「受講者が人間コンパイラとなってソースコードを1行ずつ解説する」ことが新人エンジニア研修講師になぜ必要か?
こんにちは。ゆうせいです。
新人エンジニア研修の中で「受講者が人間コンパイラとなってソースコードを1行ずつ解説する」という手法は、とてもユニークで効果的なアプローチです。この方法には、単にコードの理解を深めるだけでなく、他にもさまざまなメリットがあります。今回は、この方法の効果とその実践方法について解説します!
人間コンパイラ方式とは?
まず、この「人間コンパイラ方式」がどんな方法なのかを簡単に説明します。
- 受講者にソースコードを1行ずつ読み上げてもらう
たとえば、プログラムの冒頭から「この行は何をしているのか」を自分の言葉で解説します。 - 講師や他の受講者が補足や質問を行う
解説内容に誤りがあれば修正し、重要なポイントをさらに深掘りします。 - プログラム全体の流れを理解する
最終的に、コードがどのように動作するのかを全員が把握できる状態を目指します。
この方法が持つ効果
1. コード理解が深まる
ソースコードを1行ずつ解説することで、受講者はコードの構造やロジックを詳細に理解する必要があります。たとえば、以下のような質問に答える準備をする過程で自然と理解が深まります。
- 「この変数は何を表しているのか?」
- 「なぜこの関数を呼び出しているのか?」
例えるなら、料理のレシピを見ながら「どうしてこのタイミングで調味料を入れるのか?」と考えるようなものです。
2. 論理的思考力の向上
プログラミングは「論理の組み立て」が重要です。コードの説明を求められると、「前後の文脈」を意識せざるを得ません。たとえば、あるループ処理の説明をする際には、ループの開始条件や終了条件も踏まえて説明する必要があります。この訓練を繰り返すことで、論理的思考力が鍛えられます。
3. エラーや問題点の発見スキルが向上する
コードを細かく読むことで、普段は見逃してしまいがちなバグや不整合にも気づきやすくなります。たとえば、「このif文は正しいけれど、elseの処理が抜けていませんか?」といった指摘ができるようになります。
4. チーム内でのコミュニケーション力の向上
エンジニアとして働く上で、コードを他者に説明するスキルは非常に重要です。この演習を通じて、専門的な内容をわかりやすく伝える練習ができます。新人エンジニアが早い段階でこの力を身につければ、チーム内でのコードレビューやミーティングでも活躍できるでしょう。
5. 主体的な学びを促す
「説明する」という役割を与えられると、受講者は受け身ではいられなくなります。能動的にコードを調べ、背景を理解しようとする姿勢が生まれます。
実践のポイント
この方法を研修で効果的に取り入れるための具体的なコツをいくつか紹介します。
1. コードを小さな単位に分ける
一度に長いコードを解説させると混乱を招きます。たとえば、関数やブロック単位で区切り、1つの範囲を1人が担当する形にすると理解しやすくなります。
2. 難易度を段階的に調整
最初は簡単なコードから始め、徐々に難易度を上げていきます。たとえば、最初はシンプルな「Hello, World!」のプログラムから始め、次に条件分岐やループ処理が含まれるコードに進むといった形です。
3. 質問を活用する
講師は以下のような質問を投げかけることで、受講者の理解を深められます。
- 「このコードが動くと、どんな出力が得られると思いますか?」
- 「もしこの部分を変更したら、どうなるでしょう?」
これにより、ただ読み上げるだけでなく、深い考察が必要になります。
4. 受講者同士のフィードバックを促す
解説を他の受講者が聞き、疑問点や補足を自由に話し合う時間を設けましょう。これにより、受講者同士の交流が生まれ、研修が活気づきます。
5. 講師が補足と解説を行う
受講者がつまずいた部分や誤解している箇所については、講師がその都度フォローします。「このコードの本当の目的はこうなんです」といった形で補足することで、正しい理解が得られます。
注意すべきポイント
- 緊張を和らげる工夫をする
初めて人前でコードを説明するのはプレッシャーがかかります。リラックスした雰囲気を作り、「間違っても大丈夫」という安心感を与えましょう。 - 個々の理解度に合わせる
全員が同じペースで理解できるわけではありません。進行が早すぎる場合は調整する柔軟性が必要です。 - 一方的にならないようにする
解説が一方向にならないよう、双方向のコミュニケーションを心がけます。受講者に質問を投げかけると、対話型の研修になります。
まとめと今後の展望
受講者を「人間コンパイラ」としてコードを1行ずつ解説させる方法は、コード理解の促進、論理的思考力の向上、コミュニケーションスキルの向上など、多くの効果をもたらします。これは単に技術を教えるだけでなく、主体的に考えるエンジニアを育てる上で非常に有効な手法です。
次のステップとしては、1行ずつの解説から「全体の設計意図を説明する」練習や、「コードの改善点を提案する」ディスカッションに進むのも良いでしょう。この手法を活用し、より深い学びを得られる研修を目指してみてくださいね!