。

I

  • Information Feedback (情報フィードバック): 情報フィードバック - システム内の情報がフィードバックされ、それによってシステムの将来の動作が変わることです。
  • Interdependency (相互依存性): 相互依存性 - システムの構成要素が互いに依存し合い、一方の変化が他方に影響を与える関係性です。
  • Interdisciplinary (学際的): 学際的 - 複数の異なる分野の知識や手法を統合して、システムを理解し解決策を導くアプローチです。

J

  • J-curve (Jカーブ): Jカーブ - 初期に減少し、その後急激に増加するシステムの挙動を示す曲線です。

K

  • Key Performance Indicator (KPI) (主要業績評価指標): 主要業績評価指標 - システムやプロセスのパフォーマンスを測定するための定量的な指標です。
  • Kybernetes (キベルネテス): キベルネテス - サイバネティックスの語源で、制御やガバナンスを意味します。

L

  • Lag Time (遅延時間): 遅延時間 - システムの入力に対する反応が現れるまでの時間の遅れを指します。
  • Leverage Point (レバレッジポイント): レバレッジポイント - システムの変化に大きな影響を与える、重要な要素や介入点です。
  • Linear System (線形システム): 線形システム - 入力と出力が直線的な関係にあるシステムで、予測しやすい挙動を示します。

M

  • Mental Model (メンタルモデル): メンタルモデル - 個人やグループが持つ、システムや現実世界の理解の枠組みを指します。
  • Modeling (モデリング): モデリング - 実際のシステムを理解し、シミュレーションするために抽象化してモデル化することです。
  • Monte Carlo Simulation (モンテカルロシミュレーション): モンテカルロシミュレーション - 確率的な要素を含むシステムのシミュレーションを行い、様々なシナリオを分析する手法です。

N

  • Negative Feedback (負のフィードバック): 負のフィードバック - システムの変動を抑制し、安定化させる方向に作用するフィードバックです。
  • Nonlinear System (非線形システム): 非線形システム - 入力と出力の関係が直線的でないシステムで、複雑な振る舞いを示します。

O

  • Open System (開放系): 開放系 - 環境とエネルギーや情報の交換を行うシステムです。
  • Oscillation (振動): 振動 - システムが周期的に変動する現象で、安定した均衡状態に戻ることなく揺れ動きます。

P

  • Paradigm Shift (パラダイムシフト): パラダイムシフト - システムの理解や取り組み方が根本的に変わることを指します。
  • Positive Feedback (正のフィードバック): 正のフィードバック - システムの変動を増幅し、結果的にシステムを不安定にする方向に作用するフィードバックです。
  • Policy Resistance (政策抵抗): 政策抵抗 - システムが導入された政策に対して抵抗し、意図した結果を出さない現象です。
  • Process Thinking (プロセス思考): プロセス思考 - システムを一連のプロセスや流れとして理解し、その動態を分析するアプローチです。
  • Proportionality (比例性): 比例性 - システムの変数が互いに比例関係にあることを示す概念です。

Q

  • Qualitative Analysis (定性的分析): 定性的分析 - システムの特性や構造を理解するために、数値ではなく言語的・概念的な手法を用いる分析です。
  • Quantitative Analysis (定量的分析): 定量的分析 - システムの振る舞いを数値データを用いて分析し、結果を定量的に評価する手法です。

R

  • Reinforcing Loop (強化ループ): 強化ループ - システム内で変動を増幅し、自己強化のプロセスを作り出すフィードバックループです。
  • Resilience (レジリエンス): レジリエンス - システムが外部のショックや変化に耐え、回復する能力です。
  • Ripple Effect (波及効果): 波及効果 - システム内の一部の変化が、連鎖的に他の部分にも影響を及ぼす現象です。

S

  • Scenario Planning (シナリオプランニング): シナリオプランニング - 将来の不確実性に備えて、複数のシナリオを想定し、対応策を考える手法です。
  • Self-Organization (自己組織化): 自己組織化 - システムが外部の指示なしに、自律的に秩序や構造を形成する現象です。
  • Sensitivity Analysis (感度分析): 感度分析 - システムの出力が入力の変動にどの程度敏感に反応するかを評価する分析手法です。
  • Silo Effect (サイロ効果): サイロ効果 - システム内の部門やチームが互いに隔離され、情報共有や協力が不足することで全体のパフォーマンスが低下する現象です。
  • Stock and Flow (ストックとフロー): ストックとフロー - システム内の変数が蓄積される「ストック」と、それが時間と共に変動する「フロー」を指す概念です。
  • Structural Coupling (構造的カップリング): 構造的カップリング - システムが環境と相互作用しながら、共進化するプロセスです。
  • Suboptimization (部分最適化): 部分最適化 - システム全体の効率を犠牲にして、部分的な最適化が行われる現象です。
  • Sustainability (持続可能性): 持続可能性 - システムが長期的に機能し続けるために、環境やリソースを適切に管理し、維持する能力です。

T

  • Tipping Point (転換点): 転換点 - システムが突然大きな変化を遂げる臨界点を指します。
  • Trade-Off (トレードオフ): トレードオフ - ある要素を改善するために、別の要素を犠牲にしなければならない状況です。
  • Transdisciplinary (超学際的): 超学際的 - 学問分野を越えた視点や手法を取り入れ、システム全体の理解や解決策を見つけるアプローチです。
  • Transformation (変革): 変革 - システムが根本的に変化し、異なる形態や構造を取るプロセスです。

U

  • Unintended Consequences (意図しない結果): 意図しない結果 - システムや政策の実施が予期しない効果や副作用を生むことです。

V

  • Vicious Cycle (悪循環): 悪循環 - 負の結果を生み出し、それがさらに状況を悪化させるフィードバックループです。
  • Virtuous Cycle (好循環): 好循環 - 正の結果を生み出し、それがさらに状況を改善させるフィードバックループです。

W

  • Wholism (ホリズム): ホリズム - システムを個別の部分ではなく、全体として理解する考え方です。
  • Wicked Problem (難問): 難問 - 明確な解決策が存在せず、複雑で解決困難な問題を指します。

X

  • X-Factor (未知要因): 未知要因 - システムの挙動に予期しない影響を与える未知の要素を指します。

Y

  • Yoked System (連結システム): 連結システム - 複数のシステムが連結され、互いに影響を与え合うシステムです。

Z

  • Zero-Sum Game (ゼロサムゲーム): ゼロサムゲーム - 参加者の利益の合計が常にゼロになる競争状況を指します。ある参加者が得をすると、別の参加者が同量の損をする。
  • Zigzag Effect (ジグザグ効果): ジグザグ効果 - システムが一定の方向に進まず、変動を繰り返しながら進む様子を指します。

セイ・コンサルティング・グループのシステムシンキングの研修

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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