「ECRS」と「システム開発」について、新人エンジニア向けに分かりやすく解説

こんにちは。ゆうせいです。
今回は「ECRS」という考え方とシステム開発について解説します。ECRSという言葉を初めて聞いた方でもわかるように、丁寧に説明していきますね。


ECRSとは何か?

ECRS(イークルス)とは、業務改善や効率化を進めるためのフレームワークです。
このECRSは4つの要素から成り立っています。

  • E:Eliminate(排除)
  • C:Combine(結合)
  • R:Rearrange(入れ替え)
  • S:Simplify(簡素化)

これらのステップを順番に考えることで、無駄な作業や工程を洗い出し、最適な形に改善できます。

たとえば、学校の文化祭準備を効率化する場合を考えてみましょう。
「無駄な作業をやめる(Eliminate)」→「複数の作業を一つにまとめる(Combine)」→「作業の順番を見直す(Rearrange)」→「作業手順を簡単にする(Simplify)」
このようにECRSを適用していくことで、効率的に物事を進められます。


ECRSとシステム開発の関係

システム開発にECRSの考え方を導入すると、以下のような効果が期待できます。

  1. 無駄な機能や工程を排除(Eliminate)
    システムを開発する際、最初に無駄な機能や重複する工程がないかを見直します。
    例えば、ある業務で手動入力が多い場合、それを完全自動化できるシステムを検討することで手間を排除できます。
  2. 類似する機能や作業を結合(Combine)
    複数の機能や工程が似ている場合、それらを一つにまとめることで効率化します。
    例えば、複数のデータ入力フォームがあれば、共通の入力画面を作ることで工数を削減します。
  3. 作業順序やフローの最適化(Rearrange)
    開発プロセスやシステムの動きを見直し、効率的な順序や配置を考えます。
    例えば、システムでデータを処理する順番を変更することで、処理速度を向上させることができます。
  4. シンプルで使いやすいシステムにする(Simplify)
    最終的に、複雑な操作や工程をシンプルにして、使いやすくすることがゴールです。
    例えば、複数のボタンや機能を一画面に集約することで、ユーザーの負担を減らせます。

ECRS導入の具体例

では、ECRSの考え方をシステム開発にどう適用するか、具体例を見てみましょう。

例:勤怠管理システムの改善

ECRSステップ改善内容効果
排除(Eliminate)紙のタイムカードの利用を廃止業務のデジタル化で手間を削減
結合(Combine)勤怠記録と給与計算を一つのシステムに統合情報の一元管理で効率アップ
入れ替え(Rearrange)タイムカード入力後すぐに承認フローに進める承認遅延を防止し、作業の流れを最適化
簡素化(Simplify)ワンクリックで勤怠データを出力できる機能を追加シンプルな操作でユーザーの負担を軽減

ECRSを適用するメリットと注意点

メリット

  1. 業務の無駄を減らせる
  2. 工数やコストの削減につながる
  3. シンプルで使いやすいシステムが作れる

注意点

  • 排除(Eliminate)しすぎると、重要な機能まで削るリスクがある
  • 結合(Combine)では、まとめすぎると逆に複雑化する可能性がある
  • 最終的に使う人の目線で「簡単かどうか」を確認することが重要

ECRSを意識したシステム開発の流れ

  1. 現状の業務フローを可視化する
    業務プロセスを図やフローチャートにまとめ、無駄や重複を洗い出します。
  2. ECRSの順番に基づいて改善案を出す
    • まずは「排除」できるものがないか考える
    • 次に「結合」して効率化する
    • その後、「入れ替え」て流れを最適化する
    • 最後に「簡素化」して使いやすく仕上げる
  3. 改善後の効果をシミュレーションする
    改善によってどれくらい効率が上がるのか、数値で確認します。
  4. ユーザーテストとフィードバックを反映する
    実際にシステムを使う人にテストしてもらい、使いやすさを最終確認します。

まとめと今後の学習の指針

ECRSはシンプルなフレームワークですが、システム開発において非常に強力な手法です。
無駄を排除し、業務やシステムを最適化することで、時間やコストの節約が実現できます。

今後、ECRSを使いこなすためには、以下のポイントを意識してみてください。

  • 現状分析力を高める:業務のどこに無駄があるか見つける力が大切です。
  • ユーザー目線を忘れない:改善後のシステムが「本当に使いやすいか」を考えましょう。
  • PDCAサイクルを回す:ECRSは一度やれば終わりではなく、定期的に見直しが必要です。

ECRSを学び、システム開発に活かすことで、効率的で優れたシステムを作り上げましょう!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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