現代貨幣理論(MMT)と自国通貨建て国債論をエンジニア向けにわかりやすく解説
こんにちは。ゆうせいです。
「現代貨幣理論(MMT)」や「自国通貨建て国債論」という言葉を聞いたことはありますか?
これは経済学の分野の話ですが、実はシステム設計やエンジニアリングの考え方と似た部分もあるんです。
今日は、これらの理論をエンジニア向けにわかりやすく解説します!
1. 現代貨幣理論(MMT)とは?
MMT(Modern Monetary Theory) は、政府が自国通貨を発行できる限り、財政赤字(政府の支出が税収を上回ること)は問題にならない、という考え方です。
🔹 従来の考え方 vs. MMT
従来の経済学では、「政府の借金が増えると将来の世代に負担を残す」と考えられています。
一方で、MMTでは「政府は自国通貨を発行できるので、財政赤字を恐れる必要はない」と主張します。
💡 エンジニア的な比喩
システム開発において、「リソース(CPU・メモリ)は有限だから節約すべき」というのが伝統的な考え方です。
しかし、クラウド環境では 「必要なリソースはオンデマンドで追加できる」 ので、リソース不足を恐れる必要はありません。
MMTはこれと似ていて、政府は「通貨」というリソースを必要に応じて発行できる という考え方です。
2. なぜ自国通貨なら借金しても問題ないのか?
政府が発行する国債(借金)が 「自国通貨建て」 である場合、返済に困ることは基本的にありません。
なぜなら 政府は自分でお金を発行できる からです。
🔹 具体例
日本政府が「円建て」で国債を発行する場合、日本銀行(中央銀行)が必要ならば 円を発行 して政府をサポートできます。
つまり、日本円で借金している限り、デフォルト(債務不履行)にはなりません。
💡 エンジニア的な比喩
たとえば、自分が 管理者権限を持つサーバー を運用しているとしましょう。
ストレージが足りなくなったら、自分で増設できますよね?
これと同じで、日本政府は「円」の管理者なので、円が足りなくなれば新しく発行できます。
3. では、なぜ財政赤字を気にするのか?
ここで疑問が出てきます。「じゃあ、いくらでもお金を刷ればいいのでは?」という話です。
しかし、現実には インフレ(物価の上昇) の問題が出てきます。
🔹 インフレとは?
お金を大量に発行すると、その価値が下がり、物価が上がります。
例えば、10個のリンゴがあり、お金が10円なら、1個1円です。
しかし、お金を100円に増やすと、1個10円になるかもしれません。
💡 エンジニア的な比喩
ネットワークの帯域(バンド幅)を考えてみましょう。
ある時間帯にアクセスが集中すると、サーバーがパンクしてレスポンスが遅くなります。
同じように、お金を増やしすぎると、経済が過熱し、インフレが進みます。
MMTは、「財政赤字は問題ではないが、インフレには気をつけるべき」としています。
つまり、「リソース(通貨)は無限に増やせるが、システム(経済)の負荷を考えるべき」という話です。
4. では、政府の借金は本当に問題ないのか?
🔹 借金を返す必要はあるのか?
よく「日本の借金は1000兆円!」と言われますが、これは政府の負債であり、国民の負債ではありません。
政府が国債を発行しても、それを「円」で返せるので、デフォルトの心配はありません。
💡 エンジニア的な比喩
システム開発で「技術的負債」という言葉がありますよね?
多少の技術的負債(過去のコードの問題)はすぐに問題にはなりませんが、運用を間違えると大きなトラブルになる こともあります。
財政赤字も同じで、適切にコントロールしないとインフレが進むリスクがあります。
5. MMTのメリット・デメリット
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
政府支出 | 必要な政策(福祉、教育、インフラなど)に積極的に投資できる | インフレを無視すると物価が急上昇する可能性 |
財政赤字 | 問題視する必要がなく、国の成長を促進できる | 伝統的な経済学との対立があり、政策に慎重さが求められる |
国債発行 | 自国通貨建てならデフォルトしない | 国際的な信用や通貨価値の下落リスクがある |
6. まとめ:エンジニアの視点で考えるMMT
エンジニアリングとMMTには意外な共通点があります。
- クラウドのリソース管理と通貨発行の関係(必要に応じて増やせる)
- システム負荷とインフレの関係(過負荷になると性能が低下する)
- 技術的負債と国の借金の関係(問題にならないが、放置は危険)
MMTを理解すると、「財政赤字は絶対悪」という考えが単純すぎることがわかります。
しかし、どんなシステムも無制限に拡張できるわけではないように、経済も「適切なバランス」が必要です。
エンジニアとして経済を考えるときも、システム設計の視点で捉えてみると面白いかもしれませんね!
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投稿者プロフィール

- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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