パソコンで巨大ファイルの移動が速い理由とは?ポインタの仕組みをやさしく解説!

こんにちは。ゆうせいです。
今回は、新人エンジニアの方によくある疑問に答えていきます。

「ローカルで巨大なファイルを移動しても一瞬で終わるのは、ポインタのおかげですか?」

という質問、あなたも考えたことがあるかもしれませんね。
結論から言えば「ポインタ的な仕組みも関係しているが、厳密にはファイルシステムの最適化の力が大きい」ということになります。

どういうことか、順を追って解説していきます!


ローカルでの「移動」はコピーとは違う?

まず押さえておきたいのが、「ファイルの移動(move)」と「ファイルのコピー(copy)」は全く違う動作だということです。

ファイルをコピーすると…

  • 元のファイルの中身を全部読み出し(読み取り)
  • 新しい場所に全部書き出す(書き込み)

という2ステップが発生します。なので、たとえローカルでもデータが大きければ時間がかかります

では「移動」は?

実はローカルでの「移動」は、ファイルの中身自体は一切動いていないことが多いんです!

それってどういうこと?という方のために、たとえばこんな例を考えてみましょう。


例:本棚にある本を移動するとき

家にある本棚の中で、A段からB段に本を移したいとします。

  • コピー:A段の本を1ページずつ読みながら、ノートに書き写し、B段に新しい本を作って入れる
  • 移動:A段のラベルだけを書き換えて「B段にあることにする」

「移動」は中身を一切触らず、場所を指す「ラベル(ポインタ)」を変えるだけなんです!


実際のファイルシステムでは何が起きている?

ファイルシステム(例:NTFSやext4)

コンピュータでは、ファイルは「データ本体」と「メタデータ」に分かれて管理されています。

種類内容
データ実際のファイルの中身
メタデータ名前、場所、サイズ、作成日時など

ファイルの移動が速いのは、このメタデータだけを変更しているからです。

とくに同じドライブ内(例:Cドライブ内)の移動であれば、データの場所(アドレス)を指すポインタ的な情報だけを更新すれば済みます。


ポインタってそもそも何?

ポインタ(pointer)とは、何かの場所(アドレス)を指し示す情報のことです。

たとえば…

あなたのスマホの「写真アプリ」にはたくさんの写真が並んでいますが、実はそれぞれの画像ファイルを直接表示しているわけではなく、そのファイルの場所を指して表示しているんです。

この「場所を指す」仕組みがポインタで、ファイルシステムでも使われています。


では、別ドライブへの移動は?

ここが重要なポイントです!

  • 同じドライブ内の移動 → ポインタ情報の書き換えだけ → 一瞬で終わる
  • 別のドライブ間(例:CからD)の移動 → 実質的にはコピー → 時間がかかる

このように、「移動」が速いかどうかは、同じドライブ内かどうかで決まります。


簡単にまとめると…

移動タイプ中身が動くか?時間原因
同じドライブ内で移動動かない速いメタデータ(ポインタ)だけ更新
別ドライブ間で移動実際にコピーされる遅い中身を一度読み書きしているから

よくある誤解:「全部ポインタで済んでる?」

確かに「ポインタの更新で済んでる」といえますが、これはファイルシステムの設計が賢いからなんです。

ポインタという仕組み自体は、C言語などのプログラミングでも使われます。
ただし、ここでいう「ファイルの移動」の速さはOSとファイルシステムの工夫の結果です。


これから学ぶべきステップ!

この内容をしっかり理解できたら、次のステップに進んでみましょう。

学ぶと良いトピック

  1. ファイルシステムの種類と仕組み(NTFS、FAT32、ext4など)
  2. ストレージデバイスの構造(HDD vs SSD)
  3. ポインタの扱い(C言語やRustのポインタ)
  4. シンボリックリンクとハードリンクの違い

理解が深まるほど、ファイル操作の背後にある「本当の仕組み」が見えてきますよ!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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