新人エンジニアの皆さんに向けて「法人税」を解説

こんにちは。ゆうせいです。

今日は「法人税」について、新人エンジニアの皆さんに分かりやすく解説します。エンジニアとして直接計算する機会は少ないかもしれませんが、法人税の仕組みや影響を理解することで、会社全体の動きやプロジェクトの予算配分などをより深く考えられるようになりますよ!


法人税とは?

法人税は、企業(法人)が稼いだ利益に対して課される税金です。会社が儲けたお金の一部を、国に納める仕組みです。

法人税の基本ポイント

  • 法人税は、会社の「利益」に対して課される税金です。
  • 利益とは、売上から経費を引いた額を指します。
  • 個人の所得税に似ていますが、対象は「法人」になります。

どうやって計算するの?

法人税は、以下のように計算します。

基本的な計算式

法人税額 = 課税所得 × 法人税率
  • 課税所得:会社の利益(売上から経費を引いた金額)
  • 法人税率:法人税を計算するための税率(2025年現在、日本の標準税率は約23.2%)

日本の法人税率は、法人の資本金や所得金額に応じて異なります。以下は2025年1月現在です。

法人の区分所得金額の区分法人税率
資本金1億円以下の法人(適用除外事業者を除く)年800万円以下の部分15%
資本金1億円以下の法人(適用除外事業者を除く)年800万円超の部分23.2%
資本金1億円超の法人、または適用除外事業者全所得金額23.2%

適用除外事業者とは、事業年度開始前3年以内の各事業年度の所得金額の平均が15億円を超える法人を指し、これらの法人には特例税率は適用されません。

また、法人税以外にも、法人住民税や法人事業税などの地方税が課され、これらを含めた実効税率は地域や法人の規模によって異なります。


具体例で考えてみよう

例1:利益が1000万円の会社

  1. 売上:1億円
  2. 経費:9000万円
  3. 課税所得:1億円 - 9000万円 = 1000万円
  4. 法人税額:1000万円 × 23.2% = 232万円

つまり、この会社は1000万円の利益に対して232万円を法人税として支払います。


法人税の仕組みをもう少し深掘り

法人税には、「課税所得を正確に計算するためのルール」があります。ここで、エンジニアとして押さえておきたいポイントを解説します。

1. 経費とは何か?

法人税を計算するとき、売上から差し引ける「経費」の範囲が重要です。例えば:

  • オフィスの家賃
  • サーバー代やソフトウェアのライセンス費
  • 従業員の給与や福利厚生費

ただし、すべてが経費になるわけではありません。例えば、個人的な出費を会社の経費として計上することはできません。


2. 減価償却

「減価償却」とは、設備や機器などの購入費用を数年に分けて経費として計上する仕組みです。

例:100万円のサーバーを購入

  • 購入した年に全額経費とせず、5年間に分けて計上するとします。
  • 毎年の経費として計上される額は 100万円 ÷ 5年 = 20万円

こうすることで、法人税の負担を長期的に分散できます。


3. 損金算入と税額控除

  • 損金算入:法人税を計算するとき、経費として扱えるもの。
  • 税額控除:特定の条件を満たすと、法人税額そのものを減らせる仕組み。

例えば、R&D(研究開発)に投資すると、一定割合が法人税から控除されることがあります。エンジニアが関わるプロジェクトが対象になることもあるので、知っておくと役立ちます!


法人税の重要性

法人税は、会社の資金計画や意思決定に大きく影響を与えます。

1. プロジェクトの予算に影響

利益が大きいほど法人税額も増えるため、新しいプロジェクトに回せる予算が減る可能性があります。効率よく経費を管理することが重要です。

2. 会社の成長戦略に関係

R&Dや設備投資などの経費を活用して法人税を節約することで、利益を効率的に使い、会社の成長を促進できます。


法人税がエンジニアに関係する場面

エンジニアとしては直接法人税を計算することは少ないですが、以下のような場面で関係してきます。

1. 予算管理

  • サーバーやソフトウェアの購入が経費になるため、法人税の負担に影響を与えます。
  • プロジェクトの経費をどう管理するかで会社の税負担が変わることがあります。

2. 研究開発(R&D)

  • 新しい技術の開発や試作品の作成にかかった費用が、税額控除の対象になることがあります。
  • これにより、法人税の負担が軽減されるので、会社にとっては大きなメリットです。

最後に

法人税は、会社が儲けた利益に対する税金です。エンジニアとしては直接計算しないことが多いですが、経費の管理やR&Dなど、日常の仕事に密接に関わっています。

次のステップとして、「経費管理の仕組み」や「減価償却の計算」 について学ぶと、プロジェクトの計画やコスト意識がさらに高まりますよ!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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