IT企業専門の研修会社が『Good Strategy, Bad Strategy』(著:リチャード・ルメルト)のエッセンスを経営にどう活かすか

こんにちは。ゆうせいです。

今回は、IT企業専門の研修会社が『Good Strategy, Bad Strategy』(著:リチャード・ルメルト)のエッセンスを経営にどう活かすかについて考えます。この本では、「良い戦略」とは何かが非常に明快に解説されています。その中でも特に重要なのが、以下のポイントです。

  • 良い戦略は「単純明快で単刀直入」である。
  • 「とるべき行動の指針」が含まれている。
  • 「こうすればうまくいく」という仮説を含む。
  • 「何をやるか」だけではなく、「なぜやるのか」「どうやるのか」も示す。

この考え方をもとに、IT企業向けの研修会社がどのように経営を最適化できるのか、具体的に見ていきましょう。


良い戦略の基本構造

リチャード・ルメルトは、良い戦略を構築するための3つの要素を提案しています。

1. 課題の診断(Diagnosis)

まず解決すべき問題を明確に特定します。
例えば、IT企業において次のような課題があるかもしれません。

  • 技術革新についていけない。
  • リーダーシップ不足でプロジェクトが停滞している。
  • 技術者と非技術者の間でコミュニケーションの断絶がある。

これを診断する段階では、表面的な問題ではなく「根本的な原因」を見つけることが重要です。なぜなら、良い戦略は本質的な課題を解決するために設計されるからです。

2. 指針の策定(Guiding Policy)

診断した課題に対して「どう解決するか」の方向性を示します。
たとえば、IT企業専門の研修会社であれば以下のような指針が考えられます。

  • 社員教育を最新技術に対応した内容に刷新する。
  • チームリーダー育成にフォーカスしたカリキュラムを導入する。
  • 技術者と非技術者の橋渡しをするコミュニケーション研修を強化する。

指針が曖昧だと行動に落とし込むことができません。明確かつ実現可能な方向性が必要です。

3. 一貫した行動(Coherent Actions)

指針に基づいて、一貫性のある具体的な行動計画を立てます。
例えば、次のような行動を実施することが考えられます。

  • トレンド分析を活用し、IT業界で求められるスキルを特定する。
  • オンラインと対面を組み合わせた研修を導入し、柔軟な学習環境を提供する。
  • クライアント企業ごとにカスタマイズした研修プログラムを提供する。

これらの行動が指針と一致していることが重要です。一貫性のない戦略は「悪い戦略」となります。


悪い戦略に陥らないためには?

悪い戦略は一見魅力的に見えるものの、実行力が伴わないため成果を出せません。よくある例を挙げてみましょう。

1. 抽象的なスローガンに終始する

例えば、「すべての社員が成長する環境を作る!」という目標は素晴らしいですが、これだけでは行動に落とし込むことができません。具体性を持たせる必要があります。

2. 問題の本質を無視する

本質的な課題を見極めず、表面的な問題に対処するだけでは根本的な解決に至りません。例えば、「社員のスキルが不足している」という問題の背後に「学習体制の整備不足」が潜んでいるかもしれません。

3. リソースの限界を考慮しない

壮大な目標を掲げすぎて、現実的な実行ができない戦略もよくある失敗です。


バーチャル賢人会議で戦略を磨く

リチャード・ルメルトが提唱する「バーチャル賢人会議」の手法も、戦略構築に役立ちます。これは、仮想的に尊敬する賢人を招き、彼らならどのようなアドバイスをするかを想像する思考法です。

例:あなたのバーチャル賢人会議メンバー

  • スティーブ・ジョブズ:シンプルで革新的な解決策を見出す視点。
  • 孫子:競争環境における優位性を見極める戦略眼。
  • 自分の恩師:現実的かつ実行可能なアプローチ。

彼らの視点を想像し、「この人ならどう考えるか?」と自分に問いかけることで、より客観的で深い戦略が生まれます。


研修会社にとっての良い戦略とは?

IT企業専門の研修会社が成功するための良い戦略は、次の3つを意識することです。

  1. クライアントの課題に深く入り込む診断
    表面的なニーズだけでなく、企業ごとの本質的な課題を見つけること。
  2. 研修内容と方向性を明確に定める指針
    たとえば、最新技術への対応だけでなく、リーダーシップや組織力の強化に力を入れる。
  3. 一貫性のある行動計画を設計・実行
    カスタマイズ研修や柔軟な受講形式を提供し、クライアントごとの課題解決にフォーカスする。

まとめ

良い戦略を構築するには、単に「何をやるか」だけでなく、「なぜやるのか」「どうやるのか」も示す必要があります。そして、それを実現するためにバーチャル賢人会議を活用するのも効果的な方法です。

あなたもぜひ、自分の会社やプロジェクトに最適な良い戦略を考えるために、課題の診断、指針の策定、一貫した行動計画を組み立ててみてください。小さなステップからでも、明快で実行可能な戦略を追求していきましょう!

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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