【Java初心者向け】フィールドの初期化は、「代入による初期化」と「コンストラクターによる初期化」どちらを使うべきか?

Javaでのフィールドの初期化は、「代入による初期化」と「コンストラクターによる初期化」の2つの主な方法があります。それぞれにメリットと適切な使い分け方があるので、以下で詳しく解説します。


1. 代入による初期化

public class User {
    private String name = "default";
    private int age = 18;
}

特徴

  • フィールド定義時に直接初期値を設定
  • 全インスタンスに共通の初期値を持たせたい場合に便利。
  • 初期化のロジックが単純な場合に向いている。

メリット

  • コードが簡潔で読みやすい
  • 定型的な初期値を指定するのに最適。
  • 複数のコンストラクターで同じ初期値を使いたい場合にDRY原則(同じコードを繰り返さない)を守れる。

デメリット

  • 複雑なロジック(条件付き初期化など)には向かない。
  • 依存関係に基づく初期化は不可能。

2. コンストラクターによる初期化

public class User {
    private String name;
    private int age;

    public User(String name, int age) {
        this.name = name;
        this.age = age;
    }
}

特徴

  • オブジェクト生成時にパラメータを受け取り、柔軟に初期化できる。
  • 必要に応じて複数のコンストラクター(オーバーロード)を使える。

メリット

  • 初期化に外部からの情報を使える
  • 条件分岐複雑な計算ロジックを含められる。
  • 不変オブジェクト(immutable)設計と相性が良い(finalフィールドの初期化など)。

デメリット

  • 簡単な初期値には少々冗長
  • すべての初期値を引数で与える必要がある(引数が多いと使いにくい)。

3. 使い分けのガイドライン

状況推奨方法
単純な固定値代入による初期化
初期値が動的・条件付き・計算を含むコンストラクターによる初期化
同じ初期値をすべてのコンストラクターで使う代入による初期化(共通化)
初期化に外部情報が必要コンストラクターによる初期化

まとめ

Javaでは初期化の目的や柔軟性の必要度に応じて、適切な手法を選ぶことが大切です。

  • 簡潔さ・再利用性を重視するなら「代入」、
  • 柔軟性・外部依存があるなら「コンストラクター」

というように意識して使い分けると、より可読性・保守性の高いコードになります。



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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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