【上司必見】部下が愚痴をこぼしたときの「共感」と「同感」の違いとは?

こんにちは、ゆうせいです。

あなたが上司だった場合、部下が仕事の愚痴をこぼしてきたら、どのように対応しますか?
「そうだよね、大変だよね」と 「同感」する でしょうか?
それとも、「そう思うのも無理はないね」と 「共感」する でしょうか?

実は、「同感」ではなく「共感」することが、1on1でのコミュニケーションを成功させる鍵 なのです。
今回は、部下の愚痴や不満に対して上司がどう向き合うべきか、その具体的な方法を解説していきます!


「同感」と「共感」はどう違うのか?

部下の愚痴を聞くときに、まず意識すべきなのは 「同感」ではなく「共感」すること」 です。
ここで「同感」と「共感」の違いを見てみましょう。

同感(Sympathy)共感(Empathy)
意味「私もそう思う」「私も同じ気持ちだ」「あなたがそう感じるのは理解できる」
主語「私」(I)「あなた」(You)
リスク上司自身も不満に巻き込まれ、問題解決が難しくなる部下の気持ちを整理し、前向きな対話ができる
部下:「うちの会社、本当にダメですよね。」 上司:「そうだよね、私もそう思うよ。」部下:「うちの会社、本当にダメですよね。」 上司:「そう思うのも無理はないね。でも、具体的にどこが気になるの?」

「同感」してしまうと、部下の不満に一緒に流され、上司も一緒にネガティブな感情に染まってしまいます。
一方で「共感」すると、部下の気持ちは理解しつつも、上司として冷静な立場を保てるのです。


【重要】部下の愚痴が止まらないときの対処法

① まずは「傾聴」に徹する

部下が愚痴を言うとき、多くの場合は 「解決策を求めているわけではない」 ことが多いです。
ただ「聞いてほしい」「わかってほしい」という思いで話していることが大半なのです。

ここで上司がやるべきなのは 「問題解決を急がず、まずはしっかりと聞くこと」 です。

ポイント:

  • 途中で遮らずに聞く
  • 「なるほど」「そう思うのも無理はないね」と相槌を打つ
  • 部下が何を本当に伝えたいのかを見極める

「なるほどね、そう感じるのもわかるよ。」
「それは確かに大変そうだね。」
といった言葉を使うと、部下は 「ちゃんと理解してもらえた」 と感じ、話がスムーズに進みます。


② 「話を整理する」ことで部下の思考をクリアにする

部下が愚痴を言い続ける理由のひとつに、「頭の中が整理できていない」ということがあります。
話を聞いたあと、「つまり、こういうことが気になっているんだね?」 と整理してあげると、部下自身も考えを深めることができます。

例:

  • 部下:「最近、Aさんが全然仕事しなくて、自分ばっかり負担が増えてるんです!」
  • 上司:「なるほど、つまりAさんの働き方に不公平さを感じている、ということだね?」
  • 部下:「そうなんです!」
  • 上司:「そのことで特に困っていることは何かな?」

こうやって話を整理すると、部下自身も「自分は何に対して一番不満を感じているのか?」を明確にできます。


③ 「解決策」ではなく「自己理解」を促す

部下が愚痴を言う理由は、「相手(環境や人)に問題がある」と思っているからです。
しかし、上司が 「じゃあ、こうすればいいんじゃない?」 と解決策を出すと、部下は「それは違う!」と反発しやすくなります。

そこで、解決策を押しつけるのではなく、部下自身の考えを深める質問をする のがポイントです。

質問例:

  • 「もし今の状況を少しでも改善するとしたら、どんな方法が考えられる?」
  • 「これから先、似たような状況がまた起きたら、どんなふうに対処したい?」
  • 「Aさんの立場からすると、どういう理由でその行動をとっていると思う?」

こうした質問をすることで、部下は「ただ愚痴をこぼす」から「自分で考えて前向きに行動する」へとシフトできます。


1on1の場では「対話」を大切にしよう

1on1ミーティングは、部下の話をただ聞くだけの場ではありません。
また、上司が指導やアドバイスをする場でもありません。

大切なのは、「対話」をすること。

上司も意見を言いつつ、部下が自分の考えを深められるように導くことが重要です。


【まとめ】部下の愚痴を「共感」で受け止めよう

  • 「同感」ではなく「共感」する(主語を「私」ではなく「あなた」に)
  • まずは「傾聴」に徹し、部下の気持ちを理解する
  • 「話を整理する」ことで部下の考えをクリアにする
  • 解決策を押しつけず、部下の自己理解を促す
  • 1on1は「対話の場」として活用する

このようなポイントを押さえておくと、1on1の質が向上し、部下との関係性もより良いものになります。
部下の愚痴にどう対応するか悩んでいる方は、ぜひ今日から実践してみてくださいね!

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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