Java開発でよく出てくる「依存関係」とは?初心者向けにわかりやすく解説!

こんにちは。ゆうせいです。
今回はJavaの開発において、必ずといっていいほど耳にする「依存関係(いぞんかんけい)」という言葉について解説します。
この言葉、最初は「ちょっと難しそう…」とか「何に依存してるの?」と戸惑うかもしれません。でも、これが理解できるようになるとプロジェクトの構造がクリアに見えてきます!
依存関係ってそもそも何?
一言でいうと?
あるコード(モジュールやクラス)が、別のコードに頼っている状態のことを「依存関係」といいます。
たとえば、自分のJavaプログラムの中で、外部のライブラリ(便利な部品)を使っているとき、そのプログラムはそのライブラリに「依存」しているわけです。
たとえばこんな例で考えてみましょう
例:コーヒーショップのレジ
- 自分:コーヒーを注文するお客さん
- 店員:コーヒーを淹れる
- コーヒーメーカー:実際にコーヒーを作る機械
このとき、お店の業務は「コーヒーメーカー」が使えないと成立しませんよね?つまり、店員(=ビジネスロジック)はコーヒーメーカー(=外部の部品)に依存しているということになります。
プログラムの世界でも同じで、あるクラスや処理が、他のクラスやライブラリがないと動かない、これが「依存関係」です。
Javaにおける依存関係の具体例
たとえば、ログを出力するために「SLF4J(ログライブラリ)」を使いたいとします。自分でログ出力の仕組みをゼロから作るのは大変なので、外部のライブラリに頼るわけですね。
このとき、プロジェクトは SLF4J に依存している ことになります。
import org.slf4j.Logger;
import org.slf4j.LoggerFactory;
public class Hello {
private static final Logger logger = LoggerFactory.getLogger(Hello.class);
public static void main(String[] args) {
logger.info("Hello, world!");
}
}
上のコードは、SLF4Jがプロジェクトに組み込まれている(=依存している)からこそ動きます。
なぜ依存関係を管理する必要があるの?
理由1:プログラムを動かすのに必要な部品があるから
Javaのプロジェクトでは、1つのプログラムだけで完結することはほとんどありません。たくさんの外部ライブラリ(部品)を使って機能を実現しています。
理由2:ライブラリがさらに別のライブラリに依存していることも!
これを「依存の連鎖」といいます。AがBに依存していて、BがCに依存している…という状態です。自分で全部手作業で管理するのは現実的ではありません。
そこで登場するのが Maven や Gradle
これらのビルドツールは、「このライブラリが必要です」と宣言すれば、自動的に必要なファイルを全部ダウンロード&管理してくれます。
Maven・Gradleでの依存関係の指定方法
Maven(pom.xml)
<dependencies>
<dependency>
<groupId>org.slf4j</groupId>
<artifactId>slf4j-api</artifactId>
<version>2.0.7</version>
</dependency>
</dependencies>
Gradle(build.gradle)
dependencies {
implementation 'org.slf4j:slf4j-api:2.0.7'
}
こう書くだけで、MavenやGradleが自動的にインターネットからダウンロードしてくれるんです。
依存関係にまつわるトラブルも知っておこう!
依存関係は便利な反面、以下のようなトラブルが起きることもあります。
トラブル名 | 内容 |
---|---|
依存関係の競合 | 同じライブラリの異なるバージョンが複数入ってしまい、エラーになる |
循環依存 | AがBに依存していて、BがAに依存しているなど、ぐるぐる依存してしまう |
不要な依存関係 | 使っていないライブラリを指定していて、プロジェクトが重くなる |
たとえば…
カレーを作るのに「味噌」も「ミルク」も「ケチャップ」も全部入れていたら、味がぐちゃぐちゃになりますよね。それと同じで、依存するライブラリは必要最低限が理想なんです。
まとめ:依存関係を正しく理解すれば、プロジェクト管理がうまくいく!
- 依存関係とは、あるプログラムが他のコードやライブラリに頼って動いている状態
- Javaでは、多くの処理が外部ライブラリへの依存によって実現されている
- MavenやGradleは、そうした依存関係を自動的に管理してくれる便利なツール
- ただし、依存の増えすぎやバージョンの衝突には注意が必要
次に学ぶべきこと
ここまで理解できたら、次のステップとしてはこんな内容をおすすめします!
- 依存性注入(DI:Dependency Injection)とは?
- MavenやGradleの「依存関係のスコープ」って何?
- 実際のライブラリ(JUnit, Jackson, Springなど)を使ってみる
依存関係は、ソフトウェア開発における「設計のカギ」でもあります。これを理解することで、コードの構造やアーキテクチャについても深く学べるようになりますよ!
それでは、次回も一緒に学んでいきましょう!
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投稿者プロフィール

- 代表取締役
-
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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